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高まるサウナ熱 そのブームの今後を占う

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

「サウナー」「サ旅」「サ飯」ーーー 雑誌やメディアにも一般的に登場するようになったこれらの言葉。かつては年配の方々向けだと思われていた温浴施設やカプセルホテル併設のサウナですが、いまでは新しい施設も続々オープンして若者たちにも人気を博しています。

また、コロナ禍の影響で密を避けたいけど交流はしたいという希望からか、キャンプ熱も高まっています。そこにフィットするように薪ストーブを使った「テントサウナ」も続々登場し、キャンプ+サウナという新しいカタチの「サ旅」を楽しむ方も増えているようです。

テントサウナでアウトドアへの展開も進む。「琵琶湖は日本最大の水風呂だ」とのキャッチフレーズで22年10月、滋賀県守山市の琵琶湖岸にテントサウナ14基が並んだ。サウナ室が人気の銭湯「都湯ZEZE(ぜぜ)」(大津市)の番頭、原俊樹さんが仕掛けた「みや湖湯サウナフェス」だ。料金は1人1日4000円。20〜40代を中心に2日間で333人が利用した。

日経電子版

テントサウナが人気なのは男女が水着で一緒に楽しめること。あれ? サウナ施設は水着でも男女で利用できないの?と不思議に思いますよね。サウナ施設は各都道府県の「公衆浴場法施行条例」を遵守する必要があるのですが、その文言の解釈を巡ってよかったり、だめだったりするようです。具体的には「7歳以上の男女は混浴禁止」という点なのですが、水着をきてても「混浴」にあたるのかという部分に解釈の幅があると。

ブームを呼び水に地域へ人を呼び込もうと、各地でサウナーの獲得合戦が始まっています。山梨県ではより利用しやすくするためにこの条例を改正しました。

人口10万人あたりのサウナ数が最も多い山梨県では、2021年、サウナを観光資源に育てる「やまなし自然サウナととのいプロジェクト」がスタートした。

サウナや組み立て型プールなどの購入費として最大20万円を補助しキャンプ場など23社が新規導入した。22年4月には男女が一緒に利用しやすいよう公衆浴場法施行条例を改正。着衣であれば共に楽しめるようにした。

特設ホームページを設けアウトドアサウナを紹介するほか、「サ飯」を動画でリポートするなど周辺消費も促す。主導する県観光振興課の斉藤隆太主任は「体験を通じて交流人口を創出し活性化につなげたい」と語る。

日経電子版

サウナ人口全体でみると、ブームとは裏腹に減少傾向が見られます。もちろん、コロナ禍によるインパクトが大きいですが、地方施設の閉鎖などの影響もありそうです。

サウナ人口減の地域差を検証したところ、関東圏ではミドルに関しては若干の増(4.7%)、関西圏ではヘビーが若干の減(5.1%)となり、地域差が明らかであった。

近年のサウナのメディア露出頻度の高まりにより、いわゆる「サウナブーム」が唱えられている。この分析結果は、都市部でのブームの高まりにより、コロナによる利用客減少が相殺されたと考察される。

一方で、都市圏以外のサウナ愛好家人口が減っていることは、地方で愛されてきた施設の閉鎖とも相関があると考えられる。

一般社団法人日本サウナ・温冷浴総合研究所

これらの動向を踏まえると、都市部から地方へと移動する「サ旅」には大きなポテンシャルがありそうです。週末に郊外のスーパー銭湯に行く感覚で、ちょっと足を伸ばしていけるところ。

温泉は源泉を見つけないといけないためどこでもできる話ではありませんが、サウナであればどの地域でもアイデア次第で実現できます。たとえば、厳冬の北海道・十勝では氷結した湖に穴を開けてエクストリームな水風呂体験ができる施設も人気です。

日常のホッとする地元のサウナ施設もよいですが、今後は「ハレの日のイベント」としてのサウナがさらに熱くなってくるでしょう。


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タイトル画像提供:ライダー写真家はじめ / PIXTA(ピクスタ)


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