2024年の振り返り〜Child PenaltyからChild Boostに奮闘し始めた1年〜
チャイルドペナルティからチャイルドブーストへ
2024年、自身はエコノミストとして母として、チャイルドペナルティを乗超えりつつ、自信を取り戻すために更に奮闘した1年でした。今回は、私が経験したことや気づいたことを共有し、何かのヒントになればと思い記載します。
チャイルドペナルティとは
チャイルドペナルティとは、子どもを持つことによって、特に女性が仕事や収入面で不利な状況に置かれることを指します。この現象は国際的にも広く報告されており、昨年ノーベル経済学賞を受賞したゴールディン氏も指摘しています。たとえば、海外ではチャイルドペナルティによって収入が約2割減少するとの報告がありますが、日本では4割減少するとの指摘もあり、その深刻さが際立っています。
チャイルドブーストとは
一方で、タイトルにもある「チャイルドブースト」という言葉は私が作った造語です。これは、子育てを通じて得られる新しい視点や知識を活かし、それをキャリアや人生においてプラスの力として転じることを指します。チャイルドペナルティを乗り越えるだけでなく、それを新たな成長や挑戦の機会に変えることが目標であり、そうなればいいなと思い作った造語です。もちろん、現実は壁になることもありますし、達成するには個人の状況にも大きく左右されます。
自分を責め続けた1年からの脱却
チャイルドペナルティでなく、チャイルドブーストにしていきたいと感じたのは、以下の経験があります。
私は自分の会社を持ち、エコノミストとして企業に対するファイナンス・IRアドバイス、メディア出演、そして研究者として活動しています。しかし、復帰後も仕事がある保証はありません。切ないことに、出産のタイミングで一部の仕事の機会を失い、自分を責める日々が続きました。テレビやラジオへの出演機会を逃し、その後レギュラーとして起用された他の方を見ては、「自分はダメなんだ」と感じていました。しかし、そんな中で気づいたのは、私は子育てを選び、そこから得られる幸せを受け取る行動をしたということです。
そして、有難いことに無くなった仕事ばかりでなく、得られた仕事の機会もありました。2024年12月には、コーポレートファイナンスの専門性と妊娠・出産・育児で得た視点を掛け合わせた研究プロジェクトが始まり、子育てを契機に新たな連載もスタートしました。食糧安全保障と食育を兼ねて農園を借りたことで得られた連載もあります。また、上場企業を中心にファイナンスやガバナンスのアドバイザーとしての仕事の機会もいただき、本当に感謝の1年になりました。
おかげさまで、失った仕事の機会以上に、新しい視野や仕事の可能性が広がりました。チャイルドペナルティの経験をしながらも、チャイルドブーストの第一歩を踏み出せたと感じています。もちろん、まだまだ道半ばですが・・
挑戦と協力
多くの人がチャイルドペナルティを打破するには、やはり両親の助けは重要です。しかし、我が家は両親に頼ることができない状況で子育てをしています。子どもが熱を出して保育園に行けない時、夫に仕事のスケジュールをリスケさせることもありました。その際、夫に迷惑をかけているという罪悪感に苦しみましたが、「負担はお互い様」という考えにたどり着くことで、罪悪感を軽減できました。もちろん、今も少しありますが・・よくない考え方ですね。
これらの経験を通じて、子育てと家庭が4割、仕事が6割という割合が私にとって最適だと感じています。批判もあるかもしれませんが、自分の最適解を見つけることも大切だと感じた1年でした。
必要ないアドバイスをスルーする大切さ
加えて、この1年で学んだことととして、スルーする力です。上の世代の女性から、「女性はワンオペ育児をすべき」「夫に迷惑をかけるな」という価値観を押し付けられることが多々ありました。その結果、必要のないアドバイスを積極的にスルーすることを覚えたように思います。今も、たまに心の重しになることもありますが(笑)
一方で、結構な数の30〜40代の男性が「子育ては一緒にして当たり前」という価値観を持つことには助けられました。これから子育てをする人にも、自分にとって必要な価値観や助けを選び取る重要性を伝えたいです。
家族、そして子どもへの感謝
今もチャイルドペナルティを経験しながらも、チャイルドブーストしたという考えに至るまでの道のりは、周囲の支えや環境、そして子ども自身への感謝があってこそのものです。母としての私を作ってくれた子どもには「母にしてくれてありがとう」という思いを常に持っています。
できれば、同じようにチャイルドペナルティやチャイルドブーストを経験する人々のネットワークを構築したり、情報交換や支援の場についても考えていきたいと思います。
2024年は、自分を責め続ける日々から脱却し、社会に恩返しをしたいという思いを強めた1年でした。このブログを通じて、同じような課題を抱える方々とつながり、一緒に新しい未来を作っていければと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
いつもありがとうございます!
(畑は、我が家の2歳児さんが農園で水やりしている姿です!)
崔真淑