空前のサウナブーム到来!異国ドイツの混浴サウナで「ととのった」話
電脳コラムニストの村上です。みなさん、ととのってますか?
最近サウナにハマっている人が多くないですか。少なくとも、わたしの周りではかなり耳にするようになりました。とあるカンファレンスに参加した際も、夜のネットワーキングパーティーでは「このあと、どのサウナに行くべきか?」という議論が白熱していました。ひょっとすると、IT業界に顕著なのかもしれません。エモい企業ストーリーをPRに活かす「PR Table社」では、自社ブログの一角に「わが社 in da サウナ」という連載があるくらい(各地のサウナを温度付きで紹介しているので、とても有益)。
「ととのったー!」という言葉もちょいちょい耳にするようになりました。サウナ好きのバイブルとも言うべき、タナカカツキさんの『サ道』に出てくる決め台詞です。もしサウナをどう愉しめばいいのかがわからない!という方は、ぜひ読んでもらいたい名著です。
■ 「ととのう」とはなにか?
サウナでととのった感じというのは、一体なんなのか? 交互浴(サウナと水風呂を交互に入る)により恍惚としてくる感じ、といえばわかるようなわからないような。前述の『サ道』の中では以下のように表現されています。
サウナと水風呂を何度か往復したら身体をタオルでよく拭いて、イスに深く腰かけたりベンチに寝たりして休憩する。サウナの醍醐味はここからである。じーんと身体がしびれてきて、ディープリラックスの状態がやってくる。血流が身体中を駆け巡り脳に酸素がゆきわたる。やがて多幸感…サウナトランス
いわゆるトランス状態のことらしいですが、根拠はあるのでしょうか。
「サウナ浴で、脳内ホルモンであるβ-エンドルフィンが分泌されることが確認されています。またネコやネズミなどの脊椎動物にも、水風呂に相当する10℃の寒冷浴や42℃の温熱刺激を行うことで、おなじく脳内ホルモンのオキシトシンや、神経伝達物質のセロトニンが上昇することが証明されています」
なんと、脳内麻薬とも呼ばれるβ-エンドルフィンが分泌されているとは!それはトランス状態と言っても差し支えないでしょう。
■ サウナ=マインドフルネス?
わたしがサウナにハマったのは、先のような恍惚感もありますが、瞑想に似た効果があると感じたからです。これまでもより集中力を高めたり、仕事の効率をあげるためにマインドフルネスのワークショップを体験したり、座禅をしてみたりしてきました。しかし、うまく瞑想できたりできなかったり、結構ムラがあったため自分には向いていないかなと思いました。そんなときにふと入ったサウナが、誰もお客さんのいない貸切状態。薄暗く静かな感じが瞑想に向いているかもと思い、おもむろに瞑想を開始。これがドンピシャ!にハマり、これまでにない満足感を得ることができました。先の記事でも、以下のように解説されています。
人は座禅することで脳内のセロトニンが上昇すると考えられている。つまり座禅のような拘束的な動作と痛みは、水風呂による水浴刺激と似たような脳内セロトニンの変動が起こっており、サウナ浴で座禅のような瞑想に近い状態を作り出せる可能性が考えられるという。
■ ドイツのサウナ事情
これ以来、どこにいても良いサウナを探すことが日課となりました。特に出張の夜は一人で時間があることも多く、各地のサウナを体験するのを楽しみにしています。珍しいところで言えば、ヘルシンキ空港のフィンエアーのラウンジにはサウナがあり、トランジット中にもととのうことができるといった具合です(機内でよく寝られます)。
以前仕事でドイツに行った際にも、もちろん現地のサウナを探索。実はドイツは温泉大国でサウナもどの街にもありますし、スーパー銭湯のようなものも現地の方には人気です。帰りにケルン在住の友人の顔を見に行ったついでに、おすすめサウナに行ってきました。
大多数の日本人にとって驚きなのは、基本的に「裸」に対して男女共に抵抗感がなさそうなところ。ヌーディストビーチもあるくらいで、裸で自然と触れあう文化(Freikörperkultur)があるらしいです。
まず、入場して更衣室に入ります。日本だと男性、女性のエントランスがありますが、ここは入り口が一つしかありません。そうです、更衣室からして男女兼用です。一応、ロッカーとロッカーの間に試着室のようなコーナーはありますが、申し訳程度。マップによると、プールコーナーは水着かバスローブが必須、サウナコーナーは全裸必須(逆に水着の着用は禁止)のようです。
さっそくお目当てのサウナビレッジに行くと、テーマ(温度や湿度)の違うログハウス型サウナが4つも建っており、真ん中にはシャワーと水風呂プール。普通に生まれたままの姿の男女がうろうろしています。なんということでしょう。郷にいればなんとかというので、見よう見まねでわたしもフィンランド式サウナに。中には老若男女が思い思いにサウナ欲を楽しんでいる様子。若い男女はデートのようです(後に友人に聞いたところ、サウナデートは人気あるよーとのこと。岩盤浴デートみたいなものか…)。
最初は面食らったものの、慣れてくるとむしろこれが普通じゃないかという気になってくるのが不思議なもの。すっかり現地の人と同じように水風呂〜違うサウナロッジへとハシゴするような感じになりました。
■ ロウリュウタイムで発見。親子でサウナ!?
しばらくすると、一番広いフィンランド式サウナに人がどんどん吸い込まれていきます。隣の人に聞いたところ、そろそろ「Aufgüsse」がはじまるよ!とのこと。どうやら、日本でいうところのロウリュウらしい。それはぜひとも体験せねば、ということで、みんなの後にしたがい上段のほうで準備を整えます。
ここのサウナは真ん中に熱源があり、それを2段のベンチが取り囲むようなスタジアム形式。気づくとほぼ満員で、30名ほどの老若男女でぎっしり。ロウリュウ担当の人も準備を始めています。最後に滑り込んだのが、親子とみられる3人で、父・母・娘という構成。慣れたと思いましたが、さすがにこれにはビックリしました。
肝心のロウリュウはというと、ものすごい熱風をしっかりと受けて限界ギリギリです。周りの人も結構効いたらしく、終わると我先にと外に飛び出していました。外ではかき氷が大きなバケツに入れてあり、それを体に塗りつけて涼をとる人が多かったです。
■ まとめ
・サウナは瞑想と同じような効果があり、医学的にも証明されつつある
・ドイツのサウナは混浴で全裸必須(北欧もそうらしいです)
・ロウリュウのドイツ語はAufgüsse(アウフグース)
日本に帰ってきても、あの爽快感を味わいたくなる今日このごろ。同じスタイルのサウナビレッジができたらいいのになぁ、誰かつくってくれないかなーと思っています。みなさんも良いサウナライフをお過ごしください!
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タイトル画像提供: kou / PIXTA(ピクスタ)