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2024年にやったセルフケアまとめ

ぼくの脳内にはピンポン球が2万個あります。仕事や育児で疲労すると、ピンポン球が脳内で元気よく跳ねはじめ、とんでもない騒音状態になります。

ピンポン球というのは思考の断片のことで、ミーティング時の言葉が反響して「もっといい伝え方があったんじゃないか」という疑問が湧いたり、仕事の次の作業のことを考えて「あの仕事をどう進めるべきか」と問いとアイデアがカコンカコンと脳内をうるさく駆け巡ります。

こんな感じの情報が、体感で2万個ぐらい頭を埋め尽くし、ゾンビみたいな疲労状態になって、落ち込んだり、苛立ったりと、気づけば感情に振り回される日々です。

30代後半になって気合いと元気だけで乗り切れなくなってきたのもあるし、自分をもうちょっといたわりたいと思い、セルフケアを中心に生活を見直し始めたのが2024年でした。


セルフケアを始めた話

最初の一歩は、パートナーとの対話でした。仕事はそこそこに忙しく、育児も3歳と5歳の子育ては毎日わちゃわちゃで疲労が取れない状況だったので、朝夕の送り迎えタスクをパートナーに分担してもらいました。これによってぼく自身が少し楽になっただけでなく、パートナーもぼくの苛立ちや落ち込みに気を使う負担が減り、家族全体が少しだけ軽やかになりました。

それでも、ピンポン球2万個の躍動を抑えるのは簡単ではありませんでした。そんな時に出会ったのが「セルフコンパッション」という考え方でした。「自分を責めるのではなく、思いやる」というアプローチが新鮮で、本をじっくり読んでみて、自分を責めたり、他人を責めたりすることでピンポン球を増幅させていた自分に気づいたのです。


マインドフルネスの実践

セルフコンパッションの一環として取り入れたのが、マインドフルネスでした。「メディトピア」というアプリを使って、1日10〜15分、目を閉じて呼吸に集中する時間を作りました。疲れた夕方や、寝る前の灰のように燃え尽きた状態でも、これをやると少しだけ「ピンポン球が静まる」感覚があります。

ただ、うまくいかない日ももちろんあります。それでも「やれば少し楽になる」という感覚があるだけで、心の支えになります。


朝の新しい習慣

2024年には、朝のルーティンも大きく見直しました。6時に起床して、まずは感謝を念じる時間を取ります。スピった感じもしますが、「この家があってよかった、ありがとう」「仕事があることに感謝」「自分の体へ、いつもシャカリキ頑張ってくれてありがとう」など、小さな感謝を心に浮かべるだけで気持ちが落ち着きます。

その後、白湯を飲み、コールドシャワーを浴びます。コールドシャワー、意識高い系テストステロン男性がやってる印象があって、だいぶ半信半疑だったんですが、これが驚くほどシャキッと目を覚まさせてくれるんです。

その後はYouTubeでストレッチをし、朝の光を浴びる時間を取ります。この流れで、ピンポン球が跳ね始める前に気持ちを整えることができるようになりました。


夜の過ごし方と楽しみ

夜はどうしてもゾンビ状態になりがちです。ゾンビ状態で見ているYouTubeのショート動画の虚しさよ…。ただ、けんた食堂のしずる感は好きです。

そんな時こそマインドフルネスをできたらいいんだけど、疲れていると集中できずに中断してしまうんです。だから、クリップライトをつけて迷惑かけないようにしながら、ベッドで本を読んで眠気が高まるのを待つという方法をとっています。

井上法子さんの第二歌集でじわじわとあたまとこころをほぐしたり、ボルヘスの奇伝集で脳内迷子になってそのまま寝落ちしたりしてます。


辞めたことと始めたこと

あと、2024年にはお酒を辞めました。10月から禁酒を始めたのですが、酔っ払った翌朝のダルさがなくなり、夜の過ごし方がクリアになりました。

また、自動車教習所に通い始めたのも新しい挑戦でした。マニュアル車でエンストを繰り返し、結局オートマに切り替えたのですが、無事に卒業検定に合格。新しいことに挑戦する喜びを実感しました。


インプロと遊びの発見

そして、もう一つ大きな変化をもたらしたのが即興演劇(インプロ)です。このワークショップを通じて学んだのは、「ウソをついて遊ぶモード」に自分を切り替える技術でした。この結果、子どもとのやり取りがより楽しくなり、ピンポン球が脳内を跳ね回るのではなく、子どもとピンポンパンポン遊び心のあるキャッチボールができるようになりました。

さらに、この感覚を飲み会の場にも持ち込んでみました。インプロの技術を意識しながら酔った人たちとの会話に参加することで、「素面で酔えるノンアルコールアルコール」として場を楽しむことができるんです。他者との遊びの中で、気持ちが軽やかになる実感を得ました。

セルフケアと、他者とのケア

この記事(日経新聞:メンタルヘルス市場の拡大)でも触れられているように、メンタルヘルス市場は年々拡大しています。セルフケア商品の充実はありがたい一方で、それだけに頼るのではなく、友達や家族との交流を通じて「ケアし合う関係」を築くことの大切さも改めて感じます。マインドフルネスの効果を実感する一方で、誰かと笑い合う時間が、結局一番のケアになっているなと気づく瞬間も多いです。

2024年を通じて、あらためてセルフケアで自分を整えることの大切さを実感しました。しかし、それ以上に重要だったのは「他者と遊べる軽やかさ」を持つことです。インプロや子どもとの遊びを通じて、感情をキャッチボールできるようになり、メンタルの負担が軽減しました。

2025年は、この「遊び心とセルフケアのバランス」をさらに深めていきたいと思っています。ピンポン球が跳ねる毎日も悪くない、そんな気持ちで新しい年を迎えたいです。

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臼井 隆志|Art Educator
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