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伝え方で変わったこと〜大事なことは重複をおそれず何度も言葉にする

2012年にガーナの村で村の人たちと一緒に幼稚園建設プロジェクトを実施したことを皮切りに、トイレやクリニックの整備や、収入源となるような事業の模索など、村人達による取り組みに伴走してきました(MY DREAMプロジェクト)。以来、子どもや大人の集まる様々な場で、お話しさせていただく機会を得てきました

10年前の当初、講演資料を準備する際に気をつけていたことは、話す内容がなるべく重複しないこと。でも最近は、大事なことは寧ろ何度でも、時には二回以上同じスライドを投影してでも繰り返してお伝えしたいと思うようになりました。そんな自分の変化にふと気がつき、伝え方で変わったことについて振り返ってみたくなりました。

10年前は伝える内容にばかり意識が向いていた

10年前どうして重複しないようにという事に意識を割いていたのかというと、おそらくそれは限られた時間の中にできるだけたくさんの内容を詰め込んで、くまなく伝えたいと思っていたからなのだろうと思います。たくさんの視覚情報と言葉をちりばめて、少しでもガーナの村の現状を伝えたい、身近に感じて欲しい、その想いばかりが先立ちっていました。

あまりに多すぎる情報量だったと思いますが、熱意を好意的に受け止め、あたたかい言葉をかけていただくことがほとんどでした。ですがおそらく、聞いてくださった方々に何が印象に残っているか聞いていたとしたら、答えに窮させてしまうような伝え方だったのではないかと、今振り返ると思います。

私はしゃべる仕事ですが、もし、雄弁術というものがこの世にあるとしたら、心から「この情報を相手に伝えたい」と願う以上の極意はないと思います。ー福井健策弁護士

日経新聞『発信の極意は「本気で伝えたい」気持ち』

大事なことは重複をおそれずくりかえし表現する

人前でお話しさせていただくようになってから10年。最近は伝え方が変わり、重複しないように情報を整理しすぎるのではなく、むしろ伝えたいことは最小限に絞って、伝え方を変えたりしながらくりかえし練り込むようになりました。それはなぜか。私自身の実感として、初めましての相手から出てくる初めての話題が、そのまま腹落ちすることはあまりないように感じるようになったからだと思います。

一度聞いたことを改めて説明されたり、あるいは別の言葉で受け取ったりして初めて、「あ、こういうことを伝えたいのかな」と理解が及ぶようになってくる。大事なメッセージは、重複を恐れず何度も言葉にしてもらえる方が、受け手としても安心してコアメッセージを持ち帰ることができる、そんな風に感じるようになったからです。

伝え手としては、聴いてくださる方の反応に心が及ぶようになったことも理由かもしれません。以前は伝えることにいっぱいいっぱいでしたが、今はそれよりも聞き手がどう感じてくれているか、受け止めてくれているかの方が大事に思うようになりました。アフリカの仲間達との関係の中で教えてもらってきたことや、棚卸した経験から教訓化したことを、少しでも有意義な形で受け取ってもらいたい、納得して持ち帰ってもらえるように工夫したい。伝え手のエゴかもしれませんが、最近はそんなことを思いながら、伝え方を考えています。

「同じことを伝える場合でも、相手の状態に応じて、伝え方を『翻訳』するように心がけると、相手を納得させることができ、動いてもらいやすくなります」ーオイシックス 高島社長

日経新聞『納得される伝え方、工夫』

伝え方に正解はないからこそ、これからも試行錯誤を続けていく

きっと正解はないんだろうと思います。今腹落ちしている伝え方も、また10年先には違うことを思うかもしれない。講演のたびに振り返って、時に凹んだり不安になったりすることを繰り返しながら、他の方の講演に学びながら、これからもより良い伝え方を模索していきたいと思います。

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