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リクルートの「あなたはどうしたい?」はグローバルに通用すると思った話

こんにちは。
リデザインワークとスキルキャンバス代表の林です。

「あなたはどうしたいの?」リクルートではよく聞かれる質問として有名です。実際に、リクルートに新卒で入社した僕も、入社してすぐに聞かれました。

僕「引き継いだクライアントさんが〇〇とおっしゃっています。どうしたらよいですか?」
上司「あなたはどうしたいの?」

正直「え?」と思った記憶が今でも鮮明に残っています。新卒で入社して、引き継いだばかりで、右も左もわからなかったので、どうしたい?と聞かれましても・・・まずは教えてくださいよ。というのが正直な感想でした。

きょとんとしている様子を見て、上司が、
「もうあなたのお客様なんだから、あなたがどうしたいかを考えてね」と言われました。

どうしたいの?という問いは、入社すぐから、その後もずっと聞かれていきましたし、僕自身もメンバーをもっていくと、この問いを投げかけながら組織運営をしていきました。

この問いを一人一人が抱えながら業務を進めていくから、当事者意識が生まれ、唯一無二のカルチャーがつむがれていくんだと思います。

「あなたはどうしたい?」はグローバル共通で価値があると気付いた

30歳になったときに、リクルートホールディングスの社長秘書を担うことになりました。ちょうどその頃から、リクルートは、グローバルの派遣会社やindeed社などのM&Aを加速していきました。

M&Aで買収した会社のPMI状況の視察もかねて、北米中心に出張が増えていったのですが、

僕は、よく知らないリクルートという、日本企業に買収された、海外の子会社で働く人たちはどんな気持ちなんだろう?買収されて嫌な気持ちじゃないかな?とか不安を抱えながら買収先の会社に向かったのを覚えています。

「リクルートに買収されて仕事が楽しくなった」


多くの現地従業員から言われた言葉です。正直驚きました。え?会社が買収されて、仕事が楽しくなるってどういうことなの?

でも、話を聞いていくと、とても理解が出来ました。

リクルートのマネジメントは「あなたはどうしたいのか?」を聞いてくれる。これまでは、マニュアルやトップの指示に従うことが当たり前だったが、今では自分で工夫を考えて、もっとよくできないか?と考えて仕事をするようになって、仕事が楽しいって思えるようになった

ということでした。

彼らが仕事が楽しくなった理由は、もう一つありました。
経営情報の透明性です。以前は知らなかった、経営情報や事業の数字などがすべて開示されて共有されるというものでした。

例えば派遣会社では、事業所ごとに売上目標は持っていたが、利益は開示されていなかった。実は、事業所ごとで見ると、利益がほとんどでていなかったことがわかった。

そこで、現場一人一人が会社の経費で買っていた新聞や雑誌の数を減らしたり、利益率の高い仕事にフォーカスするようになったり、一人一人がどうしたいかを考え、行動するようになったと。

あなたはどうしたいのか?と主体性を重視する経営方針があり、どうしたいかを考えるために、情報は最大限共有する。

「あなたはどうしたいのか?」という問いは、グローバル共通で、人の内発的な動機を高め、自律的な工夫を促すことができる強烈な問いなんだと思ったエピソードでした。

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林 宏昌(リデザインワーク・スキルキャンバス代表)
経営戦略、人事戦略、働き方について、自身の経験を通じて得た気づきや学びを書いていきます。フォローしてもらえると喜びます! リクルートにて営業→経営企画室長→広報ブランド推進室長→働き方変革推進室長→リデザインワークを創業+ベーシック取締役COO+情報イノベーション大学客員教授