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中国の「盲盒経済」の拡大が止まらない。KFCとPOPMARTのコラボと高額転売は社会問題へ

ここ数年、中国で大人気のトレーディングボックスこと「盲盒経済」。以前にも何度かnoteで書いたことがあります(興味のある方は文末のリンクをご覧ください)。

日本のみなさんにはおなじみの”ガチャガチャ”の近代バージョンですが、こちらが中国で大人気になって資本の注目を集めてから、その勢いはさらに加速していて市場の発展が止まりません。日常的に気軽に買うおもちゃからブランド品とのコラボレーションまで幅広く展開しています。

例えば、デザインでも販売店の数でも最大手のPOP MARTでは、2021年からMONCLER、Ray-Banなどのブランド品や、ピザハットやシュミテクトなどの日常的なものともコラボレーションをしました。

また、1月4日にKFCとコラボした盲盒のリリースは、トレーディング商法や食べ物の浪費などについての多くのネット民の間で議論となり社会問題になったと言っても過言ではないです。

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↑KFCが中国市場進出35周年記念イベントの一つとして、pop martの人気IPであるDIMOOのトレーディングボックスセットを数量限定で販売。

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↑スペシャルセットは99元で約1700円です。セットの中身はトレーディングボックス一つと、チキンロール、ポテトのS、チキンバーガー、ナゲット5個入り、エグタルト2個入り、ペプシのSサイズが三つといういわゆるファミリーセットです(が、なんだかんだドリンクだけが3人前の気がします)。

ただ普通DIMOOのボックスも69元しますので、食事付きのコラボは実際にはそんなに高くもないです。

おもちゃがレギュラー6種とレアバージョン1つの全7種類で、一箱が6個入り、全国限定の26万個。つまりレアが出る比率が1対72だそうです。レアなしでも、箱ごと購入する場合、594元(約1万200円)がかかります。

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↑どうしても集めたい熱烈なファンは食べ切れないにもかかわらず、とにかくフィギュアが欲しいモードに入ってしまいました。

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↑台車まで出動した画像もネットにアップされてます。

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↑また、ネットでは食べる代行サービスも一時的に話題になりました。セット料金払えば、食事は食べてあげてフィギュアを無料郵送であげるという代行があっちこちに現れました。

そしてこのクライマックスがきました。

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↑どうしてもレアが欲しいから106セットを購入した人が現れました。ちなみにこの10494元は日本円では約18.7万円。。

KFCの設定で3人前のセットだと解釈すると、”一回の買い物で300人前って一生分のケンタッキーだ”と揶揄するネットユーザーも。

このような、明らかに必要以上の保存できない食べ物の購入は、膨大な浪費になるという視点から大きなクレームを集めました。そして、1月12日には中国消費者協会が今回の一連の件を公に批判しました。

商品販売における、おまけやポイントや割引などの合理的な促進販売は良いですが、KFCは外食レストラン、しかもファストフードという消費期限が極めて短い商品を販売する企業として、必要以上の「ハングリーマーケティング」は不適切で、トレディングボックスへの衝動的な消費によって、食料品の浪費が生じて、食品販売企業としては公序良俗への侵害や、2021年4月29日から実施された「反食品浪費法」の違反の恐れもある

とコメント。これについては賛同するネット民がたくさんいます。

以前に書いたスニーカーの転売や、先週書いたレーナベルの転売もそうですが、日本と比べても転売ヤーのアグレッシブさが桁違いに強く、競争が熾烈だと感じています。

欲しい人がいればそこに転売がある中国。ちなみに、このKFCとのコラボもすぐに”アリババ系のメルカリサービス”で高値で転売が開始されました。

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↑どっちもフィギュアオンリーでレギュラバージョンは145元から、レアは799元からの大ビジネスとなっています。

先日日経電子版に載っていたロレックス転売の記事を見ました。

日本でもメルカリなどを活用して転売で稼いでいる方が多いと思いますが、中国の転売のプロたちの動きの速さと抜け目の無さはいろんな意味で勉強になります。また興味深い事件が起きたら紹介したいと思います。

あと、POP MARTやトレーディングブームについてもっと知りたい方はこちらのnoteにもご参考ください。

(参考資料)


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中国情報局@北京オフィス
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