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老後のお金、いくら準備すべき?現在の生活とのバランスを

「プチぜいたく老後を送るなら2億円」「堅実老後を送るなら1.2億円」が必要。マネー誌の老後必要資金はインフレで膨らみがちです。

この記事の試算では30年間の生活費を試算しています。65歳の定年から100歳までという試算なのでしょう。

他方で、多くの方にとって、人生100年時代は来ないという研究調査も出ています。

日本を含む長寿の国でこの30年、平均寿命の延びは鈍化しており、今世紀中に100歳まで生きる人の割合が女性で15%、男性で5%を超えることはないとの予測を、米イリノイ大などのチームが8日までに米科学誌ネイチャーエイジングに発表した。
「人生100年」を前提とした老後資金の見通しや保険の価格設定は多くの場合、過大評価になると指摘。今後は老化を遅らせる画期的な技術が登場しない限り、急速な寿命延長は望めないとしている。

2024年10月8日(火)日経電子版

100歳まで生きるという仮定で、100歳までの生活費を現役時代に貯めるということは多くの人にとって、少々やり過ぎなのかもしれません。なぜなら、現役時代を楽しむことも何よりも重要だからです。

それではいくらあれば老後生活の心配が減るのでしょうか。

老後に実際に必要なお金は、生活費、年金などの収支が千差万別です。職業や家族構成で5つのパターンを作りました。ここでは25年分で計算をしました。

シングルや共働きの会社員の場合、それほど多くの老後資金を貯め込まなくてもよいことが分かります。

自営業の方の場合、小規模企業共済などの自営業向けの非課税制度などを利用して年金が薄い部分を補填する必要がありそうです。ただし、自営業の方の場合、定年もなく、健康なかぎり、働き続けられるというメリットもあります。

また、運用をしながら、老後資金を取り崩すと、運用をせずに取り崩す場合と比べて、お金の寿命を伸ばすことができます。

インフレ率が 3%であれば、3%以上のリターンを出せばお金の目減りを阻止することができます。

つまり、かかる生活費を把握する、長く稼ける力をつける、若い頃から練習をして運用ができる能力を身につけておく、などによって老後の過剰な心配を減らすことができます。

円安になって、将来もらえる年金の価値が目減りしたらという心配もありますが、こちらも外貨運用などをしたり、長く働ける能力(インフレに強い)を身につけることによってリスクヘッジをすることができます。老後の不安を減らすには、とにかく様々なことを可視化することが重要です。


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花輪陽子(FP@シンガポール、経営者、著者)
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