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男性用化粧水市場が成長。そこで、少し、男性用化粧水を振り返り、化粧水に求めていることの変化を整理してみよう!


うーん、最近「男性用化粧水」という言葉にも、すこしハードルがあるのですが。

すでに、化粧水、化粧に性別が関係なくなりつつあり、「男性用化粧水」という言葉を使うことにも、少し「ピクッ」っとするのは私だけでしょうか。
が、面白い記事があったので、少しこの記事をネタにマーケティング的な考察をしてましょう。

このように、男性用化粧水市場が、成長しているようなのです。

マーケター的思考:同じ言葉でも「定義」が変化する

みなさんは、この記事に登場する「化粧水」という言葉の定義はどのように考えていますか。

マーケティングでは、言葉が変わらなくても、その言葉の定義が変わり、その定義変化を理解しないことで、マーケティングのゲームの敗者になることがしばしあります。

実際にこの男性用化粧水は、定義が変わった良い事例なので、トレンドを整理してみましょう。なお、トレンドの整理は、あくまで私個人的な整理です。

  • 1960年代~1970年代

    • 資生堂 MG5

    • コピー:「男のたしなみ」

  • 1980年代

    • マンダム ギャツビー

    • コピー:「男の身だしなみを、もっとかっこよく」

  • 1990年代

    • SK-II MEN(1990年代後半)

    • コピー:「男の本気のエイジングケア」

  • 2000年代以降

    • ニベアフォーメン

    • コピー:「男性の肌にやさしく」

  • 1960年代:「身だしなみ」という概念の導入期

  • 1980年代:若者向けカジュアル路線の確立

  • 1990年代:本格的なスキンケアの提案

  • 2000年代以降:機能性と使いやすさの重視

と、男性用化粧水に求められていることが変わっているのです。これが、マーケターが理解しないといけない、お客様の定義の変化なのです。

そして、1990年代以後は、ユニセックス化も

実は、私は1967年生まれなので、「資生堂 MG5」のユーザーではありません。しかし、自宅で、父が使っていたのを覚えています。この頃は、「男性」と「女性」は異なり、化粧水にも「男性用」「女性用」が必要だったのでしょう。

しかし、「SK-II MEN」も「ニベアフォーメン」も、もともと存在していた女性ブランドの男性向け商品です。そして、おそらく実際には、「SK-II 」や「ニベア」を、使っている男性もいるのでしょう。

つまり、すでに「〇性用化粧水」という言葉が、意味がなくなりつつあるのかもしれません。

「定義」の理解は、顧客の「価値」の理解

今回のような思考は、近年「価値」「バリュー」という言葉で説明されます。お客様は、マーケターが提供する価値より、自分が求めている「価値」を重要視しているのです。

例えば、コーヒーでもお客様の感じる「価値」以下のように、様々です。

  • おいしい味

  • 心地よい香り

  • くつろげる空間

  • 丁寧なサービス

  • 友人との会話を楽しめる場所

  • 仕事や勉強ができる環境

この価値には、今までの商品機能以外が含まれることも、多いのです。そして、この男性用化粧水のお客様の中には、すでに「男性用化粧水を使わないと不安なので、使う」というお客様がすでに存在しているのでしょう。

今のマーケティングでは、お客様の「価値」を理解することはとても重要なのです。

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本間 充 マーケティングサイエンスラボ所長/アビームコンサルティング顧問
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