遊びながら未来をつくろう!「遊び心」がイノベーションの源泉である理由
Potage代表コミュニティ・アクセラレーター河原あずさです。コミュニティづくりのノウハウを生かした、組織のコミュニケーションづくりやチームづくりのお手伝いをしています。このプロセスを「コミュニティ型組織開発」と呼んで、大小さまざまなクライアントにプログラム提供をしています。
そして私は、経営者であると同時に、1歳2歳の子どもの父親でもあります。子供たちの日ごろのふるまいから多くのことを学び、そこからの気づきを仕事に生かしていたりもします。
さて、2年前に長男が、1年前に長女が生まれて、あらためて気が付いたことがあります。それは「子供のように純粋な遊び心や好奇心の大切さ」です。
私たちは日常の忙しさにとらわれて、遊び心や好奇心を見失いがちです。しかし、息子や娘の無邪気な行動は「本来、人間はこんな風にあらゆる物事に好奇心を持って楽しめるものなのだな」と思わせてくれるのです。
例えば、息子をみると、エアコンのリモコンを押しまくる、加湿器を勝手に解体する、空気清浄機の設定を変えるなどなど……家電製品いじりがとても気に入っていて、操作ボタンや構造に興味を持ち、半ば挑戦的にそれらの製品と向き合っています。加湿器のタンクを取り外す姿や、エアコンを真夏に暖房モードにしてしまうその行動は、私たち大人から見れば「困ったこと」にほかなりませんが、そこには人間が本来大事にしたい、純粋な遊び心や好奇心が詰まっているなあと感じます。
この子供特有の「何故?」という疑問を持ち続けて様々なものを遊びつくす姿勢は、大人になると失われがちです。しかし、それこそが新しいことへの挑戦や学びの原動力となっているわけで、いかにこの好奇心を取り戻すかが、今度の社会の「働き方」をもっとよくしていくための大事なカギになってくるのではないかと思うのです。
あるスタートアップが教えてくれた「遊び心」の価値
仕事をする中で、その原動力となる「遊び心」大事さをあらためて再認識する機会がありました。
私は、クライアント企業の新しい方向性について対話して、一緒に形にしていく「コミュニティ型組織開発」のプログラムを提供しています。そして先日、とあるスタートアップ企業向けにプログラム提供する機会がありました。
そのクライアントとは、経営者含むマネジメントメンバー5名と、2時間×3回のワークショップを実施し、チームメンバーが大事にしている価値観や、会社として今後ますます大事にしていきたい価値観について議論を重ねました。
このプログラムのハイライトとなるのが「大事にしている価値観の抽出」です。メンバー同士で価値観や今度の理想の働き方、生き方の対話を行う中で丁寧に「これがなかったらうちのチームじゃなくなるよね」という価値観を掘り起こしていきます。毎回毎回、このキーワードが見つかると、それまで発散していた対話が一気に収束していき「自分たちが今度向かう方向性はこれなのか!」という言語化が加速します。
そして、このクライアントから出てきた、自分たちが体現したい価値観キーワードが「遊び心」だったのです。
「遊び心を大事にしたいよね」とメンバーの共通認識が生まれた瞬間に、全員の表情が変わり、組織の未来像や新しい取り組み、プロジェクトの方向性に関する思考が進んでいきました。
この対話の様子をみて、私自身の反省として「ぼくの最近の仕事は、遊び心が足りていなかった気がする…」という感情が沸き上がりました。本来大事にしたいし、それが成長やイノベーションのカギになるとわかっているのに、忙しい日常に押し流されて、そのことを忘れかけていたのです。
育児をしながら仕事をするとなると、どうしても限られた時間の中で効率的にパフォーマンスを出していこうというマインドが強くなり、必要十分なことをこなしていこうという発想に陥りがちです。
しかし、その状態がずっと続くと、本来大事にしたい仕事における「遊び」の部分というのがどんどん縮こまるし、だんだん「遊び心」を発揮したい局面での「遊びスイッチ」への切替が起きづらくなるのです。
だからこそ、自分自身の働き方とか生き方の中にこの「遊び心」が常にある状態をつくるために、いつでも心の片隅に意識していないとダメだなと感じましたし、同時に、それがこの世の中に必要なことの1つだという風にも思うのです。
効率重視の時代から「遊び心の時代」へ
数多くの大企業や組織が「イノベーションを起こしたい」と願いつつなかなか起きていない現実があります。その大きな理由の一つが「企業や組織が日ごろ効率性や生産性を強調しすぎるあまり"遊び心"がどんどん薄れている」からだと感じます。
「遊び」は企業の文化として定着していると、出すべき局面で出せるようになるのですが、遊びを忘れている組織は、どうやって「遊び心」を発揮していいのか分からなくなり、結果として新しいことを起こすためのチャレンジができなくなっているのです。
思えば「不要不急」というキーワードがこの数年強調される中「余計なことはやらない」という風潮がますます強まりました。その結果、多くの人たちの行動が縮こまり、少なくともコロナ禍真っ只中の社会は、とても退屈なものになっていたなと振り返ってみると思います。
しかし、縮こまっていては新しいチャレンジは何もできないし、必要十分なことだけやっている世の中が面白くなるはずがないですよね。
今、コロナ禍の制約が薄れ、縮こまっていた人たちが世の中に解き放たれた結果、社会はワクワク感を取り戻しつつあります。だんだん世の中が面白い方にまた向いていくと思うのです。それは世の中全体が「遊び心」を取り戻した結果だと、私は捉えています。
「遊び心」がもたらすビジネスの変革
「遊び」には「楽しいこと」のほかに「余白」という意味もあります。つまり「プラスアルファが乗っかる隙間」という意味合いが存在しているのです。決まりきった仕事で終わらせず、遊びの部分をつくって、そこに自分なりの創意工夫を乗っけていくことが、新しい価値、つまりアップデートやイノベーションを個人や組織がますます生み出していく中で、とても求められていることだと私は考えています。
一人ひとりが「遊び心」を持つことで、日常のルーチンから一歩踏み出し、新しいことに挑戦する勇気が生まれます。そして、それがイノベーションへの道を開きます。
子供は不要不急な遊びを繰り返しながら、世の中全体から学び、そして成長していきます。私たちビジネスパーソンも同様に、何か新しい価値を生み出すためには「遊び」的な挑戦の繰り返しを通じて、自分や組織を持続的に成長させていく必要があるのです。
「遊び心」を常に持てると、仕事に「プラスアルファ」の部分が自然と加わるようになります。そして、その「プラスアルファ」を出すことが、特別なことではなく、日常の中で新しい価値の種を見出せるようになり、自然体で形にできるようになるのです。その積み重ねが、「楽しみながら新しい価値を生み出す」という、組織の文化を形成していきます。
言い換えるとそれは「現状維持を望むのではなく、常に新しいことに挑戦することが当たり前な文化」です。このような組織の中で働くことは、とても刺激的ですし、その刺激の一つ一つが「もっとプラスアルファを生み出したい」という気持ちを醸成していくのではないでしょうか。
更に付け加えると「遊び心」がベースとなる組織は、自然と「心理的安全性」がはぐくまれます。一見非効率でも、失敗を恐れずに様々な挑戦をすることが奨励され、チーム全体の成功を分かち合えるからです。「遊び」は一人の枠でとどまるよりも、他者に開いて共有したほうが、もっともっと多くの余白を生み出します。結果として、自分の成果だけを追求するのではなく、仲間と共に歩む喜びを感じることができる組織が生まれるのです。
私も今回の自己反省を踏まえつつ、日々の中でこの「遊び心」を忘れずに、挑戦を楽しむことで、様々なクライアントさんやコラボレーション相手と、新しい価値創造作りに取り組んでいきたいと感じています。本気の遊びは、新しい価値を社会に運んできます。自分が世の中の様々な遊びに関わることで、ひとつでも多くのイノベーションやアップデートに関わっていきたい、あらためて、そう思うのでした。
※編集協力 横田真弓(THE MODERATORS & FACILITATORS受講生)
※この文章は、原文作成にChatGPT(GPT-4)を活用して執筆されています。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?