海外のサーキュラーエコノミー事例に学ぶ-海外スタートアップトレース-
コンビニやスーパーでの買い物は、エコバックが主流になりつつありますが、圧倒的に「量が増えているのに変わっていないもの」があります。
ECで注文をした際の梱包です。
個人的にも、ECでの買い物比率が増えてきているので、紙やダンボールを大量に消費してしまっています・・・
※もちろん一部はリサイクルができていることは理解しています。
わかりやすく広まっているエコバックでは解決することが難しく、次の打ち手が求められている領域ですね。
この領域は、どんなスタートアップが、どのようなアイデアで解決に取り組んでいるのか?
日経のCBインサイツで紹介されている、海外スタートアップを分析し、日本企業が「サーキュラーエコノミー」や「SDGs」などのキーワードをどのように戦略に組み込んでいくべきかのヒントを探っていきます。
2つのスタートアップをピックアップしました!
注目企業①RePack
サービスの仕組み整理
①ユーザーはオンラインでの買い物の際に「RePack」での配送を選べる
②段ボール箱などの代わりに再利用可能な「RePack」で商品が届く
③ユーザーは「RePack」を折り畳んで郵便ポストに投函し返却
④「RePack」を活用したユーザーにはリワード(クーポンやポイントなど)が届く
⑤パッケージ素材はポリプロピレン(最低20回、多ければ50回は再利用可能)
サービスのイメージは動画が理解しやすいので1分ほど、ぜひ目を通してみてください。
RePackの企業メリット
・注文ごとの包装を減らすことで原材料費を大幅に削減
・ブランドイメージ向上につながる
・ユーザーのロイヤルティを高めることができる
革新性を整理
・企業もユーザーも使いたいと感じられるデザイン性
(さすがフィンランド企業)
・企業側はブランド価値向上、ユーザーはリワード獲得とメリット設計
(シンプル大事)
・包装としての役割が終わったら、素材を再利用する
(アップサイクル)
もう一つの興味深い事例を。
注目企業②LivingPackets(リビングパケッツ)
サービスの仕組み整理
①プロダクト特徴
・リサイクル可能な泡状素材である発泡ポリプロピレンを原料に使った箱
・箱の中の商品を抑えるネット状の層が組み込まれている
・追跡アプリや荷物のロックを解除するデジタル錠、電子ペーパーを使った配送伝票など最先端の機能つき
②サービス特徴
・提携店舗からの購入時にTHE BOXを指定できる
・THE BOXの関連アプリを入れると配達状況の追跡ができる
・受け取ったTHE BOXはショップに戻すこともできれば、自分で2次流通するのに活用もできる
・THE BOXの活用を推進するとインセンティブを獲得することができる
こちらも顧客体験イメージは動画がわかりやすいです!
企業側のメリットは、先ほどのRePackと共通ですね。
プロダクトが優れているだけではダメで「サービスデザイン」が重要であることを教えてくれます。
革新性を整理
・ユーザーが2次流通で活用できる、物流パートナーがサービスを広げてインセンティブを獲得できるメリットが設計されている
・テクノロジーが組み込まれ、物流効率や顧客体験が向上する設計がされている
既に大手の流通プレイヤーと組むことが決まっているようで、Amazonのような企業が採用すれば一気に普及する可能性が高まりそうですね。
まとめ
今回分析した、RePackやLivingPacketsなどの海外スタートアップは、ビジネスモデルやサービスデザインレベルが美しく設計されています。
当たり前ですが、エコバッグを販売するだけでは足りず、仕組み、システムから変えていくことが日本の企業にも求められてくるはず。
日本は物流の仕組みが優れているので、今回取り上げた企業のようなビジネスモデルは、日本独自にもつくれそうだと感じています。
改めて、サーキュラーエコノミーやSDGsを言葉だけで終わらせないために、俯瞰的・大局的な視点をもってビジネスに組み込んでいきたいところです。
※こちらの本がサーキュラーエコノミーの実践を考える上で参考になりましたので共有です!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
今後も #海外スタートアップトレース は定期的に取り組んでいきます!