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敷居が高い診療所?

 時々患者さんから「風邪も診てもらえるんですか?」「持病の薬も出してもらえるんですか?」というような質問をいただきます。「えっ?そのための診療所なんですが・・」と正直なところ驚きましたが、ホームページで専門性を強調しすぎた結果なのでしょうか。私の専門は「感染症内科」で特に寄生虫感染症」「輸入感染症が得意分野でホームページにもそのあたりを詳細に掲載しており、寄生虫関連の内容については(操作をしなくても)検索サイトで一番上に挙がってきます。国内では寄生虫感染症を的確に診断できる医療機関はきわめて少なく、患者さんは都内だけではなく関東一円、東海地方からも来られます。遠方で来院が難しい場合はオンライン診療で薬を郵送したこともあります。

 ただそのことが原因なのかわかりませんが、どうやら「敷居が高い」と思われてしまっているようです。大学病院などでは情報提供書がないと診てもらえないことがほとんどで、ある意味「敷居が高い」のかもしれませんが、当院では他医のかかりつけ患者さんを除き不要ですので「敷居」などはありません。また最近の新型コロナウイルスの影響もあり受診を敬遠されているのかもしれませんが、大学病院で感染管理責任者をしていた私は開院前の時点で内装もあらゆる感染症の患者さん(但し、排菌している肺結核は陰圧設備がないので不可です)に対応できる設計(空間的ゾーニング)にしており、かつ現在は完全予約制(時間的ゾーニング)として診療を行っておりますので、コロナ疑いの患者さんも、そうでない患者さんもどちらも安心してご来院いただけます。

 皆様が日本国内で「感染症内科」を先頭に標榜する診療所を見つける機会はほとんどないと思います。確かに「感染症内科」ってどんな患者さんが受診するのか、どんな病気で受診したら良いのか、多くの方はよくわからないと思います。私自身も「専門性ばかりを強調して本当に経営が成り立つのか?」と大きな不安がありました。従って開院前にはフリーランスとして北は北海道、南は熊本県まで僻地を含む様々な病院や診療所で多くの患者さんと接し、生活習慣病の管理や高齢者の訪問診療も数多く行ってきました。またもともとは大学の小児科医局出身ですので、当然ながらあらゆる子どもの病気も大学病院をベースとした経験も持っております。このような背景のもとで、ごく普通の一般内科・小児科を中心とした総合診療を行うつもりだったのですが、特殊と考えていた専門医療を予想以上の多くの方々に提供できていることは大変光栄に思っております。

 このように診療所でありながら専門性の高い医療の提供はしていますが、単なる(とは言ってはいけませんが・・)風邪でもこだわりをもって診療をしているつもりです。だた薬を出すだけではなく、感染症専門医として病原体を追求した診療を心掛けております。専門医が所属する病院では風邪に抗菌薬は出すべきではないという概念が定着しつつありますが、まだまだ地域の診療所などでは残念ながらその概念の認識は低いように感じます。「たかが風邪されど風邪」とも言うべき「風邪を科学した診療」を心掛けておりますので体調のすぐれない方は是非「Go To GHC Clinic」へ。

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