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幸せと業績との因果

今日は「幸せと業績との因果関係」について書きたいと思います。
 
 ウエルビーイングや幸せは、最近はいろいろな場所で語られるようになっています。その中でも大きな話題が、従業員のウエルビーイングが、企業の業績に影響を与えるか、という点です。
 
 最近では、企業の財務的な数値(お金の動き)を見ているだけでは、その企業の良し悪しや価値が見えなくなっています。業績を生み出している実態は、人の知恵や行動力だからです。このために、従業員の様々な実態を指標化した「人的資本」や「非財務指標」が注目されています。この人的資本の中核にウエルビーイングも位置づけられています。
 
 先日、ある企業の経営者と会話した時に、この「人的資本」「ウエルビーイング」が本当に企業業績に結びつくのかが話題になりました。どうやったらこの業績との因果関係を検証できるのか、データから見える相関関係は本当に因果関係を表しているのを気にする人が多いというのです。
 私自身も、そのような課題に長年悩んできたので、本当に業績に結びつくのかを気にする人の気持ちはわかります。
 
 これまでもいろいろな研究により、従業員のウエルビーイングが業績に結びつく、というデータや研究は沢山あります。
 ただ、これは統計的な法則です。どの組織の場合にも、かならず業績にむすびつくわけではないのです。
 検証されているのは、いろいろな企業があるなかで、集団の平均をみると、幸せな企業は、業績が平均的には高い傾向が見えていることです。
 そこで本当に、我が社では、従業員の幸せ/ウエルビーイングが業績に結びつくのだろうか、という疑問になるのです。
 
 実は、私はある時から別の見方をするようになりました。
 本当に業績につながるのだろうか、という問いでは、環境から業績が与えられるように見ています。しかし、実際には、未来の業績は、我々の行動がつくっているものです。経営者や従業員の判断や行動で変わるものなのです。未来の業績は、我々の意思と行動が創っているのです。そして、幸せと業績との関係も、我々の行動で変わるのです。
 そこで、幸せは業績に本当につながるかを心配するのではなく、むしろ、幸せが業績につながるように意思をもって未来をつくるべきと考えるようになりました。そして、その因果関係は、我々が創れるのです。
 この幸せを業績につなげ、業績をさらに次の幸せに意思をもってつなげることこそ、企業のあるべき姿です。

物理法則は、神から与えられたもので変わられません。しかし、人間や社会の法則/因果関係は我々が変えられます。
 幸せを高める活動が本当に業績や生産性につながるかを問うのではなく、会社の未来に責任をもつすべての従業員と経営者の意思によって、幸せが未来の業績につながるとりくみにしたいと思っています。


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