日本の温暖化対策のキラーコンテンツになるか?

委員として参加させていただいている「自動車新時代戦略会議」。その中間報告が出た時には、総花的な内容、といった批判も多く聞かれました。確かに戦略と呼ぶには総花的であることは否めませんが、単にEV化を言うだけでなく、Well-to-Wheel(エネルギー製造時(Well-to-Tank)から使用時(Tank-to-Wheel)までをあわせた全体)での削減を掲げたのは大きなチャレンジですし、低炭素化を考えた時に圧倒的に正しいと思っています。

前回投稿した通り、単にガソリン車をEVにするというだけで、電源構成が化石燃料主体であれば全くエコにはなりません。

また、基幹産業の方針転換を通じて、「世界の低炭素化」に貢献するというコンセプトにも期待したいと思います。自国内の排出削減に拘泥すると、産業のリーケージをもたらすだけで、世界の低炭素化は進まないという事態が起こりやすいわけで、低炭素化に貢献する製品を供給することで、世界の低炭素化に貢献するという視点は、製造業を強みとする日本ならではの戦略だと言えるでしょう。12月にCOP24がポーランドで開催されますが、こうした温暖化の国際交渉の中では、「その国から出たCO2」が議論の対象になりますが、日本としては、世界全体での削減に貢献するという視点を提示し続けることが必要です。

いろいろ課題はありますが、この戦略をいかに膨らませていくか、実行に落としていくか、政府の本気度を見たいと思っています。

http://ieei.or.jp/2018/10/takeuchi181026/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?