Brexitは結局どうなるのだろう?①
思えばこの数年は、まさかそんな選択肢はあるまい、と思っていた選択肢が結果選ばれるということを、我々は何度も目の当たりにしてきたように感じられる。
Brexitもその一つだ。まさかBrexitなんてことはあり得ない、と2016年の国民投票の際にも、金融市場関係者のみならず多くがそう思ったのではなかったか。
昨年12月11日に予定されていた下院の投票がまさかなくなってしまうなんて、思いも寄らなかった。
しかし、現実はさらに厳しい。英議会で否決されたEUからの離脱案に代わる案を、メイ首相は目下協議中で、
次は21日に議会に提示され、29日に採決に臨む。もっとも、こんな短期間で可決される案ができるなら、
すでに提出していたはずであり、可決の見込みはほとんどない。保守党内の残留派と離脱派の戦いに加え、労働党、スコットランド民族党、民主統一党などの
意見にはまとまりがない。
否決されれば、他の選択肢を選ばざるを得ない。可能性がもっとも高いものとしては、リスボン条約第50条の期間延長。おそらくはEU27か国からの合意を
得られるための条件として、二回目の国民投票をセットにして申請し、それが認可されるということになるのではないか。そうなれば、合意なきBrexitは
なくなるため、マーケットは一気にリスクオンになる可能性が大きい。しかし、一方で、現段階では合意なきBrexitリスクは残っており、そうなれば、一気に
リスクオフへ。どちらに傾くかで、結果が随分と異なるマーケットが予想されるというわけ、だ。悩ましい状況が続く。