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「苦手」が切り開く新しいキャリア:苦手克服のための3つのコツ

4月に新年度を迎え、新しいチャレンジに向き合っている人も多いのではないでしょうか。当然のことですが、仕事をする時にいつも得意なことだけをやっていられるわけではありません。時に自分の中で苦手とする事案にも取り組まねばならない時があります。

今回は日経COMEMOの企画に挙がっていた #苦手な仕事克服のコツ というテーマについて考えてみたいと思います。

苦手な仕事って何だろう?

まず「苦手な仕事」とは何かを考えてみたいと思います。苦手を感じる原因としては、技術的なスキルが足りない、興味が持てない、ストレスを感じやすいなど、さまざまな理由があります。

なので、苦手な仕事と対峙した時に、まずは「苦手」だと感じる理由について考えてみるのが大切だと考えています。

スキルが足りていないから、しっかりと出すべき結果を提供できるかが分からない。ということであれば、向き合うべきテーマは「どのようにスキルを得るか」になります。

興味が持てないから、どうしてもやる気が出ず、結果として苦手だと感じるケースもあるでしょう。しかし仕事の場合、興味がなくてもやらなくてはなりません。そうした場合には、向き合うテーマは「どのように興味を持つか」になります。

また、仕事がストレスが溜まりやすい内容なので苦手だという場合もあるでしょう。例えば、細かい計算がスキルとしては対応できてもどうにも好きになれない人が、大量の計算が関わる仕事をアサインされるとストレスが溜まってしまいます。そうした場合には、「ストレスとどう向き合うか」がテーマになります。

苦手な仕事の克服:私の場合

想像できない状態からスタート

現在、私は結構な頻度でイベントのファシリテーションを務める機会をいただいています。ファシリテーションはとても奥が深く、個人的にも研究のしがいもあるしとてもやりがいを感じています。特にコロナ禍においてはオンラインの配信の頻度が極端に多かったこともあり、多い時は週に10イベントほどのファシリテーションをしていました。(まだまだ研鑽を積まなければですが)今では私の得意とする仕事の柱の1つになっています。

このように書くと、元々ファシリテーションが好きで長い間やっていたように思われるかも知れません。

しかし、私がファシリテーションをやり始めたのはピーティックス(Peatix)を創業して6年後のことでした。その6年間もピーティックスでは数多くのイベントを主催し、そのほとんどはファシリテーターがいるイベントでした。しかし、私はファシリテーションをすることはなく、主にイベントの撮影などを担当していました。その頃の自分は、ファシリテーションを自分ができるとは考えてもいませんでした。上述の苦手な理由でいうと「スキルが足りていない」が近いのですが、どちらかというと「スキル(適性)があるのかないのかも分からず、自分が担当している姿が想像できない」という状態だったように思います。

変化のきっかけ

自分がその「想像できない状態」からどのように変化したかを振り返りたいと思います。
私の場合は、住んでいる地域のとあるイベントに参加したことがきっかけでした。そのイベントは自分が住むエリアに関わる人が集まり、地域を良くするにはどのようなことをすれば良いかをグループで考え、具体的なアクションを取っていくプロジェクトの中間発表会でした。そのイベントの中で、地域コミュニティの活動の意義に心を打たれ、コミュニティ活動を自分自身もやってみたいと思うようになり、「自分ごと」として捉えるようになったのです。そして、自分も何かしらのコミュニティ活動を始めようと考えた時に、まずはイベントをやってみようと考えるようになりました。

私の場合、全くやったことのない状態からダイレクトにファシリテーションの仕事をするようになったわけでなく、変化のきっかけとして「コミュニティづくり」がありました。変化のきっかけは、仕事がアサインされるという外的な要因ではなく、自分の行動がきっかけで内発的に生まれたものでした。

変化の過程

「コミュニティづくりに関わろう!」と考えるようになったところから、コミュニティ醸成のためにイベントを活用し、自分でもファシリテーションできるようになる必要があると考えるようになりました。そして、ファシリテーションをしっかりと理解したいと考えるようになったのです。

ではどのようにして、ファシリテーションを学んだのでしょうか?

私の場合、幸いなことに仕事柄、周りに素晴らしいファシリテーターの方々がいらっしゃいました。そこでイベントづくり、そしてファシリテーションのプロとして大活躍していた 河原あずさ さん(以後、「あずさん」)と、特に仲良くさせていただいたことから「ファシリテーションを学びたい」と相談してみたのです。そのお願いに対し、あずさんは快く協力を受け入れてくださいました。

そこから、あずさんが主催するイベントで、あずさんとダブルファシリテーターとして現場での経験を積ませてもらったり、割とチャレンジしやすいイベントでメインファシリテーターとしてアサインいただいたりしました。

さらにイベント終了後には、運営チームとの反省会にも参加させてもらい、ファシリテーションについての的確なフィードバックをいただく機会をもらっていました。とても恵まれた環境下でファシリテーションのチャレンジの機会と学びの機会を多くいただくことが出来たのです。

苦手な仕事の克服のコツ

このようにして、自分がその仕事をしているイメージを想像できないところから、自分の行動をきっかけに内発的にチャレンジをしてみることを決め、協力を得ながらその仕事を学んでいきました。

この一連の流れには、苦手な仕事の克服をするためのコツがあります。

1.苦手だと感じる要因を把握しよう

その仕事に対し、自分が苦手だと感じる原因をしっかりと把握することが大切です。
苦手意識の原因が、「スキル不足」なのか、「興味がない」からなのか、「ストレスが溜まる」からなのか、「やっている自分が想像できない」からなのかを客観的に考えるところからスタートするのが良いと思います。というのも、苦手意識の原因によって、その後の対処が変わってくるからです。

2.「自分ごと」になるきっかけを見つけよう

次に苦手な仕事に取り組む時に、アサインされているから仕方なく取り組むという姿勢ではなく、あくまで「やりたい!」から取り組むという内発的な動機を持てる機会を探してみることをオススメします。自分ごととして取り組めるようになった時点で、苦手克服というゴールに向けて半分以上目的を達成していると考えています。

3.その道のプロに師事しよう

もし可能であれば、その苦手な仕事を得意としている、その道のプロに師事し、学ばせてもらえると良いでしょう。苦手だと感じている原因が「スキル」の場合は、そのスキルを学ぶことでその仕事をやっているイメージが湧くでしょう。苦手の原因が「興味がない」という場合には、その道のプロがどのようなモチベーションでその仕事に取り組んでいるかを知ることで、少なからず興味を持つ機会になるのではないでしょうか。

まとめ

誰しもが仕事において苦手とすることはあるでしょう。そのような時に、苦手なことをそのままにしておくのか、それともしっかりと向き合って克服しようとするのか、どちらの道に進むのかによって、数年先には大きな差が生まれます。少なくとも私の場合、自分がやっていることが想像できなかった仕事に対し、向き合っていったことにより、仕事の内容も、それによって起きた様々な出会いにも、大きな変化が起きました。その変化は自分の人生においてとても大切な変化であり、向き合って良かったと心から思えるものでした。

苦手だと感じることには、変化のための大きなチャンスの芽がある。そのように考えて、是非前向きに苦手なことに取り組んでいただければと思います。

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