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ビジネスでの粒度と時間軸 判断基準と世界観

私たちの判断の基準は、私たちの世界観を形成する要素の一つです。この価値基準は、我々がどのように物事を認識し、理解し、評価するかを決定する基盤となります。同じ価値基準を共有することで、私たちが同じ世界を見ていると感じることができます。

しかし、価値基準は常に単純なものではありません。考慮するべき要因の「粒度」と考えるべき「時間軸」によって、その判断は大きく変わることがあります。


粒度と時間軸の違い

物事を詳細に、具体的に考える時、それは「細かい粒度」での判断と言えます。これは、物事を実際に前に進める際の具体的な手段や方法を考慮するときに大切です。

一方で、「大きな粒度」での考え方は、物事の本質や全体的な方向性を捉えるときに重要となるものです。

細かい粒度:ディテール 具体的かつ現実的な力強さ 物事を実際に前に進める力
大きな粒度:アブストラクト 概念的かつ本質的な重要度 物事の有り様を定義する

また、時間軸も、短期と長期で大きく異なります。短い時間軸では、今日や明日、来週や来月といった近い未来に焦点を当てることになります。それに対して、長い時間軸では、来年やさらにその先の未来を考慮します。

短い時間軸:今日明日、今週来週、今月来月 目の前の結果に直結
長い時間軸:来年再来年、三年五年 目指す将来のこと

優先順位付は、日々の生活の中でも、とても大きな枠組みの中でも、同じようにとても大切なものとして語られます。

ビジネスでの粒度と時間軸

ビジネスの現場では、このような視点の違いが日常的に問われます。
特に、サービスを提供する企業やメーカーは、顧客との関係を維持・強化するために、細やかな配慮と粘り強い活動が求められます。それを支える営業活動は、企業と顧客の橋渡しをする重要な役割を果たします。

未来を描き、その未来を実現することを仕事としたとき、サービスをつくるメーカーとその利用者たる顧客は、未来を現実にするための両輪であり、その意味においてパートナーの関係にあります。そして、営業活動に関する動きは その両輪を繋ぐ軸と考えられます。

価値を訴求し社会実装を推し進める最前線である営業の、細やかな配慮と粘り強い活動。微に入り細を穿つ、価値の翻訳と啓発。

一方で そうした活動そのものの継続性を確保するための、また、通常営業活動ではカバーできない領域での、企業間同士のような規模感での連携と大きな枠組みづくりも、企業としては活動しています。

これらは 現場と経営の関係となってあらわれ、いずれもが欠かすことのできない関係にあります。そして、それぞれの視点から見える景色は異なり、そこにギャップが生じることがあります。

大小と長短

大小の粒度、長短の時間軸、どちらにもその場その場の正義があります。しかし、共通する目的を達成するためには、これらの視点を統合し、より大きな粒度で、より長い時間軸での共通の判断基準を形成することが不可欠です。

さまざまな場面で、ABいずれかの選択肢に迫られた際に、一見、それらが相反するように見えた場合でも、それぞれの立ち位置からの景色が、ともに同じ未来を見据えたものだったとしたら、小よりは大を、短よりは長を、選択の基準とすることが可能だと思います。

なぜなら、小や短を優先すると、大や長が目指す継続性そのものが失われる危険性が高まるからです。それでは、目指す場所にたどり着くことができなくなってしまいます。

ここで、同じ価値基準を握り合うことができるかどうかが、同じ世界観を共有できるかどうかに繋がり、ひいては同じ世界を目指す仲間になれるかどうかにつながってくるようにも思えるのです。

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