スマイルズのHRは面白い!と自分で言ってみる。
こんにちは。スマイルズ野崎です。今年もスマイルズ・クリエイティブチームの新卒カイワイ採用始まりました。
昨年に引き続き、一次選考は「逆面接」。
スマイルズは「採用されたい」
「採用」や「選考」と聞くと、「会社に選んでもらうもの」というイメージが強いかもしれません。もちろん募集しているのは会社側ですから、そういう側面もあります。
でも僕は、「会社があなたを採用しているだけじゃない、あなたが会社を採用しているんだ」と、本気で思っています。会社も選ぶけれど、個人も選ぶ、それがフェアなはず。
魅力的なヒトたちに、僕たちも採用されたいから。スマイルズ クリエイティブの新卒カイワイ採用は、逆面接からスタートします。
あとで調べてみると、「逆面接」自体をやっている会社はあったみたいなんですが、所謂”質問力”を問うようなスタイルのようです。
スマイルズではそうではなくて、本気で僕たちが”面接されます”。
僕だけでなく、部長なども含めて本当の履歴書を採用候補者の方々に提出し、逆集団面接状態で面接されるわけです。そして合否も当然採用候補者の方々にしてもらうので、なぜか僕たちがドキドキしてしまう始末。
これが意外な副産物を生み出してくれたりするわけですが、それはまた別の話。。。
「普通」より「真の課題」
さてさて、スマイルズでは採用活動一つとっても”普通”にはやりません。
生産性という御旗の元、ただただ漫然と過去を踏襲した手段を行使することがとにかく嫌いなんです。これは単なる無思考、無策とすら思うわけです。
普段は温厚?!な僕ですが、この業務における無思考こそ最も忌み嫌ってしまうんですよね。ルーティンワークに陥りがちな”普通”の仕事こそ、自分のクリエイティビティを発揮してみる。あるいはその”普通”を疑って真の課題を突き止めてみる。スマイルズ・クリエイティブの仕事はいつも【生産性 < 可能性】を追求するわけですね。
スマイルズ・クリエイティブチーム流・組織考
さて、スマイルズ・クリエイティブチームは採用活動においてのみ可能性を重視するわけではありません。その組織運営においても特異性を帯びています。
❶花びら型の組織形態
これは僕がチームを率いるようになったころから一番意識してきたことでした。デザイナーやPM、広報などチームには様々な職能を持った人材がいますが、それぞれの役割を明確に定義することを避けるようにしています。寧ろ共通して遂行しないといけないこととして、”企てること=思考すること”と”実行すること”を挙げています。
例えば、デザイナーが「PMが要件定義をしてくれないと進めることができません!」といった話や、PMが「企画は僕の仕事じゃないんで」なんてことはご法度。
全員が企て、全員が実行に向き合うことが大前提の組織です。
その共通のお題に対して、それぞれの特異能力(=スキルとしての職能)を活かして自分らしいアプローチを試みてほしいわけです。
❷なんでもプロジェクト
スマイルズ・クリエイティブチームの仕事はその多くがプロジェクト型で進行します。人それぞれにルーティンワークも存在しますが、その割合は多くはありません。あるいはルーティンワークすら無思考に陥らずに小さな”企て”を埋め込んでみることを推奨しています。さて、プロジェクトにおいてもプロジェクトメンバーは安心できません。常に一人につき数個(人によっては10個以上)のプロジェクトが同時に進行しています。プロジェクトアサインにおいては挙手性あり、名指しありと様々ですが、なるべく同じメンバー構成にならないように意識しています。
これは時としてプロジェクトすら悪い意味でのルーティンに陥ってしまうことがあるからなんですよね。生産性という概念を度外視しているということではなく、「経験によって高まった生産性によって獲得された余剰時間や心の余裕をクリエイティブ(=余計なことと敢えて言います)に傾けよ!」と考えているわけです。
先に挙げた新卒”カイワイ”採用のプロジェクトチームも、新メンバーを加え昨年に引き続き行っているのですが、チームで共通のユニフォーム(というか帽子)を制作したり、謎のメインビジュアルを作成していたりと、ともすれば余計とも思える活動が散見されます。しかしながらその運営方法については、2年目ということもあり無茶苦茶生産性を高めている。
きっとこの一見余計ともとれる彼女たちの”企て”が今後重要な意味を持つんじゃないかなと思ったりしています。
❸最大公約数よりも最小公倍数的?評価の仕方はブラックボックス
数年前までは各人の評価は僕が一手に行っていました。たかだか20名程度の組織だったのでそれも可能だったのですが、人数が一気に増えてきたことなどを踏まえ、昨年あたりからその組織人事や評価も含めて徐々に委譲を進めていきました。
さてそうなると気になるのが評価の仕組み。これまでは僕個人にブラックボックス化していたものを仕組化していかなければならないわけです。ともすれば無思考化への権化ともなりかねない仕組化が嫌いな(否、苦手な)僕にとっては困難を極めた取り組みでした。
そもそもブラックボックスと化していた評価には訳があります。スタッフの一人ひとりを組織の正解と思われる人財の枠組みにはめて評価することをすこぶる嫌っていたわけです。仮に自分自身が一般的な枠組みにはまって評価された場合、きっと殆どポジティブな評価は受けなかったんじゃないかなぁと(ありがたいことに既存の枠組みで評価されてきたことはあまりないのですが)思ってしまうのです。
例えばロジックは弱いけど、持ち前の人間力を梃に突破力が凄い人とか、創造性は潤沢じゃないかもしれないけど、着実に歩を進めることができる人とか、なんでも凄い人というのは少なくてもその人個人の魅力的なリソースというのは必ずあるものですよね。そういった個人性を大切にしたいと考えると、どうしても統一した枠組みの中で評価をしたくないというのが心情というもの。
もっというと一人ひとりの個性が活かせる状況だからこそ、新たなプロジェクトが新たな面子でスタートする時は、なんだかいつもワクワクするんです。今回はどんな個性が爆発するのかなと。
決まった評価の枠組みはどうしてもその個人の足りないところに目が行きがち。でもそもそもプロジェクトチーム型でやっているわけだから、ある個人の足りないところは別の誰かが補って、その誰かの足りないところを補完する。それによって、チームの最大公約数的(共通する価値観・スキルセット)によってのみ行われるアウトプットよりも、それぞれのトンガリや個人性を活用した最小公倍数的な可能性を志向する。
そう考えると、それぞれの特性を見つめながら、横並びでの相対評価ではなく、その個人の過去に対しての相対評価あるいは絶対評価でありたいと考えていたんですよね。
個人のオリジンに価値の源泉はあり、どうすればそれを最大化することができるのか、そのプロセスの中で、苦手な部分を克服した方がより特性が伸ばしうると考えれば、そのような提案をすることもあれば、苦手は無視して特性を価値に変えるためのサジェストをすることもあります。ただその場合は自分の苦手を補ってくれているメンバーへの感謝を伝えることも忘れずにと添えて。
ただ人数が少なく、互いにそれぞれの能力や成果を把握している中では、そんなやり方も通用したわけですが、さすがにそうも言ってられなくなったのがこの1~2年でした。
スマイルズ式の評価の方法論
そこでクリエイティブ本部本部長の吉田さん(彼は仕組化が得意です。多分。)らとともに、スマイルズ式の評価の方法論を模索しました。結果、大学のカリキュラムのような仕組みが組みあがっていきました。
【スマイルズ・クリエイティブの評価のフレームワーク】
SkillのA・B・C・D
A: Academism (知識と理論化)
B:Business(実業実行と戦略)
C:Creative(視点と創造)
D:Designing(記号化と伝達表現)
AttitudeのC・D・E・F
C:Communication(意思疎通力)
D:Desire(熱量)
E:Empowerment(自律)
F:Fantastic(魅力発信)
このそれぞれの項目で、さらにグレード別に10個程度の細かい項目に分かれます。
例えば【論旨展開力】といった当たり前に必要そうな能力から、【逆転ユーモア力】とか【大ほだし力】といったちょっとヘンテコなものまで。スタッフ一人ひとりがその項目を大学のカリキュラムを履修するかの如く、獲得しにいくわけです。ただそのすべてを獲得する必要はないので、あくまでその個人の特性・志向性が試されるわけです。これから運用を始めるのですが、トライアンドエラーを繰り返しながらより良いものになっていくと期待しています。
僕らが目指す組織
大学のように学際的(学問や研究が、複数の異なる領野にまたがっていること)な人材、組織を目指したいんですよね。あるいは大学のキャンパスような物理的にもフラットで自由なあり方を模索したい、そんなことが根底にあるんだろうと思います。
なんだか真面目な話になりました。
さて、表題の件、「スマイルズのHRは面白い!」について全然触れることなく、ここまで来てしまいました。またしてもやってしまった、ごめんなさいと心から謝罪します。
本当は社内の研修や勉強会から生まれた可笑しなプロセス
【クリエイティブ塾】
【全員社長会議】
【肩書交換】
なんかを紹介したかったのですが、今回はこのあたりで締めたいと思います。気になる方は次回もチェックイン!
この記事を書いた人
野崎 亙(のざき わたる)
株式会社スマイルズ/取締役CCO/Smiles: Project & Company 主宰
京都大学工学部卒。東京大学大学院卒。2003年、株式会社イデー入社。3年間で新店舗の立上げから新規事業の企画を経験。2006年、株式会社アクシス入社。5年間、デザインコンサルティングという手法で大手メーカー企業などを担当。2011年、スマイルズ入社。giraffe事業部長、Soup Stock Tokyoサポート企画室室長を経て、現職。全ての事業のブランディングやクリエイティブを統括。外部案件のコンサルティング、ブランディングも手掛ける。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?