自走する地域は、大都市集中は防げるか?
大都市への人口集中に歯止めがかからない。一方で、再開発により東京23区から人を吸い寄せている都市もある。隣接する川崎市だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27015770W8A210C1ML0000/?n_cid=DSPRM1489
関西では大阪市への一極集中が加速している。中心部でマンション開発が進み、インバウンド効果で雇用吸収力が高まった。昨今の「働き方改革」の流れでテレワーク(ICTを利用した遠隔勤務)を導入する企業も増えているが、現実には職場に近い場所に居を構えることが多いのであろう。
一方で転入超過となった川崎市の中でも特に人気が高い武蔵小杉周辺では、新たな課題が生じている。超高層住宅(タワーマンション)による局所的な人口急増に伴い、朝の通勤ラッシュに拍車がかかった。既存の住民との関係性にも影響が出てきているという。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28710620Y8A320C1EA8000/
私個人としては、QOL(クオリティ・オブ・ライフ。生活の質)を考えると、通勤は短いほうがよい。また、緑豊かで自然に触れられる環境もほしい。しかしながら、買い物やエンターテイメントなど都市の機能も捨てがたい。友人の中にはそれらのバランスがとれた軽井沢や福岡に移住する人もでてきている。前職では名古屋、大阪支社を管掌しており出張する機会も多かったため、それぞれの都市の魅力も感じていた。そのようなことから、いっそテレワークをメインにしながら多拠点生活をしてしまおうか?と考えることもある。
政府・自治体の動き
政府もライフステージに応じて拠点を選択できる働き方を推進しようとしている。今年6月15日には「まち・ひと・しごと創生基本方針2018」が閣議決定された。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/info/pdf/h30-06-15-kihonhousin2018gaiyou.pdf
UIJターンによる就業機会のマッチングなど、「わくわく地方生活実現政策パッケージ」を包括的に提供する。これにより、地方への新しい人の流れをつくり地方創生に役立てようという狙いだ。
財務省もこれらの動きに呼応して、「地域の課題と財務局の役割~地域経済エコシステムと財務局~」を発表した。地域経済エコシステムを盛り上げることにより、雇用を創出し人を呼び込もうということだ。
地方x若い首長xテクノロジーが勢いを生む
少子高齢化により「課題先進国」とも言われる我が国であるが、その課題の先端はまさに地方にある。そうであれば、その解決の道筋や成功例も地方から生まれる可能性が高い。例えば、ブロックチェーン技術を応用した地域仮想通貨が誕生するなど、地方xテクノロジーの実証実験が続々と生まれている。
https://www.sbbit.jp/article/cont1/34465
福岡、神戸など、地方の自治体は若い首長がおり、SNSを活用しながら周囲を巻き込みアップデートを先導している事例も増えてきた。このような都市は動きの早いIT企業の目に止まり、競合との雇用の競争戦略上も地方拠点をもつ会社が増えてきた。メルカリ、LINE、ヤフーなどはその一例だろう。
https://type.jp/et/feature/4597
地域のポテンシャルを感じたい人は……
私がCSOをやっているフィラメント社が11月21日に大阪でカンファレンスを行う。地方都市がいまどのように課題に立ち向かっているのか?という内容を「地域×サービス」「ローカルブロック経済」などのカテゴリで議論を行う。私もSession4「自走する地域」でモデレーターをする予定だ。
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