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200円のお小遣いで学ぶお金の価値:子どもの金銭感覚育成術と家庭での実践ガイド

「お金」の印象は近年少しずつ変わってきたように思います。

自分の子どもの頃の「お金」の印象は、「あまり話に出してはならないもの」という感じでした。お金の話をすると「はしたない」「汚い」という印象を持つ・持たれるという空気感が今でも少なからずあります。しかし、最近では子どもの金融の教育なども活性化し、今までタブー視されていた「お金」の世界が開かれたものになってきています。

そのような中、日本経済新聞とnoteが共同で開催している「仕事や働き方」に関するお題企画で、 #お金について考える をテーマに記事を募集していたので、今回はお金について考えていきたいと思います。


子どもとお金

「お金」について考えると言ってもその範囲は様々です。少し考えても、投資や節約、個人の財務管理、経済の動向、倫理的な側面、などの切り口が考えられますが、今回は少し切り口を変え、「子どもとお金」というテーマについて深堀したいと思います。

私には現在小学生と中学生の子どもが2人いるのですが、上の子が小学生になった頃からお金についてどう向き合うかを家族で考え始めました。

お金をどのように考えるかは、子どもたちにとってとても重要なスキルだと思います。このお金に対する考え方を身に付けることは、将来的な自立への第一歩となります。子どもたちにお金の価値とその使い方を教えることは、子どもの成長にとってとても重要なのです。

最近では、子どもへのお金の教育も学校で実施されるようになっているようです。こうした動きはこれからも広がっていくでしょう。

我が家の場合

我が家では、上の子が小学生になったタイミングで、毎週200円のお小遣いを渡すようにしました。
それまで、「あれ買って!」「あのおもちゃが欲しい!」と思いつくまま欲しいものを求めてきていました。これは小さい子ですし、ごく自然なことだと思います。幼稚園帰りなどにコンビニなどで、いつも「あのお菓子が食べたい!」と言ってきては、時々買ってあげるということが続いていました。

子どもにとっては、
「あれが欲しい(気がする)」

「欲しいと言おう」

「手に入った!」

「頼めば手に入る(こともある)」

「次も頼もう!」

という思考回路で、欲しいものを求めるようになっていたのです。そこには何かを手に入れるのにお金が掛かるという概念はありません。子どもにとってはあくまで欲しいかどうかがトリガーだったのです。こうしたことを繰り返していくうちに、子どもの「欲しい!」からの「手に入れたい!」の気持ちの発生は習慣化していき、当たり前のように求めてくるようになりました。

そこで、ものを手に入れるには「お金」を払う必要がるという経済的な概念を理解してもらう必要があると考え、毎週月曜日に200円を渡すようにしたのです。その200円は基本子どもが自由に使うことが出来ますし、使わなければ貯まっていくというルールにしました。

ルール導入当初は、子どもに戸惑いが見られました。200円と言えば、子どもにとってはなかなかの金額です。欲しいお菓子があれば大体買えます。月曜日に一気に使ってしまうこともあり、そうすると当然その週の残りは欲しいものがあっても買えなくなります。そのことに不満を爆発させることもありました。しかし、このお小遣いルールを続けていくうちに結果として、子どもはお菓子など何か欲しいものが出てきた時に次のような思考で考えるように徐々に変化していきました。

子どもにとっては、
「あれが欲しい(気がする)」

「お小遣いを使ってでも欲しいものだろうか」

「(欲しい場合) お小遣いはどれくらい残っていただろうか」 
「(欲しくない場合) 今回は買わなくていいや」 

「(欲しい場合) お小遣いの中で買えるし、使う価値があるから買おう」

という思考をするようになったのです。
子どもにとって「お金」の概念、使い方などを学ぶ入り口でした。

子どもに「お金」について教えるポイント

子どもに「お金」について伝えていく上ではいくつかのポイントが考えられます。お小遣いについて、貯金、計画的な使い方、経済的な価値観などです。お金の教育によって一度整理してみたいと思います。

お小遣いの管理について

子どもたちにお小遣いを渡すようになると、欲しいものを手に入れるためにはお金が必要であることを学び、お金が湧水のように生まれてくるものではないということを知ります。そうすることによって、お小遣いがいついくら入ってきて、いついくら出ていったのかを自分でしっかりと管理することで、残っているお小遣いが分かり、使うかどうかの判断につながるということを学ぶのです。こうして、お小遣いを通じてお金の価値と管理の基本を教えることが出来ます。

貯金について

お小遣いを渡すルールを通じて、子どもは欲しいものを手に入れるために、時にお金を使わずに「貯金」するということを考えるようになります。定期的に少額でも貯蓄する習慣が身につくようになるとことで、もう一段階「お金」の価値、活用法、経済的概念を理解するようになります。

お金の計画的な支出の意識

お小遣いの導入によって、子どもは、買うものには価格があることを意識するようになります。そして、欲しいものの価格を意識することで、「予算」と「支出」の概念が生まれます。欲しいお菓子やおもちゃのための予算を計画し、それに基づいて支出を調整することで、お金の計画的な使い方を学んでいくことができるようになります。

経済的価値観の形成

子どもに「お金」は決して「はしたないもの」でも「汚いもの」でもなく、正しく価値や、管理、貯蓄、支出の意義などを教え、正しい価値観を育てることが大切です。そうすることで、物事の価値を理解し、無駄遣いを避け、必要なものと瞬発的な欲の違いを識別する方法を学んでいくことが出来ます。こうした価値観を小さい時に学ぶことは経済的価値観を形成していく上で重要だと考えています。

まとめ

お金についての教育は小さい時から実施することをオススメします。我が家では実験的ではありましたが、早いタイミングからお金についての管理を子どもに任せることで、ベースの考え方は早いタイミングで感覚的に掴んでいたように思います。

そして、経済的な概念が少し芽生えると、子どもが自分が欲しいと思うものが「本当に必要なもの」なのか、それとも「衝動的に欲しくなっているもの」なのかを判断するようになります。「お金」と正しく向き合うことで、自分の意思で自分の人生を決めていく力を養っていく糧となっていきます。

「お金」を子どもから遠ざけるのではなく、「自立」のための重要な要素として捉え、コミュニケーションをしていくことが大切なのです。

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