お弁当の「きゅうりの置き方」で感じた「テクノロジーでできないこと」。「お店を選ぶ理由」って変わった?
社会人になって初めてとった資格は、東京都の「食品衛生責任者」だった島袋です。2004年当時、商業施設の「管理課」という部署に配属されたので、ビル施設に入店するテナント様の衛生指導が業務の1つにあり、入社、配属と同時に取得しました。(一日の研修と試験受講=12,000円を払えば、誰でも取得できますが、さっきサイトを見たら、11月まで満席でした(驚)。)
食の選び方、変わりました?
さきほど、7月の勤怠修正と経費精算をしていたのですが、7月営業日(20日)のうち、リアルオフィス通勤をしていた日数は8日でした。
これは、単純に通勤にまつわる交通費だけでなく、出勤にまつわる周辺経済をも変わってきました。1つに「ランチ代」です。(お酒を飲まない僕は、飲み会支出は、従前からほぼなし。)
都内に出勤するサラリーマンであれば、(自宅からお弁当を持参しなければ)ランチタイムに1,000円ほどの支出をすることは、平常風景かと思います。(都心のオフィスだと1,000円超えちゃうこともありますけど汗)在宅勤務だと、買い置きしてある乾麺などで済ますので、家計支出におけるランチ代の構成が変わってきていると思われます。
従来まで20日間×1,000円 =20,000円のランチ外食代が、8日間×1,000円=8,000円に。差分でいうと12,000円/月。平均的なサラリーマンにとっては大きな差異です。
ここで本来はこの傾向を活かし節約すべき、なんですが、「せっかくなんで」というマインドが生まれてきちゃうのも。人間の性(さが)です。
土用の丑の日に
7/27のお昼にこのTweetを見て即注文をしてしまいました。
商品名 :鰻と地鶏のごちそう重
販売価格:2,980円(税込)
販売形態:テイクアウト商品
2,980円...!(ブルジョワか。)
まぁ、こちらの商品、2人前のボリュームなので、実質1人1,500円くらいですが、それでも、平民なサラリーマンからしたら、清水の舞台クラスです。
・日頃のランチ外食の機会が減っている
・季節モノを食べたい
というインサイトを突かれ、ポチッてしまいました。
そして、もう1つは、自社製品の導入企業様である、ということも。
この理由は、僕の原点にも通じるもので、商業施設に勤務している頃は入居しているテナント様の商品・サービスを積極的に利用する、また、飲料メーカーに勤務している時も仕入れていただいている料飲店・小売店を利用する、といったものです。
さて、タイトルの本題です。
実は、実際の商品と先程紹介したシズル感たっぷりの商品ビジュアルには、差異があります。
おわかりいただけまでしたでしょうか?
「きゅうり」が、ないんです。
これには理由があります。こちら、テイクアウトした商品に同封されていたチラシです。「お願い」の1項目。
猛暑の中でありますので、お料理の安心・安全を配慮する上で、当初ご案内していた盛り付けから健康し、「きゅうりの浅漬けは別添え」とさせていただきました。
そして、こちらの商品、自社や提携の宅配は行わず「テイクアウトだけ」だったのです。つまり、受取時に必ず自店舗店員とのコミュニケーションが発生します。通常であれば、ネットで決済も済んでいる商品の受け取りなので、大手ファーストフードのBOPIS(Buy Online Pick-up In Store)であるような、「店頭で番号を伝えるだけで受け取り」といったようなオペレーションでいいのですが、ここは、塚田農場。その存在価値を十二分に発揮しています。
「たった1つのきゅうりの置き方」なんですが、このミニチラシに書いてあることの補足を、とても丁寧にご案内いただきました。また、アイスでもないのに、持ち帰りまでの時間を気にしてくれたり、実際に食べる時の美味しい食べ方も案内いただきました。
これは、外部宅配業者を利用することでは、ぜったいに実現し得ないことだと思いました。自社の店員だからこそ、自社の商品や強みをしっかり理解しているからこそ、できること。そして、ここまで細かいオペレーション(土用の丑の日、1日だけのために!)を徹底できる本部と複数店舗のリレーション構築は一朝一夕にはできないと思いました。
テイクアウト商品の受け取り、という一瞬なできごとなのですが、ここまでケアできる店舗・ブランド・サービスは、また利用したい、と思わせるには十分すぎる瞬間でした。
アプリやSNS含め、テクノロジー活用がとても進んでいる塚田農場ですが、このような累積された店舗・スタッフの価値を損なわず、外部環境の変化に対応していくとしている姿勢に心奪われました。
「また利用したい」という「心・気持ち」の醸成は、バナー広告だけで行うものではありません。
「きゅうり配置案内」のくだりは、現在のテクノロジーではなし得ないことだなぁ、と。正確には「(一方的に)伝えること」はできるけど、「ちゃんと(受け取り手に)伝わること」までできるのは、人のチカラが大きいな、と。
ここまで読んで「最近、塚田農場、行ってないなぁ」と思った方。安心してください。「家飲み便」という素敵なソリューションがあります。ぜひ来週に向けてご検討くださいw
事業者のみなさま。需要は高まっているようです。アンブッシュマーケティングにならないようにご注意しながら!