ワーママ歴3年で気づいた、仕事と子育ての両立はまるでトライアスロン
「もっと働く時間があったらいいな」
「もっと子どもと過ごす時間があったらいいな」
と毎日のように思っていたVCで働く2児の母です。
このnoteでは、母になってからの4年を振り返り、仕事も子育てでも時間不足を感じていた私が、「これでいいんだ」と思えるようになった考え方の変化をお伝えします。
子供が生まれてからのバリキャリウーマンの価値観の変化
私は、起業家の夫と結婚し、4歳と1歳の子どもを育てるワーキングマザーです。
女性誌で取材されたこともある、日本初のダブル正社員(自称バリキャリ)でしたが、子どもが生まれてから価値観が大きく変わりました。
何と言っても
「子供が可愛すぎるっ!」
仕事をしている時も、子どもと過ごしたいと思うようになりました。
一方で、仕事に復帰すると、元バリキャリである私は、改めてチームで仕事に取り組む喜びや、新しいことを学ぶ楽しさを感じ「もっと働く時間があったら」「もっと新しいことを勉強する時間があったら」と思うようになりました。
私は多くの先輩パパママから「子供が生まれると価値観が変わるよ」そう言われてきました。
その時に「はぁ....」としか思っていませんでした。しかし、いざ経験してみると、価値観の変化は真なり!
3度の飯より仕事が楽しいと思っていた自分が、仕事と同じ、いやそれ以上に「子どもと過ごす時間があったら」と、思うようになっていました。
それゆえに、仕事でも育児でもいつも時間不足を感じるようになりました。
陸と海 : 別世界を行き来するワーキングマザー
私は、毎日、仕事場と家庭を行き来するワーキングマザーです。
出産してから何度も
「子供産まれて何か変わった?」
「両立は何が大変ですか?」
と周りの同僚から聞いてもらうことがありました。その度に私は答えに詰まっていました。
ワーキングマザーとなった自分の状況を理解するため、また周りにも理解してもらいやすくするためになにか良い表現がないかなともんもんと考えていたところ、陸と海という言葉が降りてきました。
職場を「陸」、家庭を「海」に例え、自分を客観視することにしました。
陸(仕事場)
「陸」は、母というアイデンテティから離れ、自分のやりたいことを仲間と挑戦できる場所です。
私にとって、それは職場であり、社会です。
自分自身が持っている時間(空気)を何に使うかは、自分が決めることができる安心感と嬉しさがあります。
自分の強みを活かして、お客さんに感謝されること。チームといっしょに1人ではできないような成果を生み出すことも、陸(職場)で得られる、自身の生き甲斐となる時間です。
一方で、女性は妊娠、出産を経て職場(陸)に戻ることは決して簡単なことではありません。産後のメンタル&心身のケア、保活や職場との調整など数え切れないほどの段取りが発生します。
そして、職場復帰したとしても、陸(職場)時間は、多くありません。
子供を保育園に預けている一日数時間のみ。その中で変化する社会や組織の情報をインプットして、成果を出す必要があります。
海(家庭)
家庭や地域社会は、私にとって「海」のイメージです。
多くの女性は妊娠した瞬間、自分ではコントロールができない身体や時間との調整が始まります。
それまで頑張って走っていた陸(社会/会社)からいったん離れて、産休&育休という子供を育てる時間がスタートします。
育児は無限に時間がかかります。
子供が小さい時は授乳とオムツ替えだけで、自分のことが何もできずに一日が終わることもあります。
母になったばかりの時は、自分で一日の時間の流れが決められず、深呼吸をする時間すらないことに戸惑い、泣きたくなります。
しかし、おもしろいもので、海での生活にどっぷり使っていると、時間(空気)がなくても生きることに慣れてくるのです!
海の中でも呼吸できる「エラ」が生えてくる感覚でしょうか?
自分の時間がなくても、仕事で追いかけていたような成果や成長がなくともお目の前にいる子どもと過ごす時間が、ただただ愛おしい。
子育ての疲れはありますが、特別なことがなくても「今日もみんな健康に過ごせた」というだけで満たされるようになってきます。
海の中でも気分を満たすことができる「エラ」は偉大です。
仕事と子育ての両立はまるでトライアスロン
ワーキングマザーは、産後、職場(陸)に復帰すると、毎日、陸と海を往復するような生活が始まります。
これはまるでトライアスロンのようなもので、
仕事/陸(ランニング)🏃♀️
子育/海(スイミング)🏊♀️
その他の家事タスク(サイクリング)🚴♀️を
一日でこなしているとイメージすると分かりやすいです。
毎日、仕事を始めるときは、家庭の仕事を終えた後なので疲れていますし、保育園のお迎えから育児を始めるときも仕事に全力で向き合ったと後なので、ヘロヘロです。
毎日、陸と海を往復する日々
わたしは復帰し始めた当初は
この生活が、いつまで続くのか。。。。
と思う途方に暮れる瞬間が多くありました。
しかし、ある時気付きました。
1日は24時間と有限
そして陸と海を行ったり来たりするワーママの日々は、この生活を選択している限り、この後数年は、続くのです。
仕事も家庭も、自分と未来のためにやっている。
毎日のトライアスロンを完走するために、必要な筋力やエラを考えよう。
そして今、自分の筋力のどこが鍛えられているのかを考えながら動くことにしました。
「陸と海」、両方で活かせるスキルを磨くために
一見すると全く違う世界のように思える陸と海の世界。ですが、実は両方の世界で活かせるスキルがあるのです。
例えば、毎朝、家庭で子どもの感情や体調を気にする習慣が身についているため、一緒に働くチームメートの体調や感情を気にかけよう、ケアしようという気持ちが自然と湧いてきます。これは、職場でのチームビルディングに活かせるスキルです。
一方で、仕事では最新のITツールやノウハウをメンバーから学ぶことが多いです。その考えを、家庭でのバイリンガル教育に当てはめます。そうすれば、息子と一緒に英語のAIツールを使って、英語コミュニケーションの練習ができます。(陸でも海でも使えるスキルについては、またnoteで書きたいと思います)
トライアスロンには持久力が必要。自分らしく走れればいい
「もっと働く時間があったらいいな」「もっと子どもと過ごす時間があったらいいな」と思っていた私。
ワーキングマザーの生活をトライアスロンに例え、両方の世界を行き来する筋力をつけようと思えたこと、そして、1週間に30分だけ「じぶん作戦会議」の時間を持つようになったことで、陸と海、それの時間で「今は、これでいいんだ」と思えるようになってきました。
子育ての経験や視点は必ず社会で活きますし、仕事の時間も家庭で活きます。
ワーママは強靭な精神力を持つトレイルランナーのようなものです。子どもの成長に合わせて必要な筋肉は変わってきますが、毎日、走り続けているとそこに新しく必要な筋肉が付いてきます。
私もまだまだ悲鳴を上げながら走っています。
しかし、仕事(陸)も家庭(海)もそれぞれ、決して自分ひとりでは見えない景色を見せてくれる大切な時間だなと思えるようになってきました。
海と陸、それぞれの世界をどうせ旅をするなら楽しく。つらい時には弱音を吐きながら。
共に走っている仲間と励まし合いながら、子育て4年目以降も、子育てと仕事の両立に必要な筋力をつけていこうと思います。
[社説]男性の子育てを後押しする職場改革を:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK302650Q4A430C2000000/