令和時代のキャリア戦略を考える
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
経団連会長による「終身雇用はもう無理」宣言の影響なのか、ここ最近キャリア関連の記事を多く見るようになりました。先月も以下のニュースが話題となりました。
ユニクロを運営するファーストリテイリングは優秀な若手の確保に向けて2020年春にも人事制度を見直す。入社後最短3年で子会社の幹部などに抜てきする。年収は1千万円を超え、欧米勤務では最大3千万円程度とする。ソニーが人工知能(AI)に詳しい新入社員を優遇するなど、横並びの給与や昇進体系の見直しが進めば成果主義が浸透し、企業の生産性向上にもつながっていく可能性がある。
グローバル企業では当たり前ですが、ある職能x勤務地に対して、ほぼ市場価格が決まっています。採用をしようと思うと、少なくともその範囲に入っていない限り選択肢にあがることもありません。よって、ステップアップを考える際にも、内部で昇格を狙うと同時に、社外で同じポジションがとれないかどうかを比較したりします(マネージャーがシニア・マネージャーになりたいとすると、シニア・マネージャーの求人を探す等々)。逆に言うと、同じ仕事であればどの会社でも給与面ではどっこいどっこいなので、それ以外の要素である福利厚生やオフィスの環境、働き方やカルチャーが自分に合うかといったソフト面が決め手になることも多いです。
今後の日本においても、このような流れがさらに加速していくと見られています。国内でも比較的人材流動性の高いIT業界などでは、すでに起きている現象です。それゆえ、新しい話題のビルにオフィスを構えたり、社食を充実させたり、独自色を打ち出したりして差別化を図っています。最近では「採用ブランディング」なる言葉まで出てきましたが、積極的に社内の状況を発信することで、より会社にフィットした人材を採用しようとしています。代表的なものが、メルカリの人事が発信している自社メディア「メルカン」でしょう。
では、今後さらなる人材流動化が進むなかで、どのようなキャリア戦略をとればよいのでしょうか。その準備段階として、どのような戦略をとるにしても必要不可欠であり、また重要なスキルが「環境適応能力」です。
そして3つ目が「環境適応というスキルを身に付ける」ことだ。人生100年時代を迎え、誰もが一度は転職を経験する可能性が高い。「変化にうまく対応できることは、英語やコミュニケーション能力と同様に、一つのスキルになる。これは持って生まれた才能ではなく、トレーニングで身に付けられる」
具体策として、「20代のうちに一度は転職すること」を勧める。「40、50代で初めて転職となれば、リスクを感じるのは当然だろう」。若いうちなら家族や財産など背負うものも少ないし、やり直しもききやすい。1回経験しておくと、次からはある程度の想像がつく。転職が難しければ、副業や出向、あるいはボランティア活動でもいい。
これまでは終身雇用前提だったため、大きく環境が変わることがありませんでした。もちろん、転勤などにより環境が変わることがありましたが、働く環境の大部分は会社に依る部分が多いという意味です。これは悩ましい話で、慣れれば慣れるほど動きづらくなるものです。いかにしてこの「コンフォートゾーン」から出る努力ができるか、常に学ぶ姿勢を持つかということが何より重要になります。そのために一番早い方法が、会社を変える経験をすることでしょう。
とはいえ、成果を出さずにすぐに転職を繰り返すのも良くありません。20代の終わりで1回、30代後半から40代前半でもう1回。ここがピークになるつもりで頑張るというのが、多くの方にとって良い転職になるのではと思います。
もちろんこれを過ぎたとしても「学ぶ姿勢」さえ持っていれば、まだまだ大丈夫です。世の中には60歳を過ぎて起業し、上場までしたツワモノもいます。人生100年、楽しく働き世の中をより良くする一翼を担う実感が得られたならば、充実した人生と言えるのではないでしょうか。一日一日を大事にしながら、がんばりたいものですね!
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タイトル画像提供:Melpomene / PIXTA(ピクスタ)