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「パパ2人、ママ1人」。新しいファミリーにみる幸せの多様性

2018年11月の上旬、友人から嬉しいメッセージをもらった。「子供が生まれました!母子ともに健康です!」

即座に「おめでとう!」と返信した。ここまではよくある日常のひとコマだろう。しかし、この件に関しては私なりの熱い気持ちがあった。なぜなら、生まれたのは赤ちゃんだけではなく、新しい家族の形そのものであるからだ。

結婚しなくても、子供を育てなくても、幸せになれる。そんなの当たり前だし、個人の自由だ。

だけど、最初からその選択肢を奪われているとしたら、どうだろう。どんなに愛し合っていても、結婚したり、子供を産み育てたりすることを、社会から認められていなかったとしたら。

近年、社会においてLGBT+などの理解が進んだと思う。行政も同性パートナーシップ証明書を発行するなど、制度面でも工夫が見られるようになった。千葉市においては同性同士のみならず、多様なカップルを「パートナー」と認める要綱を施行した。新しいファミリーの形を社会で受け入れる良い取り組みだと思う。

これまでの家族とは世帯を意味しており、「家」と「族」という共同体をどうサスティナブルに運営するかという目的が主眼であった。そこには「個」というものが表立って語られることはなく、ときには「家」のために「個」を犠牲にすることが美徳という考え方もあっただろう。

家族という言葉自体がもう古いのかもしれません。その響きで想定する像が、ある程度固定されちゃう。男女の二人親で子どもがいて、というような。性別や血縁の有無を超え、共に生きていく新しい世帯の呼称として、ライフ・ユニットは分かりやすいと思いますよ。メディアが率先して使うことで、世間になじめばいいですよね。

「ライフ・ユニット」はとてもよい呼称だと思う。それぞれの幸せのカタチを追求するためのユニット。なんだか、バンドのようで楽しそう。

少子高齢化が話題となり、日本のこどもの数は38年連続で減り続けている。国の統計ミスが話題の昨今ではあるが、人口動態は確度の高い予測として知られている。つまり、ずっと前からこうなることはわかっていたのに、未だに有効な対策が打てずにいる。

婚姻の在り方も少子化の一因だ。日本人女性の平均初婚年齢(2015年)は29.4歳、第1子出産年齢は30.7歳。しかしフランスやスウェーデンなど欧州では、第1子出産が28~29歳で初婚年齢は30代。つまり、一緒に暮らし、子どもができたら結婚するというのが自然な流れ。日本のように結婚しないで出産することに負い目を感じる必要がないのだ。日本では婚外子はわずか2%だが、欧米では4~5割に達する国も少なくない。

日本では国会議員でさえも「伝統的な家族制度」にこだわる発言がある。この伝統と言われるものも、広く日本の歴史を振り返ってみれば明治以降につくられたものである。少子化対策についても、婚外子が増えたところで先進国が崩壊しているかというとそうではない(だとしたら世界経済は大変なことになっている)。要は社会のパラダイムシフトをどう受け入れていくかという話にすぎないだろう。

日本においても納得いく「幸せのかたち」が追求できる社会に向けて、それぞれができることは多い。

ちなみに冒頭に紹介したメッセージだが、実は続きがあった。

「母子共に健康で、今のところ女の子です。笑」

自分らしく、あなたらしく。新しいファミリーがどんな未来をつくっていくのか、楽しみだ。改めて、おめでとうございます!


タイトル画像提供: Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

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