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「変わる世界」「変わらない日本」〜日本人以外の人類は新型コロナウイルスに打ち勝った証として日本でオリンピック開催へ?!〜

民度の高い国民の自粛に期待する3回目の緊急事態宣言

3回目の緊急事態宣言が発出された。

サムネイルは筆者が撮影したちょうど1年前の4/26の渋谷の週末の夜だ。

2020年春、早期の収束に向けて全国民が協力した。

そして1年後、変異株ウイルスがまん延しつつありほぼ同じ内容の緊急事態宣言が発出された

特措法改正で休業要請の法的根拠は明らかだが、休業要請には補償が伴うのでできるだけ避けたい。それなので遊園地や演芸場に対する「無観客での開催」という謎の要請が下る。バッティングセンターを無観客で営業して、誰もいないバッターボックスを動画で流すのか、入場収入のない中、花やしきのローラーコースターをぐるぐる動かすのか。

「私権の制限という立場を極力取りたくない」+「予算をつかいたくない」立場の「決して私共は休業しろとは申しておりません」という「役人」的発想だ。逆に多少表現に無理があっても現行法でできる限りのことをせねばという焦りも伺える。

結局内容は1年前と同じ世界に日本が誇る「民度が高いと期待する国民への自粛要請による人流制限」だ。

1年前は、見えないコロナとの戦い方がわからず、緊急手段としての自粛要請も止むを得なかったかもしれない。

1年前の2020年4/26当時は、日本の累積陽性者数 13,586人、 死者はまだ348人だった。今思えば平和な時代だ。世界では北イタリア、ニューヨーク等が医療崩壊の真っ最中だったが、それでも世界の累積陽性者数 290万人、死者はまだ全世界で21万人だった。

1年後の今は世界の累積陽性者1億4400万人、死者は310万人

世界が学んだ4つの対策

日本の累積陽性者数も55万人を超え死者数も1万人を超えた。その間、世界各国は多くの犠牲を払ってこの新型コロナウイルスについて学び、対応策を検討し、そして実行してきた。

①デジタルシフト──接触を減らすため、スマホ、位置情報等デジタル技術を積極的に活用した感染経路特定と隔離を徹底、さらにリモートワーク、リモートライフへ移行

②新型コロナ対応病床確保──軽症から重症まで多様で急変する症状に安全に効率的に対応する臨時専門病棟を設置

③ワクチン開発──mRNAワクチン、アデノウイルスベクターといったといった画期的手法を採用し10年かかるワクチン開発を1年以内に米英中ロは接種可能な状態に

④有事法制──公権力による強力な私権制限 (ロックダウン)を法治国家として法整備を迅速に整え実施

そしてこれらの4つの施策は相互に密接に関連する

①デジタルテクノロジーは感染経路の迅速な把握だけでなく、②医療における隔離後の患者の病変による入転院の判断の医療連携、③ワクチン開発の治験データとして活用やワクチンの複数回接種の正確な配布と接種管理④有事法制の様々な強権発動の定量的な効果検証をする為にも不可欠だ。

また、症状に応じた陽性者を受け入れる②臨時に収容可能な病床数の確保があって、①デジタルを通じた感染者炙り出しと大量のPCR検査は成立するものであり、

③のワクチンの早期開発と接種による集団免疫の早期獲得はこれらの施策が④安全保障上の有事として米国のような産業国防法や緊急命令で軍や軍関係の予算を活用して実行することが前提であり、また短期間での効率的な接種には先の①デジタルでの管理②接種を担当する医療従事者の存在が不可欠だ。

そして、これらの施策に伴う①行動監視と私権の制限の要請と補償 ②医療資源のトップダウンでの再配分と予算支援、③国内ワクチン開発予算の安全保障予算としての確保は、このコロナ禍を平時のインフルエンザ等の感染症対策ではなく④有事と認識しての有事立法によって可能になる。

要するに、有事の対応には、時々刻々変異するウイルスと戦いながら上記①〜④の複雑に絡み合う諸課題を対応する為の時限的に強力な「統治能力と権限」を持った司令塔が必要となる。

日本人「以外の」人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証としての東京オリンピック?!

「夏の東京オリンピック・パラリンピックは、人類が新型コロナウィルスに打ち勝った証として、また、東日本大震災からの復興を世界に発信する機会としたい」(2021 1/18第204通常国会首相就任初の施政方針演説)

世界に対する東京オリンピック開催責任を本気で言葉通りに感じているなら、先の①〜④まで、日本が最先端の対応を世界に示してきていたとしてもおかしくない。

だが現実には、感染拡大防止の対応は1年前から驚くほど進化していない。未だに降りてくる「お願いごと」は「ステイホーム」「お買い物は3日に1度」「街の灯りを点けたり消したり」だ。

7/23からのオリンピックの開催タイミングは、世界の状況からから最悪のタイミングとなる可能性がある。

米国はバイデン就任92日目で2億回の接種を米国は実現している

BrexitでEUの輸出規制を逃れた英国は、既に過半数が1回目摂取終了。年末にイギリス型の変異株がまん延し、3度めのロックダウンを強いられていた感染状況はワクチン効果で短期間で一気に収束した。

EU各国は、当初製薬会社の交渉に失敗しやや出遅れたが、公式目標は夏の終わりまでに成人の70%の接種完了で、これは各国の人口構成次第だが全人口の55-60%相当が終了し、ほぼ集団免疫を獲得する。

すなわち、7/23のオリンピック開会式の頃は、欧米各国の市民のかなりの割合がマスク強制されない日常生活に復帰し、各国相互にグリーンパスポートを提示することで自由に移動・旅行している可能性が高い。

そうした世界の先進国が急速に日常に復帰していく中、海外の多くの人にとっては、日本はオリンピックの観客として訪問できない国、OECD37カ国中最低のワクチン接種率で未だに選手も関係者も厳格な入国後の隔離が必要な国。その様な日本でオリンピックが開催されるのだ。選手生命がかかったトップアスリートは(既に何名かが表明しているが)出場を棄権するだろう。

日本人「以外の」人類がコロナに打ち勝った証として、日本にさらに変異株の感染を拡大させる可能性のあるオリンピックが開催されようとしている

日本が震災復興をアピールどころかコロナにすら打ち勝ってない証が、積極的に世界に配信されてしまう可能性がある。

しかしながら野党の様に事後孔明で、政治の責任などを声高に批判しても仕方がない。上記の世界のスタンダードの施策①デジタルシフト②大量検査と専用医療体制の確保③ワクチン調達と接種④有事法制について、何故できていないのか、一体何がいけなかったのか、、

おかしい、それにしても、この国の何かがおかしい。

それについて冷静に考える必要がある。

衆議院選挙も近い。これらの論点の振り返りと反省から国民はどのようなことを政治に要求すれば良いのかについて、ゴールデンウィークの自粛期間、静かに考える時間のある今、収束しないコロナ禍の構造と文脈について冷静に考察してみたいと思う。




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