マーケターは組織の解像度を高めたい
今日のテーマは、戦略と組織文化の関係性について。
特にマーケティングに関わる人は、非常に捉えにくく複雑な「組織」と向き合う必要があります。
その向き合い方について書いていきたいと思います。
戦略と組織の関係性を整理
まずは有名な名言から入ります。一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
組織は戦略に従う
byチャンドラー
戦略は組織に従う
byアンゾフ
「戦略と組織は表裏一体」であることを表現されていて、どちらの言葉も本質を捉えているといると思います。
ちなみに、この2つの言葉をどのように捉えると良いかな・・と考えていたのですが、このように整理するとわかりやすいのではないかと考えています。
・組織は戦略(方針)に従う
・戦略(実行)は組織に従う
戦略の方針が不明確なまま組織をつくることはできないですし、逆に組織体制や文化が整っていない中では戦略は実行→成果創出することはできません。
机上の空論で終わる戦略の共通点は?
よく、戦略が机上の空論で終わる・・と表現されることがあります。
机上の空論
=組織リソースや文化を無視した戦略
ということだと捉えています。
戦略の実現可能性
=組織リソース+体制とのフィット感
と捉えると良いのではと考えています。
戦略を描く立場にある人は、必ず組織リソースや文化と向き合うことを忘れてはいけないと感じることが多くなってきています。
戦略を考える=セットで組織文化や体制を考えること。
組織を考える力はどのように鍛えるのか?
戦略を描く人が組織リソースや文化と向き合った方がよいことはわかったと。
では、「その組織にあった戦略」を描く力をどのように鍛えると良いのでしょうか?
複数の組織や事業を経験することで身につけられるものだとは思いますが、誰もがその機会を得られるとは限りません。
戦略と組織を合わせてトレースする
自分はマーケティングトレース-マーケターの筋トレ-という型をつくり、トレーニングの型を普及させています。
このトレーニングの中に組織文化を読み解く視点も入れ込めると良いのではないかと考えています。
その方法と視点をご紹介していきます。
どうぶつの森のヒットと任天堂の組織文化をセットで読み解く
あつ森=どうぶつの森が巣籠もり需要により大ヒットしたことは皆さんご存知かと思います。
「ステイホーム」が求められる中でゲーム人気は高まった。任天堂が3月20日に発売した「あつまれ どうぶつの森」は発売からわずか12日間で1177万本を世界で販売。発売3年目にもかかわらず2019年度のスイッチ本体の販売台数は過去最高を記録した。
なぜ、どうぶつの森は大ヒットしたのでしょうか?
どうぶつの森がヒットしたのは、コロナの外部要因、優れたUI/UX要素などがあることは、調べれば即わかります。
どうぶつの森のマーケティングトレースはこちらです。
しかし、どうぶつの森の戦略を分析するだけでは、ヒットの本質は見えてきません。
重要なのは、開発元である任天堂の組織体制や文化を理解することです。
では、任天堂の組織をどのように理解するのか?
型がないと思考しにくいので組織の理解度を高めるための9マスのフレームワークを作成しました。
組織文化や体制を理解する9視点
こちらが任天堂の組織文化を9つの視点で整理したフレームワークです。
●組織を理解するためにチェックする9視点
①事業方針
②理念
③経営者/経営層
④ビジネスモデル
⑤競争優位性
⑥キャッシュ
⑦主要職種
⑧得意な戦略
⑨投資傾向
どうぶつの森の大ヒットの裏側には、任天堂の組織としての強さが当然あります。その強さがどのような構造になっているのかを読み解くことを目的にシートを作成しています。
ぜひ、上記の項目を参考に、戦略と組織をセットで読み解く視点を鍛えてみてください!
まずは企業分析をするときに、採用サイトをみる、採用サイトに書かれていることから戦略を読み解くトレーニングをすることはオススメです!
マーケターは組織の解像度を高めたい
マーケターは「顧客の解像度」を高めることの大切さは様々なところで言われています。
才流・栗原さんの記事を引用させて頂きます。
顧客の解像度を高めた方が良いのは間違いないです。
今回お伝えしたかったことは、あわせて「組織の解像度を高める」ことです。
組織の体制や文化にフィットした戦略を考えて、実行力を高めること
これは、マーケターに求められる重要なスキルセットだと考えています。
ぜひ、組織の解像度を高めるために、戦略と合わせて組織をトレースする習慣をつくってみることをオススメします。
組織は戦略に従う
byチャンドラー
戦略は組織に従う
byアンゾフ
記事の中でご紹介した、任天堂の組織文化を理解するのに、こちらの本はオススメです!