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DXを阻むのは過剰なビジネスマナー

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

猛烈な勢いで列島を駆け抜けた台風19号。被害にあわれたみなさまには、心よりお見舞い申し上げます。鉄道や店舗が全日休業したり、身近な生活にも大きな影響を与えました。情報が錯綜するなか、自治体や首長みずからがネットでも情報を発信することで正確な避難情報を伝えたり、停電地域でも携帯電話が使える場合は緊急速報を受信できたという例もあるようです。

モバイルインターネットの普及により日常のインフラとしての重要性も増しています。テレビ、ラジオ、防災放送しかなかった一昔前を思えば、これもひとつのデジタルトランスフォーメーションの成果ではないでしょうか。

一方で、ビジネスの現場ではどうでしょうか? そろばんが電卓になり、どのオフィスでも表計算ソフトを利用していることでしょう。しかしながら、新技術というのは、いつの時代も積極派と懐疑派とで論争があるようです。電卓が出始めの頃には、そろばんと電卓が一緒になった製品すらあったようです。

いまでは存在したことすら信じられないですが、当時は「電卓の計算結果が正しいかわからない」「足し算、引き算はそろばんのほうが早い」等の理由でニーズがあったそうです。

実はこのような話は笑い事ではなく、いまでもあるのではないでしょうか?

代表的なものに、「とりあえずミーティング」があるかなと思います。それも、実際に対面で会うことがヨシとされている文化です。

ビジネスにおいて何より大事なのは、決められた期間で成果を出すことです。会うことで大きな成果が見込めるのであればもちろんするべきですが、なんとなく失礼かも。。。などという理由であれば、本当に必要かどうかを考えてみるべきでしょう。

「営業は足で稼いでなんぼ!」というのもひと昔の話。最近では内勤型の営業手法である「インサイドセールス」も盛んです。

デジタルツールを使いこなすことで、不要不急のミーティングを減らすことができ、より生産性をあげることができると思います。まさに、DXの成果ですね。

これを阻むのが、旧来からある文化というか、ビジネスマナーかもしれません。「こちらに来ないなんて失礼だ」「テレビ会議なんて失礼だしミーティングにならない」といった先入観を捨て、お互い何を話し合っているのか?なにを今決めるべきなのか?など「そもそものミーティングのゴール」を事前に決めておくだけでも効率は格段にあがるでしょう。

また、このようなビジネスマナーを支えているのが、名刺文化。実は載っている情報はとても少ないですし、一度メールを取り交わしたら以降はメールボックスから探して再作成することがほとんどです。今の時代は、名刺もクラウドに置いておく、社会人としての自分のホームページを持つ感覚が重要です。「ミーティングの前にどういう人かを検索しておく」ことで、より効果的な会話ができますし、自分も相手から検索されているという認識を持つ必要があるでしょう。

海外のみならず、日本でもビジネスコミュニティであるリンクトインが広がってきています。適切に使いこなすことで、より多くの成果が見込めます。

いまあるビジネスの習慣は本当に効果があるのか?を考えるのが、デジタルトランスフォーメーションを成功させるために必要なのではないでしょうか。

【日経COMEMOテーマ企画】デジタルトランスフォーメーションに取り組んでいますか、と関連した本記事。ぜひみなさまの意見も↓のコメントや記事で読んでみたいなと思います。

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 タイトル画像提供: mapo / PIXTA(ピクスタ)

#COMEMO #NIKKEI #ニュースで語る #デジタルトランスフォーメーション

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