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「ウォレット・シェア」って聞いたことある? 〜 ジョブ理論と一緒に思考してみた。

ウォレット・シェア」という言葉を聞いたことがありますか?

顧客一人ひとりの財布から、自社はどの程度の金額を占めているかの数値を意味する用語。スーパーマーケットで年間消費額が60万円として、ある顧客の年間購入額が18万円とすると、わが社のその顧客のワレット・シェアは30%ということになる。

出典 (株)ジェリコ・コンサルティング

「企業主語」ではなく、生活者起点の「LTV」からプランニングするにあたり出てきたりする概念です。
が、日経新聞で検索しても、まだ3件しかでてきません。

直近では、九州の百貨店「岩田屋三越」さんの記事がヒットします。

従来のラウンジと異なるのは、百貨店では通常取り扱っていないモノやサービスにも対応することだ。高級外車といったモノだけでなく、住宅の内装や旅行プランも顧客の要望に沿って専属スタッフが取りまとめて提案する。幅広く対応することで、利用客の購入金額に占める自社サービスの割合を示す「ウォレットシェア」の拡大を狙う。

岩田屋三越、豪華ラウンジで富裕層つかむ 20~30代も

そもそも数千万人の生活者の可処分所得を、全て把握することは、現実的にできないので、様々な企業がポイントカードやアプリ、調査によって把握をしようとしています。(それでも、すべての購買記録を追うことは、一般的な小売業では困難。現金比率の高いニッポン…。)
一般的なCRMでは、「一人が年間x万円を自社で利用する」・「x万円以上の利用者」を「ロイヤル顧客」として、優良顧客とし、手厚くコミュニケーションする層として捉えます。
その顧客の年収・可処分所得は、調査アンケート(カードの与信)などで別途把握することはあっても、データベースとして突合することがあまりないかもしれません。
「デジタル給与」がスタンダードになり、ブロックチェーンが標準化した時代になったら、(パーミッション前提ですが)把握ができる時代がくるかもしれませんね。


「ウォレット・シェア」の話を初見できいたとき、僕は、「ジョブ理論」も並行して想起しました。

書籍で事例となるのは「ミルクシェイク」の機能的・社会的・感情的ジョブ。
日本人には、別途、身近な「カフェのコーヒーを飲みたい」というシチュエーションのほうがわかりやすいかもしれません。

・機能的:「眠気を覚ましたい」や「喉をうるおしたい」
・社会的:お気に入りのカフェなどでくつろぐことで「おしゃれな人だな」「余裕のある生活をしていそうだな」と思われたい
・感情的:「コーヒーを飲んでさわやかな気分になりたい」など、自身が感じる気持ちにフォーカス

ジョブ理論とは?定義や事例、活用フレームワークを徹底解説より

これを受けて、ジョブ理論的にみた「サブスク(継続課金)」は、「ウォレット・シェア」と密接に関わると感じるようになりました。
Netflix、Spotify、ちょこザップ、新聞購読、賃貸家賃、携帯電話料金…。処分所得のうち、固定化した支出は、常時ウォレットを支配する。(最近だと、Twitterの有料化、なんてのもありますね。ちなみに僕は課金していませんw)

解約しないサブスクは、どんな「ジョブ」を利用者に提供しているのか?]
利用者は、どのような便益を享受しているのか?
現在の自社は、生活者のウォレットと継続的に接点をもっているのか?

「新規事業を考えなきゃいけない〜〜〜!」と思考している方。
生活者の「ウォレット・シェア」から逆算して、プロダクト・サービスをプランニングしてみても、ユニークなサービスが生まれるかもしれませんね。
1人の財布から、毎月?毎年?どれだけの割合をいただくのか。

多くの生活者から、ちょこっとだけ?
少ない生活者から、いっぱい?
「n」をどう捉えるか?なにかの代替なのか?新規のadd onなのか?
そんな分類をして、市場を見渡しても面白いかもしれませんね。


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