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鶏が卵を産みはじめる日にクリエイティブな人になる方法を考えてみた

どうする? クリエイティブな人になるために

クリエイティブな人材が求められているなんてことがよく言われます。変化の激しい時代に、新しいビジネスを生み出すにはクリエイティビティが必要なのは間違いありません。

でも、いきなりクリエイティブな人になれって言われても困りませんか?何をすればいいのかわかりませんよね。デザインの良し悪しが判断できるようになればいいのか?人の心を動かす文章を書けるようになればいいのか? だとしたら何をすればいいのか? そのやり方はメソッド化されているのか? 疑問は広がります。

クリエイティブな人になるためにはどうすればいいのか?なんて質問を投げかけておきながら、元も子もないのですが、クリエイティビティという山の登り方はいろいろあると思います。しかもやっかいなのは、クリエイティビティとかセンスというものにはメジャーラブルな指標がなくて、言語化、相対化して説明することが難しい。結果、クリエイティビティはブラックボックスでのように思われてしまっているところがあります。

僕はクライアントさんや社会の課題をアイデアで解決する仕事をずっとしてきたわけですが、自分のクリエイティビティを底上げする方法として、たぶん間違っていないだろう、そして誰でもやろうと思えばできることが一つあります。

それは、違いに気づくこと。「センスがいい」って「sense」って言葉から来ているわけですが、まさにセンサーになるということ。違いに気づくことは新しいアイデアを生み出しやすい体質を作る、つまりクリエイティブな発想ができるベースになると思うのです。

昨日と違う今日を見つけられる人になる

1月30日の日経新聞のコラム「春秋」を執筆された編集委員は、面白い発見をしています。スーパーの売り場に行くと、ポテトチップスが「しあわせバタ〜」と名付けられていたそうです。そして、牛肉も「しあわせ」というネーミングで売られていたんだそうです。確かに、本屋の店頭で平積みしている本のタイトルを見ると「幸せ」、「ハピネス」という文字がタイトルに入っている本が多くなっています。

それは、昨日と違う風景です。

昨日と違う行動をしている人に気づくこと。
昨日と違う言葉の使われ方に気づくこと。
日常風景の中で見つかるその違いに、新しいビジネスを生み出すヒントが溢れています。

飲み会が少なくなったなあ。
飲み会があってもウーロン茶を頼む人がふえたなあ。
二次会が少なくなったなあ。

たった2時間の飲み会の間でも、ちょっと前の世界と違った状況にいくつも気づくはずです。これなら、誰でも自分の発見を言語化することができますよね。

でも、そんな気づきがビジネスにおいてはノンアル・微アル飲料の開発につながったり、0次会という今までなかった時間帯のサービスの開発につながっていたりするわけです。

昨日までの違いを見つけようとすると、普段模様のように見えていた日常風景の情報量の多さに驚くはずです。

そして、大事なことは新しい変化がなぜ起きたかその理由を一度言語化しておくこと。なぜ、幸せって名前のポテトチップスが売られるんだろう? きっとこういう理由に違いないと。その仮説を思い浮かべる思考訓練がクリエイティビティを鍛える一つのいい方法だと僕は思っているんです。

ビジネスの大半は0から生み出すことではなくて、今あるビジネスを変化に合わせてアジャストしていくこと。だから、変化に敏感な人はクリエイティブな素質をもっているってことだと思います。

日本人は5日に一回変化を感じていた

ところで、この文章を書いてる1月30日は、昔の暦「七十二候」によると、鷄始乳。「にわとりはじめてとやにつく」と読むのですが、鶏が卵を温め始める日なんだそうです。いまは、品種改良の結果、鶏は卵を毎日産むようになったわけですが、かつて鶏は冬には卵を産まず、春になると卵を産み始めたんですね。

二十四節気七十二候は一年間の季節の変化を表しています。4日後の2月4日は東風解凍(はるかぜこおりをとく)。春風が池の氷を溶かし始める日です。昔の日本人は5日に一回のペースで季節の変化を感じていたわけですよね。これって、すごいことですよね。繊細!

花が咲いたり、虫が鳴き出したり、月がかけたり、昨日と違う今日を気づく人は昔もセンスがよかったってことですね。


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