見出し画像

日本コンテンツが国境を超えてアジアに広がり、アジアの先に行くために。

水野和寛 / Minto

Mintoの水野です。SNS・Web3領域で漫画・アニメ・キャラクターなどをクリエイターと共に創っています。

SNSを通じて、アジアでコンテンツは国境を超える

今回は、11月14-18日で行われている「PHILIPPINE WEB3 Festival」に参加するため、フィリピンのマニラに来ています。フィリピンに来るのは実は初めてです。

Mintoの最初の海外支社は、2014年にタイのバンコクに設立しました。そこから現在まで、東南アジア/東アジアでの事業展開を行なっていて、東南アジアはタイとベトナムの支社で、20名を超える社員が働いています。東アジアは、中国の上海に支社があります。

僕自身も、2014年から数十回、東南アジアへは行っていて、直近は、2020年の2月にバンコクでの自社キャラクターのアート展に参加して以来。実に2年9ヶ月ぶりの東南アジア来訪。

2020年2月 コロナが流行る直前のタイミングで開催したアートイベント

東アジア/東南アジアで事業をしていて感じていることは、東アジア/東南アジアの人は、日本の漫画・アニメ・ゲーム・キャラクターが大好き!って事と、一方で、事業にするのってすごく難しいよ、って事です。

インターネット領域でコンテンツ事業をやっていると、意識するのはグローバルです。インターネットというインフラは、インターネット以前と比べて圧倒的にグローバルへリーチさせやすくなり、YouTube・Twitter・AppStoreは、言語対応すれば、誰でもグローバルへ行ける。これ、ほんとすごい事ですよ。

それゆえに、アプリでも、動画でも、漫画でも、キャラクターでも、自分が気がつかない間に、いきなり海外で人気になった!ということが、稀にあります。例えば、2018年に中国で流行った「旅がえる」というスマホカジュアルゲームが、そうでした。主人公のカエルを旅に出し、旅先から持ち帰る写真などを楽しむ「放置系」ゲームなのですが、元々中国語にローカライズもしていない日本向けのゲーム。

それが、中国のSNS「微信(ウィーチャット)」などを使った口コミで、「90後」(1990年以降生まれ)の若者を中心に中国で爆発的に広がり、一時、中国の無料ゲームのダウンロード数で首位に立ったほどで、数千万ダウンロードを超え、ユーザーの9割以上が中国の人と報じられていました。

旅かえるについては、最終的にはアリババが中国でのマスターライセンスを獲得して、ローカライズや、様々な方法でIPとして中国展開を行なっていましたが、現在は、それほど活発な動きはないようです。詳細はMinto中国の前支社長の佐藤のnoteに非常に詳しく書かれています。

コンテンツは広がるが、ビジネスが立ち上がらない?


中国、韓国などの東アジアでも、タイ、ベトナムなどの東南アジアでも共通して言えることは、日本の漫画・アニメ・ゲームとそこから派生するキャラクターは、ファンが口コミ/SNSで流行らせてくれます。しかも拡散はとても早いです。

一方で、じゃあそれらのコンテンツ・IPホルダーが、アジアでの各IPの人気に比例してビジネスが上手く行っているかというと、そうでもない、というのが現状かと思います。

こんな話が多いです。

・現地ファン目線だと、ファンの人が公式コンテンツ/グッズを買いたいのに、公式コンテンツの販売が売ってない(海賊版に流れる)

・現地の企業目線だと、日本のキャラクターを活用したいけれど、誰に聞いていいかわからない

・IPホルダー目線だと、現地のIP代理店と契約したけど、一向に営業してくれない

まだまだ、様々なピースが組み合っていないと思います。結局、SNSの影響力で、インターネット発で国境を超えてキャラクターが人気になっても、しっかりとその先のビジネス(ライセンス、グッズ、BtoB営業)ができる体制がないと、継続的な事業にはならないなぁと感じています。

Mintoは、現地法人または現地のパートナーネットワークを東アジア、東南アジアに作ってきました。中国、韓国、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポール、インドネシアなどで、コンテンツやIPのライセンス実績があります。

正直、最初に思っていたよりは、事業が市場にフィットするまでに時間はかかりました。また、2015年ごろは、多くの日本のソーシャルゲーム会社が東南アジアに進出しましたが、だいたい2年位で撤退。期待値に対してのスピードと規模感が出なかったからだと思います。

アジアから欧米への広がりを求めて

今回、僕がフィリピンのWeb3カンファレンスに来た理由はいくつかあります。ひとつは、フィリピンでのWeb3浸透度の確認。ブロックチェーゲームが、Play to Earnの流れで生活の一部化していて、ある種のWeb3先進国になっているのを確認したかったためです。

実際のところ、空港からホテルまでの、タクシーの運転手の人と話したら、普通にAxie Infinity(代表的なブロックチェーンゲーム)で遊んで、稼いでいるよ〜とのことでした。


加えて、コンテンツ・IPの文脈です。Mintoが、東アジア / 東南アジアでのIP事業網を構築して来た中で、フィリピンでの事業展開は後回しになっていたので、改めて可能性を模索したいな、と思っていたからです。

フィリピンが後回しになっていた理由は、英語圏で日本文化よりアメリカ文化の影響が強いから。もちろん日本のコンテンツを好きな方もたくさんいるのですが、ダイレクトに英語コンテンツが楽しめるゆえに、東南アジアの中でも、最もアメリカ文化の影響を受けている国だと思います。

滞在したBGCエリアは、とても安全で綺麗なエリア

逆に言えば、アジア展開の先でのアメリカや英語圏展開の布石にもなり得るのがフィリピンです。今回初めて来てみて、文化面でいえば、他の東南アジアの国と比較して、本当にアメリカ色が濃いな〜と感じました。

元々、ビジネス面でも英語圏のコールセンター、IT企業、ゲーム会社などの下請け的な仕事は多いですし、フィリピンでWeb3の事業が世界に先駆けて進んでいるのは、英語圏、若年層の人口、Play to Earnのニーズなどがうまく噛み合っているからだと思います。この辺りは、フィリピンの強みですし、他のアジアの国との違いを理解して、事業に取り組めば、面白そうです。

今回、PHILIPPINE WEB3 Festivalで、僕らはサイドイベントとして、ジャパンナイト"JaFun GAME NIGHT"を主催しました。開催されたレストランには所狭しと並ぶ日本のアーケードゲームが!フィリピンの方の並々ならぬ日本のコンテンツの愛情を感じました。

ここは日本か!と思うくらいのアーケードゲーム数

フィリピンの日本コンテンツ愛と、フィリピンをきっかけにした英語圏へ展開、Web3先進国のフィリピン、この辺りを整理すると次の日本コンテンツビジネス展開の新しい型が作れそうかなと思いました。

ということで、今回のコラムはフィリピンからお届けしました!また次回!

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!