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人生を幸せにするものはなに? ハーバード大の研究結果からみえたこと

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

東京は冷たい雨の週末でしたが、こんなときは読書や動画を見て過ごすことも多いのではないでしょうか。私もインターネットをしながら、だらだらすごしていました。

今週はNetflixではなく、TED Talkを散策していました。その中で大変興味深いものがあったので、ご紹介したいと思います。

TEDは多言語の字幕がついているので英語の勉強にも最高ですが、第一線の研究者自らが語るクオリティの高いプレゼンテーションも勉強になります。この回では、ハーバード大学成人発達研究所(Harvard Study of Adult Development)の4代目の責任者であるロバート・ウォールディンガー氏による研究内容の紹介でした。

なんとこの研究が始まったのは、1938年!以来80年あまりの間、724人の男性を追跡し、休むことなく仕事や家庭生活、健康などを記録しています。つまり、人々を10代の頃から老年まで追いかけることによって、幸福と健康の持続のために、本当に何が必要なのかを探索しようと始めた研究とのことです。また、724人の研究対象のうち、約60名は健在であり、多くは90歳代。彼らの子供約2000人も新たに研究対象に加え、研究が続けられています。

724名の研究対象は、2つのグループに分けられています。1つ目のは、ハーバード大学の卒業生。多くは第二次世界大戦に出征し、生きて帰ってきた人々です。そして、もう1つのグループはボストンの貧民街にいた少年たち。1930年代のボストンは非常に貧しく、人生において不利な状況にいたため、被験者として選ばれました。

この長い時間の中で、被験者にはいろいろなことがありました。 当時10代だった少年達が、大人になり様々な人生を歩んでいます。 工場労働者や弁護士 レンガ職人や医師になったり、1人はアメリカの大統領になりました。中にはアル中になった人や、統合失調症になった人もいます。社会の底辺から這い上がり成功した人もいますし、その逆もしかりです。

これまでの研究から、以下の3つがわかったそうです。

1)周りの人との人間関係は健康に良いということ。
2)人間関係の満足度が健康に影響するということ。
3)よい人間関係は脳にもよいということ。

特に興味深いのは、健康で幸せな80代の彼らを振り返り、50歳のときのデータから予測をしてみたという点。彼らのデータを全て集めてみると、50歳のときのコレステロール値等とは関連性はなく、当時の人間関係の満足度で予測される事が分かったそうです。つまり、50才で最も幸せな人間関係にいた人が、80才になっても一番健康だったということです。

ミレニアル世代に「最も大切な人生の目的はなにか?」と調査したところ、80%の人が富を持つことと答え、さらにそのうちの50%が有名になることだと答えたそうです。しかし、長期に渡るこの研究からわかったことは、健康で幸せな人生は富や名声とは関連性がなく、身の回りの人間関係に大きく影響されるということ。

TED Talkは、マーク・トウェインの以下の文章を引用して終わりました。

"There isn't time, so brief is life, for bickerings, apologies, heartburnings, callings to account. There is only time for loving, and but an instant, so to speak, for that."

「かくも短い人生に 諍い 謝罪し 傷心し 責任を追及している時間などない 愛し合う為の時間しかない それが例え一瞬にすぎなくとも」

短い人生、大切な人々と楽しい時間を過ごしたいものですね!

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タイトル画像提供:Greyscale / PIXTA(ピクスタ)

#COMEMO #NIKKEI

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