「良い景気」を作るために、グローバル資本が入る意味
皆さん、こんにちは。株式会社ログラスの布川です。
先日、日経新聞に「新興、1割超が海外から資金調達 中長期の資本戦略カギ」という記事が掲載されました。その中でログラスにも触れていただき、海外投資家からの資金調達を成功させた事例としてご紹介いただきました。
この記事は、私たちがこれから採用していく仲間、すなわち未来のログラス仲間になりえる皆さんにとっても、当社がどのような将来ミッションを持ち、どのような資本戦略で社会課題解決に挑戦しているのかを知っていただく良い機会だと思っています。
今回のnoteでは、なぜログラスがセコイア・ヘリテージや米マサチューセッツ工科大学(以下、MIT)の資産運用会社のような海外投資家から資金を引き寄せることができたのか?
どのような観点で海外のパートナーを選び、その結果としてどのような「良い景気」を創り出そうとしているのか、その想いを綴りたいと思います。
少々感情的な表現も交えますが、どうかお許しください。
なぜ今、海外投資家を受け入れるのか
ログラスは創業からわずか数年で、国内外を含め多くの投資家、顧客企業、そして素晴らしい仲間たちに支えられ、着実に成長を遂げてきました。
その過程で私たちは、「良い景気を作ろう。」という新たなミッションを掲げ、単なるクラウド経営管理システムの提供を超え、日本経済・世界経済全体へとポジティブなインパクトを与えるCFOのためのプラットフォームになっていくことを目指しています。
しかし、好景気を創り出し、より多くの企業・人材が未来を信じて前進できる世界を実現するには、国内資金だけに留まっていては不十分です。新しい市場開拓には、グローバルな視点とチャレンジが不可欠です。そこで私たちは、セコイア・ヘリテージやMITの資産運用会社といった海外機関投資家からの資本を取り入れることを選びました。
なぜ彼らなのか?それは、彼らが「クロスオーバー投資家」であることが大きな理由の1つです。未上場から上場後まで株式を保有し、短期的なエグジットに囚われず、長期的な成長を共に描いてくれる彼らとの出会いは、私たちが「10年先、20年先に本当の意味で日本経済を底上げできる企業になりたい」という思いにマッチしていました。
ログラスはこれだけの規模になっていますが、現時点で上場準備を一切していません。(規模に耐えうるガバナンスについては対応を行っております。)これは私の投資銀行時代や前職上場企業でのIR経験を踏まえて重要な資本政策として創業期から決めているものです。
多くの起業家はIPOが初めての経験なので、この準備プロセスの大変さや上場後の経営陣のマインドがどれだけ持っていかれるかを理解することが難しいです。東証アローズのIPOの鐘を鳴らす瞬間は私から見ても本当に人生の黄金の1ページと呼べるような瞬間であり、憧れの瞬間です。
しかし、その後のIR、上場維持のために必要な各種手続き、株価形成・・・事業の本質とはやや遠い所での仕事が激増するのがIPOでもあります。それを受け入れてでも、資金調達や社会の公器となるために行う上場。これには本当に意味があり、上場企業の皆さまへの尊敬が常にあります。
ラクスやSHIFTのように、上場後も着実に株価と業績を伸ばし続けることができる偉大な企業ももちろん存在します。しかし、多くの会社は上場維持コストを低く見積もってしまい、赤字もおいそれとは出せないので上場後にチャレンジがしづらくなってしまうことも事実なのです。だからこそ、創業期からIPOが10年先でも15年先でもともに戦ってくれるであろうALL STAR SAAS FUNDにリード投資家として入って頂きました。彼らのミッションは「起業家とともに、100年続くSaaS企業をつくる」というものであり、まさにログラスのミッションと考え方にマッチしている方々でした。
資金調達の舞台裏と、海外投資家を迎え入れる上での視点
もちろん、海外投資家とパートナーシップを築く道のりは簡単ではありません。グローバル基準のガバナンス、明確な成長指標、海外投資家が求める中長期的な視点など、多くの要素をクリアする必要がありました。
資金調達の過程で、私たちはただ単に「お金を集める」という行為ではなく、「自分たちが本当に描きたい世界観に賛同してくれる仲間を見つける」ことを意識しました。そのためのステップとしては、以下のような視点を持ちました。
長期ビジョンの共有:
短期的な成果よりも、「良い景気」を生み出す長期的な使命にコミットしてくれるか。上場後も保有を続け、日本と世界を繋ぐ懸け橋となる意志があるか?次回ラウンドでの追加投資があるか:
今回だけでなく、次回以降のラウンドでもバックアップして頂けるファンドであるのか?他投資家を呼ぶことができる力を持たれているか?テクノロジー×経営管理という価値の再定義:
単なる経営管理クラウドではなく、グローバルで戦えるプロダクトとしてどう評価されるか。そのために必要な改善点・課題は何かを投資家の目線で見極めて頂けるか?
こうした視点を軸に、私たちは海外投資家との対話を進め、単なる資本の注入ではなく、長期的なパートナーシップへと関係性を高めてきました。この過程ではALL STAR SAAS FUNDの前田ヒロさんの力を沢山お借りしました。彼がいなければこのラウンドは成立しなかったと思います。
「良い景気」を創るために:海外資本がもたらすレバレッジ
「良い景気を作ろう。」
このミッションは、決して日本国内だけに留まるものではありません。グローバルな資金を取り入れることで、私たちは以下のようなレバレッジ効果を狙っています。
新たな雇用創出と経済循環:
アメリカから得た資金をもとに、日本国内で新規雇用を生み出し、多様な人材が活躍できるチャレンジングな環境を整えます。その結果、人々が新たなキャリアに挑戦し、価値を創出し、税収や国内市場の活性化につながる。こうしたポジティブな循環こそが、私たちが理想とする「良い景気」の胎動です。グローバルスタンダードへのアプローチ:
海外投資家との対話は、常に世界基準で物事を考える視点を与えてくれます。自分たちのプロダクトが世界のどこまで通用するのか、どんな改善が必要なのか、そうしたフィードバックは成長の原動力になります。
※実はログラスの領域はグローバルのスタートアップシーンでも盛り上がっている領域であり、海外投資家からの評価は非常に高かったです長期的な戦略実行へのコミットメント:
クロスオーバー投資家が増えることで、経営陣は短期的な株価やエグジットに左右されにくくなります。これにより、「何を実現したい会社なのか?」という根本的な問いに忠実であり続けられる。10年後、20年後に振り返っても「あの時の判断が今の景気を生んだ」と言えるような長期戦略を、腰を据えて実行できるのです。
やはり、どれだけスタートアップが努力したとしても、日本の経済だけでは良い景気を作ることはできません。日本企業の時価総額上位企業で内需だけで成り立っている企業はほとんどありません。NTTのような元国営企業であっても、例えばNTTデータはグローバル売上が圧倒的に大きく、リクルートもIndeedがなければここまでの成長はなかったでしょう。これらの企業は外貨を事業で稼ぐという本質を実現しています。これをすぐにスタートアップが実現するにはいくつかのハードルがあります。しかし、資金調達という観点でも外貨を集め、日本に投資することはできます。今まで見向きもされなかった日本のスタートアップに、直近は海外資金が集まっているのです。これ自体が圧倒的に良い景気を作っていると私は強く主張したいと思っています。
70億円の資金を国外から集め、国内に投資する。
プロダクトを開発し、売上を頂く。
人材を採用し、給与を払う。
給与や利益から税金を払う。
税金が国のインフラに使われる。
非常にシンプルなロジックですが、これだけでも海外投資家からファイナンスができるという事実は非常に良い景気に繋がっています。
だからこそ、今回のファイナンスでは海外・グローバルという所に並々ならぬ意気込みがありました。これが実現し、日本経済新聞に取り上げられ、その想いをここに綴ることができて本当に嬉しく思います。
それもこれも、投資家、顧客企業、素晴らしい仲間たち、そして先輩スタートアップの皆さんがいたからこそ実現できたことです。
そして、この流れを次に繋げていくこともログラスの仕事だと思っています。セコイア・ヘリテージというグローバルファンドから日本代表として期待頂いている以上、ログラスは絶対に成功しなくてはなりません。そしてその成功が、次の世代のスタートアップにもつながっていくと確信しています。
私たちには責任があります。だからこそ、強い仲間が必要です。
採用候補者の皆さんへ
この記事を読んでくださっている未来のログラスメンバーの皆さん。
ログラスは今、世界から期待を受け、新たな価値創造に挑戦しています。
国内の景気を底上げし、未来への希望を育み、新しいチャレンジを生み出すために、海外からの資本を取り入れ、壮大なミッションを掲げています。
ログラスは、「テクノロジーで経営をアップデートする。」という原点を引き継ぎながら、「良い景気を作ろう。」という新たなミッションのもと、グローバル資本と知見を活用することで、より大きく、より力強く飛躍していきます。
この挑戦は途方もなく大きなものです。しかし、だからこそワクワクするし、面白い。私たちと一緒に、世界中の資本とネットワークを活かして、新しい経済の可能性を切り開いてみませんか?
2024年も終わりですが。
来年も、良い景気を作ろう。