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会社がでかくなっても続けている眼鏡の手売り。

社内でよく解像度、という言葉を使います。

解像度が低い、という言い方をしますが、やろうとしていることに具体性がない、何が重要なのか分かっていないから内容に中身がない。解像度が低いからユーザーインタビューをしたほうがいい、ということをよく言います。

自社の幹部メンバーにも、指示出し、で終わるのではなく、自分でも手を動かし続けるように、と言い続けていますが、少なくともオーマイグラスにおいては、全員がプレイングマネジャーであるべきだし、世の中の成長企業のマネジャーはプレイングマネジャーが多く、古典的な日本の大企業で見られるような、何やってるかわからないような指示出しだけをする管理者は世の中からも淘汰されつつあるのではないでしょうか。

特に、自分が興味がある、口を出したい、指示したい分野では解像度が高くないと、間違ったことを指示してしまい、現場を振り回すことになりかねません。よくわかってないおじさんが偉そうに指示して、現場が混乱したり振り回されたりするような会社いまだによくあると思いますが、地獄絵図だと思いますし、読者の方で自分の会社はそういう会社だ、と思い当たる節があれば、その会社には将来性もないので転職したほうがいいと思います。

話を戻しますが、例えば最近流行しているSNS。Youtube、Tiktok、インスタグラム、facebook色々なプラットフォームがあります。当時のオーマイグラスにとってSNSは重要だったので自分も口を出したいわけです。なので、読者の方の中にはご存じの方も多いかもしれませんが、まずは率先して自らがYoutuberになり動画を投稿していきました。別に有名になりたかったわけではないです。とにかく、流行っている集客プラットフォームを自ら使い倒して、徹底的に理解したい、解像度をあげたいと思っていただけです。

Youtubeに関しては、登録者数で1万人を超えるぐらいにはいきましたが、別にYoutuberになりたかったわけではないので、途中で動画の投稿をやめました。Twitterに関しては、2万フォロワー近くまで行きました。

SNSが流行ってるみたいだから、やりなさい、とだけいって、部下や業者に丸投げしてるような会社でその分野でうまくいっている会社を見たことがありません。

今週は香港に1人で出張に行きました。オーマイグラスは日本国内では直営店で自社店舗を中心に運営していますが、海外においては、自社のブランドを現地の小売店の方々に販売いただいております。

炎天下の中で、バッグに眼鏡を詰めて、お客様である眼鏡店を回りました。
そこで1本1本注文を取ります。中には、お客様は1店舗だけの店主だったりします。彼らからすると、24店舗もある日本の眼鏡チェーンの代表がバッグに眼鏡を詰め込んで汗だくになりながら、眼鏡を売りにいくことに違和感を感じるわけです。だいたいびっくりされます。え?1人できたのか?、と。

商品のことでわからないことがあったり、今回は提案する商品のカタログで色がきちんと反映されてなかったりで冷や汗をかいたりもしました。

商売する上でこの冷や汗が極めて重要です。

冷や汗が出る、ということは細かいところで、ミリ単位のところで、雑になっているから、細かいところにカバーできていないところがあるから冷や汗が出るわけで、結局、ごまかしている部分、なあなあになっている部分、があるから冷や汗をかくわけです。多くの企業でこういうミリ単位のことは見過ごされていきます。

僕は10年以上の経営者経験の中で、このミリ単位のズレ、冷や汗の積み重ねが会社を崩壊に向かわせたり、逆にそこに向き合って解決していくことで、成功に導くこともできる、ということを学びました。

結局、成熟産業においては、競合との差はこのミリ単位の積み重ねなんだと思います。この細かい部分をなあなあにして見過ごすか、そこにきちんとトップ自ら向き合っていけるか。この冷や汗は、直面する人が下の役職であればあるほど見過ごされがちになります。

オーマイグラスにおいては、現場からの登用が多いものの、本社採用の社員の方にも、現場での販売研修を受けることをお願いしています。仕事の解像度をあげていくために、この現場研修は極めて重要です。

逆にこういう大事なことを目先の苦痛でないがしろにする人は、結局長期的には仕事でも成果が出せないと思っているので、踏み絵にもなっています。
結局、解像度が低いと、無駄な作業が発生したり、現場とのコミュニケーションロスが起きたりして回り道になったりするので、急がば回れになります。

さすがに社員80人規模の会社になって、この年になって炎天下の中で1人で眼鏡を手売りするのは気持ち的にも身体的にも、しんどいな、と思うのですが、こういうことをできる組織であること自体が、これだけ流行、トレンドが激しく入れ替わる業界においては競争優位になってくると思うのでできるだけ続けていきたいと思います。

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