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トランプが再び大統領になるかもと中国ネット民たちも盛り上がってきた。潤(ルン)に対する意見の数々

アメリカ大統領選挙の話題をニュースやSNSで見る機会が増えました。XやYahooなどでも、トランプが大統領に返り咲くのではないか、彼が大統領になったらどういった影響があるのかについての意見や議論が活発ですね。

アメリカと親密な関係の日本で様々な議論があるのは当然と思いますが、アメリカと微妙な関係の中国でもネット民の間で議論があり、日本の皆さんとは違った視点のものも多いです。

日本や海外のメディアでは「中国はトランプ大統領に戻ってほしくないと思っている」という意見が大半に見えますが、実際のところネット民はどう思ってるかを中心に興味深かったものを紹介したいと思います。


■大統領が誰になるかの前に、みんながアメリカの選挙に対してどう思ってるか

まずは、中国人がアメリカ大統領選挙に対してどの程度関心があるかについて。日本のメディアや周りの日本人が想像してるものとはかなり異なると感じてます。

思い返せば4年前のアメリカ選挙の時にも、大統領選挙についての注目点を紹介しました(ほぼギャグ中心で)。気になる人はこちらもあわせてご覧ください↓

実際のところ、4年前とそんなに変わってないというか、国としてよく示している“他国の政治には干渉しない“理念(姿勢?)は浸透していて、メディアの記事も客観的なニュースを淡々と伝えているものがほとんど。興味がない人も多数で、アメリカ大統領選挙はもはやリアリティーエンターテイメントの一つだという感想も多いです(もちろん、自分の仕事に直結する人などは注目して情報収集しているでしょうが)。

■興味があって話題にする人たちはどんな人?

ただ、やたら熱心だと目されて揶揄われている層がいます。

アメリカ大統領選挙関係の話題で春節連休で中国のSNSでめちゃくちゃバズっていたのは「どうして中高年男性はお酒の席でいつも政治の話をしてるの?」という投稿でした。

「中国のメディアよりも、中国の国民の方がアメリカの政治をよく議論してる。中国の農民もアメリカ政治を語ることができる」というのは中国ではある種のステレオタイプです。

若者が帰省して、毎日のように家族や親族団欒の席でこの現象を実体験したとネットでつぶやいたら、共感コメントが大量に投稿されてバズったというもの。

(画像:百度から引用)

↑「中年男性がお酒の席で政治を語ったりホラを吹いたりすることを刑法に入れて罰を与えてほしい」という投稿

(画像:百度から引用)

↑食事するときの話題に「アメリカ」というキーワードが出てきたらもう嫌で嫌で我慢できない

(画像:百度から引用)

↑中年男性と話すとき、盛り上がる奥の手はトランプを罵倒することです。話題をそっちに振れば永遠に話を続けてくれそう

年配の方が政治の話ばかりで若者から反感を買うのは全世界共通なんですかね笑。

実生活の友人の話で、親族間の食事中にいつも話題になる「子供の大学進学や給料の話」よりも、「誰が国際情勢についての判断がより正しいか」について“朝まで生テレビ!”も顔負けの激論が繰り広げられた、と地獄のような家族会食の報告を聞きました。

また、なぜトレンド入りになるほど若者に嫌がれるかとの理由には、もし真剣に議論に参加したとしても「お前若いからまだ分からないだろう」とあしらわれるからという、あるあるの意見もあります。

■ネット民皆さんはバイデンとトランプをどう思ってるの?

共和党はトランプさん、民主党はバイデンさんという再び高齢者候補対決とのことですが、2020年のネタがリニューアルしてました。

(画像:Zhihuから)

↑「2024年下半期最も励ましい物語
78歳と82歳の年寄りが一つの仕事を獲得するためにこんなに激しく喧嘩してます。君が努力しない言い訳なんてないだろう」というメッセージ。

これがまさか4年前もだったのかよ、という意図も感じる雑な修正画像でバズりました。

また、よく中国の人権だの指摘をするアメリカに対しての皮肉↓

(画像:Zhihuから)

「アメリカの年寄り政治は、完全に年寄りの休憩権と養老権への侵害です。断固反対すべき、国連大会で老人虐待だと控訴すべきだ」との揶揄。

世界中で言われてますが、もっと若い人いないんですか?もう少しいい選択がないの?という意見は多数。高齢である点への意見ではこんなものも↓

(画像:Zhihuから)

「歴史を振り返ってみると、ソ連崩壊や中国の明の時代も、今のアメリカのように有力な若者が出てこなくてダメになった。アメリカの没落ぶりを痛感している」との投稿。

■トランプになったらどうなるかで話題な移民問題系は奥が深い

大統領選挙に向けてインタビューや発言が増えているトランプさん。特に移民への言及はかなり多いですよね。実は中国からアメリカへの移民がコロナ禍前後から大幅に増えていて、これについて注目しているネット民も多いです。

議論などを観察したかぎりでは、移民政策が厳しくなることよりも、留学生やビジネスマンの往来が難しくなると心配する人が明らかに多いです。実際に、ボクの友人が元々アメリカ留学志望だったんですが、最近イギリスにしようと計画を変更しています。

また、国の政策によってすでにアメリカにいるアジア系の人に社会全体が厳しくなるのではないかの心配もあります。

最近よく海外メディアに取り上げられた”潤“現象(ルン=英語のrun)も、日本での報道と異なる点があります。日本のメディアでも最近目にしました「潤」ですが、今回の選挙での移民発言とはちょっとずれていると感じています。

(中国からの脱出することで、中国ではこの現象を「潤(ルン)」と呼んでいる。中国語のピンインではRunと表記されて、英語の「逃げる」と同じだから)

まず富裕層について。移民したいお金持ちの多くはもうとっくになんだかんだの形で移民している。例えば以前noteで紹介した「海底捞」のCEOさん。そのような人たちには、アメリカの移民政策の変化があっても影響がないでしょう。

(画像:百度から)

以前中国のSNSでバズった、トランプさんの発言
「米国への中国人移民はかつてはエリートであったが、現在では基本的に収益のない汚職役人、悪徳ビジネスマン、無教養となっている」
(すいませんオリジナルの会見動画は見つけられませんでしたので参考程度に)

最近はある程度お金のある人、あるいは全然お金のない人の移民がよく話題になります。前より確実に増えていて、海外メディアの報道では、中国の政治や経済に不満があるから「潤」したという書かれ方が多いのですが、実態はそうでもないようです。

中国で住みたくない事情は人それぞれいろいろあると思いますが、注目されている大きな理由の一つとしてTiktokなどのSNSが取り上げられています。

移民自体は中国では(他の国でもそうかもですが)ある種のビジネスで、これらの事業をしている人たちは、SNSで海外暮らしのメリットばかり宣伝しています。簡単に良い生活を手に入れられるよ、という明らかに甘すぎる誘いの数々はある種の詐欺と言っても過言ではありません。

さらに、合法的なやり方以外に、不法移民のためのやり方を伝授する人もいっぱいいて、その成功者がまたSNSで経験を共有して、とますます実践者が増えてしまっているという問題。

これについてはまだまだ面白い話があって、紹介しきれないので後日、別途紹介しようと思います。

■トランプになったら経済どうなる系のトピック

noteをご覧の皆さんが一番気になってることかもしれませんね。これはたくさんの意見があるのでまとめることは難しいのですが、4年前までのトランプ大統領時代には、あれこれ制裁を強化してきた過去があることからも、中国にとってはバイデン民主党が継続したほうが国にとって良いのではないかという意見はけっこうありました。

民主党が継続することは中国にとって、もう4年間産業発展させる時間の確保になり非常に貴重との書き込みにはいいねが集まってました。余計な邪魔をされず、半導体やAIなどの産業と科学技術の向上を行うことが期待できるといったもの。

ただ、民主党が引き続き当選したとしても、アメリカと中国の関係が大きく改善されることは期待できないという意見も多いです。

また、トランプ時代にアメリカはたくさんの手段を使って中国を弾圧し抑止しようとしてきたが、結局効果がなく逆に中国の産業がステップアップするきっかけとなったと考えている人もいます。

このあたりは、面白い記事や投稿を見つけたらまた紹介しようかなと思います。

アメリカ大統領選挙はおじさん中心に熱い議論が夜な夜な行われているが、若者層からは「政治の話は権力や財力に繋がっていて芸能人の噂話とそんなに変わらないレベル」と冷ややかで、どこかの国とも一緒かなと感じてます笑。

ただ、トランプさんはそこらの芸能人よりもリアルで面白い話題を提供してくれますから、日々ネタを探しているネット民は今後の展開に期待してると思います。

(参考資料)

https://www.washingtonpost.com/opinions/2023/08/04/america-survive-china-not-trump/


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中国情報局@北京オフィス
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