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100人インタビューして気がついた「働く」のブレイクスルーが起きる条件

 Potage代表 コミュニティ・アクセラレーターの河原あずさです。ありがたいことに、数々の天職に恵まれながら、会社を経営できています。そんな僕が、今回は2日連続で「#天職だと感じた瞬間」というお題を元に原稿をお届けいたします。

 僕はナラティブインタビューというサービスを提供しています。色々なクライアントさんからの「自分は何のために働いているのか」という問いかけに対して向き合って、働く理由や生きるモチベーションの源を一緒に言語化して、最終的には10分間のインタビュー動画と簡単な記事におこして、自分のプロフィールページがまとまっていくという「内省込みの自己紹介づくりの伴走プロセス」になります。

 ぼく自身はファシリテーターとして、色々な方々のインタビューをしていて、100人を超えるたくさんの方の「何のために働くのか?」「なぜ生きているのか」という数々の問いかけをきっかけにした「自分言語化」のお手伝いしています。これがめっぽう楽しくてわくわくして、人の話を聞いて言語化を助けることの奥深さを日々感じています。まさに「天職」ですね。

 というわけで、たくさんの方のお話を聞いているのですが、あるときに、申し込まれている方々の特徴にふと気が付きました。自分自身のキャリア・生き方・働き方を次の段階に進めていきたいというモチベーションが強い方が、このナラティブインタビューをうけているという共通傾向が見て取れたのです。

自分のキャリアを棚卸してストーリーを組み立てるとこんないいことあるよという内容の記事です。ご参考まで。

キャリアの守破離と自分言語化の関係性

 ここで僕が思い出すのが「守破離」という概念です。会社の仕事でいうと「守」は、言われた通り、型を身に着けるフェイズ、「破」は、自分なりに考えて、ブレイクスルーを起こして、自分ならではの型を産み出して仕事に適用して自分にしかできない仕事を増やしていくフェイズ、そして「離」は、型のことなど考えずに、勝手に頭と体が動いて、動くうちに自然と色々な価値がかたちになっていくフェイズということになります。

 そして、このナラティブインタビューは「守」のフェイズから「破」のフェイズに移行しつつある方が申し込まれる傾向があるのです。経営者や、フリーランス、新規事業担当者や、起業家……立場はそれぞれですが、社会の中である種のパターンにのっとって仕事はできるようになったものの、どうにも同じようなことを繰り返している気がしてマンネリ感を感じていたり、やっているうちに「なんでこれをやっているのか」がわからなくなったり「このままでいいのか」という漠然とした不安を感じている方が、僕とのセッションを通じて「なんで働くのか・なんで生きるのか」を言語化しているのです。

 そして、この「なんで」が言語化できると、みなさんすっきりした顔で「あ、こういう風にすればよかったんだ」と気が付いて帰っていかれる傾向があります。その後、行動がどんどん加速して、新しい成果を産み出せる、ブレイクスルーが起こせる、そんな傾向があります。

キャリアの「破」への移行を起こす方法

 このようなセッションを繰り返して思うのは「破」への移行は、一朝一夕にはいかないということです。「今からフェイズが「破」に移行します!」という風に境目がわかりやすく存在しているわけでもなく、変化は段階的に、時間をかけて、じわりじわりと起きるものですし、だからこそ計算して起こすことが難しいという要素はあります。

 ただ「破」に移行するためにおさえるべきポイントは明確に存在します。「破」のフェイズに移る人の多くが、既に「小さい破」を繰り返しているという事実です。このフェイズ移行は、キャリアの流れとしては数年~10数年単位で起きるものですが、個々の業務やスキル習得や日々の経験を通じて、「小さな守から破への転換」を繰り返している方が少なからず存在します。

 例えば、マニュアルを与えられたときに、最初はそのマニュアル通りに仕事をするけど、だんだんと「あれ?」という疑問ポイントに気が付いて自分なりに改版したり、業務プロセスをより属人性が少なくなるようにアップデートしたり、元々ひとりで仕事していたのにリーダー格になってからチームで動けるようになったり、自分なりの商談の通し方をマスターしたり……これらはすべて「小さな守から破への転換」に該当します。

 これらの小さな一つ一つのプロセスの中で「守から破への転換」が行えるようになると、だんだんそれが線としてつながったり、束ねられて、大きな破の流れにつながったりすることで「大きな守から破への転換」が起きると思うのです。

 大事なのは、この「小さな守から破への転換」の経験に自分自身が気づいて、成功体験として自信にしていくことです。自分は「守から破への転換」ができるのだと小さな経験の蓄積から意識づけることで、キャリアの大きな転換をはかるための意識的な下地や自分自身への根拠が生まれるのではないかと僕は考えています。そういう積み重ねをものにできた方が、例えば同じ部署で似たような仕事をしている人が配置転換を申し出る勇気が生まれたり、転職しようという決意が生まれたりして、結果「破」のフェイズに移行することができると思うのです。

 その際に必要なことは、自分自身の過去の「守から破への転換」の経験を棚卸することです。そして、棚卸したあらゆる経験を一本の線に結びなおします。ナラティブインタビューでは「1つ1つの経験は必ず今時点の自分の立ち位置につながっているし、無駄な経験なんてない」というスタンスをとって、ストーリーとしてここの経験を編みなおしていきます。その上で、そのストーリーの線を未来へと伸ばしていって、どんな自分が将来待っているかを、しっかり想像し、創造していくのです。

 そうすると結果的に自分自身の軸が生まれて、こんな自分になっていけば「守から破への転換」が起きる、つまりキャリアにとって大きな転換が起きるという確信につながっていくのです。自分自身の小さい成功体験、つまり「新しい型を生み出したという経験」を棚卸ししてみることで、自分自身の次のキャリアの転換に関する大きなヒントが得られます。もしご興味ある方がいらっしゃいましたら、ナラティブインタビューに挑戦してみてはいかがでしょうか。法人でも採用されていて、数多くの方と1on1を繰り返す日々です。お問合せは下記ホームページの問合せフォームより可能です。お待ちしています。


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