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ユニバーサル北京が開園しチケットは1分で完売。東京ディズニーよりお得ですか?

中秋の三連休に営業を開始した「ユニバーサル北京」。中国ではオープンのかなり前から注目が集まっていて、待望のグランドオープンからは連日話題になっています。

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↑オープンはあいにくの雨でしたが大盛況だった

日本のファンの皆さんにもぜひ来て欲しいので(ボクもまだ行ってないですがね汗)、パークの徹底解説コンテンツも出したいです。でもコロナの影響でしばらく海外の人は遊びに来られなそうなので、今回はパークの楽しみ方ではなく、中国での人気ぶりと経済の面の話をしたいと思います。

■ユニバーサル開園までの道のりと狙い

ユニバーサル北京はユニバーサルの5つ目のテーマパークで、今のところ世界で最も広いです。面積は大阪USJの2倍、シンガポールのユニバーサルの5倍です。入場券のいらない商業エリアも加えるとリゾート全体が4キロ平方メートルだそうです。ライバルのテーマパークと比べると、上海ディズニーリゾートの3個分、北京で最も有名だった「欢乐谷」の20個分の大きさで、すごい巨大!

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ユニバーサル北京はかなり前からの取り組みでした。北京市は2001年にアメリカのユニバーサルとテーマパークに関する提携協定を結んだのですが、国の許可がおりたのが2014年。そして、建設の真っ最中にはコロナの影響で工事が停止になったりで、さまざまな噂が何度も話題になる紆余曲折の末のオープンでした。

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↑これぞカンフーパンダ、行ってみたい🐼

さらに、この長い期間の中には米中関係の悪化もありました。そんな数々の逆風でも北京市が何としてもつくりたかった理由は「国際都市としてインパクトのあるテーマパークが欠けている」との指摘がたくさんあったことも大きいようです。たしかに上海や広州、深圳、香港に比べ、北の方は何か足りない感はあります。ユニバーサルの開園は、歴史や文化などを中心とする北京の観光市場をよりバランスの良いものに整えると期待も高いです。

■経済へのインパクトの予測。すでに活況で関連ビジネスが多数出現

待ちに待った、そしてこんなに立派で巨大なテーマパークなので、経済の面でも、雇用の面でも巨大な影響が期待されています。

中国側の投資者である「首旅グループ」の董事長が取材で「年間1000万〜1200万人が来園されると予想されてる」とコメントしました。これは単純計算すると1日平均で 2.7〜3.3万人が入ることになります。ちなみに今のユニバーサル北京はまだ建設途中で1期と表現されていて、これが3期まで建設が終われば、年間3000万人と数百億元の売上が予測されてます。

入場券の料金はある種のダイナミックプライシングが採用されています。現在のところ

・418元(来園の人数が少ないと予測される日)
・528元(予測人数が普通の日)
・638元(予測人数が多い日)
・748元(特別の日)

の4種類。その他にはエクスプレスパスがそれぞれ一回使えるものは400元、複数回使えるのは500元、案内スタッフ付きのVIPサービス1900元なども用意されています。

中国のネットには貧乏旅から贅沢旅まで様々な攻略コンテンツが多数アップされています。

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メディアの取材や調査データからだと、一人当たり1500元程度の人が最も多く、これからくる国慶節連休では、1人あたり3000元前後の予算がおすすめだと報道されてます。また感覚的な予想ですが、ハリーポッターエリアでは双方向性のある遊び方が多いので、必要な道具(一つ300元台)や服装(一つ800元台)などを買う人も多い。なので予算は3000元よりも高くなると思います。

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↑ちなみに、統計局のデータによると北京での2020年の年間可処分所得の平均は7万元。つまり2人でユニバーサールに行けば一人分の月給が消える計算になります。

あくまで単純な平均の比較なので格差の大きい中国ではなんともですが、収入に比べてのユニバーサルでの消費金額は日本よりもかなり高い感じがします。ただ、それでもみんなが爆買いしているようです。

入場券販売開始の9月13日の夜に、ECコマース界のスター「李佳琦」のライブ販売が行われ、この中継には1400万人がアクセスし、約1万枚の入場券を争いました。

↑李佳琦って誰?って方はこちらをご参考に。

また、アリババの旅行プラットフォーム「飞猪」では販売開始1時間ほどでエクスプレスパスが売り切れました。旅行代理プラットフォーム大手の「携程」でも開園初日のチケットが僅か1分で売り切れ。どのプラットフォームも一時的にアクセスできなくなる大盛況となっています。

旅行代理プラットフォーム大手の「去哪儿」のビッグデータによると、開園最初の1ヶ月間のチケットの4割を購入したのは北京にいる人だそうです。その次は天津と上海。国慶節の連休では家族連れの利用者が多く、人気の航空ラインTOP3には
成都→北京、深圳→北京、と目的地が北京なものが2つもランクイン。そしてそのチケットを予約している人の中でユニバーサルのチケットを購入したお客さんが多いそうです。

また、ユニバーサルは「東六環」という市内と離れた郊外にあるのですが、商業テントの家賃はすでに中心地の東三環のCBD並みだそうなので(集客が期待できるとはいえ)ビジネスしたい人はしっかり戦略をたてないと破産しますね。

余談ですが、ユニバーサルスタジオジャパンがUSJと略称されるよう、最初はみんな北京のユニバーサルスタジオだからまさかUSBと略称しないよね?と冗談を言ってたりしました。また、正式名称が「ユニバーサル北京リゾート」だからUBRなのかと話題になっていました。でも今は「北环」(Běi huán)と呼ばれ始めています。上海ディズニーランドが「上迪」と略されたように、KOLの間でUBRを「北环」と呼ぶのが広まってきています。

ということで、チケット争奪戦混雑期が落ち着いたらボクも行ってみます。その時はSNSなどにドヤ写真をあげたいと思いますので、Twitterをフォローしてご期待ください!

(参考資料)

https://mp.weixin.qq.com/s/cu3W4zYUokuNC3KgALJfZw

https://mp.weixin.qq.com/s/eXKeOarSFIYtnU_oXk_B6A


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