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クールジャパン最前線:成人向けコンテンツのゆくえ=ドイツ編

2019年最後の投稿となります。

ドイツ最大のアニメ漫画ファンイベント、ドイツのコミケを掲げる「Dokomi(ドコミ)」は今月、次回2020年開催のドコミで「18+エリア」を新設すると発表しました。

ドコミといえば、来場者数5.5万人(二日間のべ)、個人ブース数は500スペース以上と欧州でも屈指の規模を誇る日本ファンやアニメ・漫画・ゲームファンに向けた総合イベントです。

ドコミの公式アカウントがfacebookに投稿した情報によると、成人向けのコンテンツを扱うエリアは年齢確認を行い入場が制限されます。主に、イラストレーターなどが作品を「修正なし」で展示、販売できる場となります。一般エリアでは展示が敬遠されがちなフィギュアの展示もあるとか。また、イベントコーナーが設けられ「Shibari」ショーが行われるとありますので、SM趣味におけるいわゆる緊縛ショーが実施されるのだと思われます。ライブドローイングや関連パネルも実施するとあります。

後日、名誉ゲストとして漫画家の前田俊夫さんの参加が発表されました。前田さんの作品といえば、世界に日本の成人向けの漫画が広がるきっかけになったといってもよく、新設エリアに相応しいゲストだと筆者は思います。

実はこの発表の内容は(12月31日現在)公式サイトには反映されていません。

今回はドコミの共同代表のひとりアンドレアス・デーゲンさんに成人向けエリアについて直接質問してみました。

ドコミはコンセプトのひとつとして「家族でも楽しめるイベント」を掲げています。デーゲンさんは、この成人向けエリアの設置には決定まで慎重に検討を重ねました。結果、ファン文化では成人向けコンテンツもその一翼を担っていることに留意しつつ、青少年保護の観点から成人向けコンテンツを他の一般向けとゾーニングすることにしたそうです。

筆者の印象では、ドイツを中心とした近隣諸国で最近、セクシー/エロコスプレイヤーを名乗るクリエーターが増えています。一般メディアに取り上げられることはまずない彼女たちですが、月額制のクリエーター支援サイトで写真や動画を公開し多くの支援者を抱えているのを見かけるようになりました。

ドコミの成人向けエリアはこのような表現者の発表の場にもなるのでしょうか?デーゲンさんによると、一般向けのエリアとの違いは写真集などの作品に修正の必要があるかないか。基本的にはどちらのエリアに参加するかは参加者側の判断に委ねるそうです。

また、ドイツといえばポルノ産業の見本市が開催されるほど、成人向けコンテンツの関心が高い国でもあります。ベルリンで開催される「Venus」は、世界40か国から250以上のブースが参加し3万人が来場する大型イベントです。(ドイツ語の関連記事・閲覧注意)

こういったドイツのポルノ産業の隆盛も背景にあるのでしょうか?

この点についてデーゲンさんは、既存のポルノ産業とは一線を画すものだと説明。成人向けのファンアートを制作するクリエーターは女性の場合が多く、エロチックといっても方向性が異なると区別しました。

いかがだったでしょう?

日本には成人向けコンテンツを制作するクリエーターが多数存在し、国外で注目を集めることも多いように感じます。国外でも成人向けコンテンツに特化し来場者を制限したエリアがあれば、日本のコンテンツはもっと海外に進出できる可能性があるのでは?と思いました。

イベント情報:
イベント名:Dokomi
開催地:ドイツ、デュッセルドルフ
開催日程:2020年5月23、24日
公式サイト:https://www.dokomi.de/de




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