よくある「今回は違う」論
私も20年以上エコノミストをしておりますが、必ずと言っていいほど景気回復の終盤になると「今回は違う」論が出てきます。
例えば、前回の米国景気回復の終盤期には「デカップリング論」が流行りました。
これは、アメリカの経済が悪化しても、新興大国は高成長を続けるため、世界経済全体は成長を続けるという論でした。しかし、リーマンショックでもろくも崩れ去りました。
その前のITバブル崩壊前は「ニューエコノミー論」が流行りました。
これは、IT導入などによる経済構造の変化により景気循環から抜け出し,インフレを伴わない好景気が続くという経済理論でしたが、しっかりとITバブルは崩壊しました。
結局、前回は米国のGDPギャップがプラスになってから2年後、前々回は同4年後、その前も同2年後に米国は景気後退に入っており、今回も昨年夏ごろGDPギャップがプラスになっていそうです。
従って、過去の経験則を踏まえれば、「今回は違う」論が出た場合はやはり景気回復の終盤であり、GDPギャップに基づけば、あと1~3年後の間に米国経済もリセッション入りの可能性が高いと思います。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32974820T10C18A7EN1000/
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