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「コスパが悪い」というリスク回避意識が幸せを遠ざける

このたびマイナビウーマンでも連載が始まりました! 

6月から寄稿していたのですが、評判がよかったらしく7月が「知らないと困る 結婚の数字」というタイトルで、結婚及び恋愛にまつわるいろいろな数字について、アラサーの婚活女子向けの記事を書いていく予定です。

さっそくこんなツイートが。

ありがとうございます。


さて、マイナビウーマンでは実質3回目の記事になりますが、連載初回記事が公開されています。

よく言われる「結婚はコスパが悪い説」についてです。というか…多分、「コスパが悪いから結婚しない」という分析は僕が2016年にはじめて書いたような気がします。2017年の拙著「超ソロ社会」でもそれは書きました)

ぜひご一読ください。


「よくわかる」「そうだよな」という賛同コメントもたくさん寄せらています。

こんなのもありました。

結婚だってある種の「投資」やと思うけどね。利害関係はある程度考えないと、それこそひょんとしたときに離婚っていう形になりかねないと思う。

おっしゃる通りです。結婚は経済生活ですから。

その一方で、たくさんの批判的なコメントもいただきました。毎度ありがとうございます。今回もこうしてネタとして活用させていただきます。

独身の婚活女子向けの記事なのに、批判コメントを書いてくるのは既婚者(特に男性)が多いです。


こんなコメントがきました。

結婚したことない人がいっても説得力ないなぁ。
食わず嫌いの食べ物をまずいよって人に言ってるようなものだなぁ。

多分、これは僕に言っているのではなく(僕をdisっているのかもしりませんけどw)、調査対象が独身者であり、独身に結婚のメリットを聞いてもわかるわけがないということを言いたいのでしょう。

でも、考えてみれば、初婚の人はみんなかつて全員未婚者なわけで、結婚を経験していないこそ思う「結婚のメリット」を聞くことが無意味なことだとは思いません。むしろ、独身者に聞くからこそ「なぜ未婚化なのか」の本質が見えてくるわけです。

こういう「なんでも経験したことがなければ言う資格ない」みたいなこと、結構多くの人がカマすけど、本当だせえと思います。

経験したことがないからこそ、人間は知識を求め、経験者との対話に価値を見出し、試行錯誤するものでは?経験したことがないからこそ、そこに想像力が埋まれ、発明へと昇華するのでは?

未経験が語ることを馬鹿にしたり、排除しようとする人は、人間の力を舐めているとしか思えない。

また、コメントの中にある「食わず嫌いの食べ物をまずいよって人に言ってるようなもの」という比喩も的外れです。

「まずいよ」と言ってるのではなく「高いよ」と言っているのです。既婚者がいくら「結婚はいいものだぞ」と言われても、財布の中にそれを買うだけの金がない(もしくはあっても、それに使うくらいだったら他に使う)と言っているのであって、結婚そのものや既婚者を否定しちゃいない。

なんだろ。ちょっと前まで、独身者に対しては「ただの変人」扱いして笑って済ませていた既婚者群が、最近は、ようやくソロ社会化不可避の現実を理解したのか、自分たちが安定的なマジョリティではなくなりつつあることに危機感を抱いているのか、ソロで生きる人たちに対して、前より一層異分子扱いして攻撃的になっていたり、自分たちが否定されているという被害妄想意識が高くなっている気がします。


結婚をコスパとか言ってること自体終わってるから、結婚しなけりゃいいよ。

はい。だからソロなんじゃないの?でも、その思考で終わってるかどうかまで言い切れるんですかね?

コスパで考えてる時点でクズすぎる。
なんでもかんでも人生は合理的思考で考えることが良い生き方みたいな勘違い野郎たちは滅ぶべきだと思う。
コスパが良くて結婚して、結婚後コスパ悪くなったら離婚するのがオチ。

「結婚はコスパが悪い」と考えていることを合理的思考だと考えることが違う。むしろこれこそ感情の理屈付けの最たるもの。詳しくは「ソロエコノミーの襲来」を読んでください。

また、この人は結婚というものを感情でやるものだと思っているんでしょうか?そういう人が増えたからこそ、離婚が増えたんでしょ?お見合い結婚なんてものは、超合理主義ですし、だからこそ離婚も少なかった。

結婚は愛なのか?金なのか?なんていう二元論をやりたいわけじゃありません。むしろそうした二元論こそ不毛です。結婚した人だけが愛を知っていて、未婚は理解できないなんてことはありません。既婚者の中でも、ちゃんとした方は、そうした現実の結婚生活をふまえて、「それでも結婚して良かったと思っています」というコメントをしてくれています。

幸せってそういうことかもしれません。

正味、世のオタクたちは、自分の趣味にかけているお金に対して「コスパ悪い」なんて考えません。金と時間の消費によって心の充足を得ているのであって、むしろコストをかけなければ幸せは得られないのです。

コストと幸せは、トレードオフではなく、むしろ正の相関関係にあると言えるのではないてじょうか。

そう考えると「コスパが悪い」ことを忌避してしまうと一生幸せとは縁遠くなるのかもしれません。

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荒川和久/独身研究家・コラムニスト
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。