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SNSを運用することに、どれくらい「リスク」があるのか?

「SNSって、リスクあるでしょう? だから私はやりません」と、とある大手メーカー部長氏の弁。こういう人、実は少なくないのですよね。しかし、しかし。 リスクとは、決して「100%やらない理由」ではないはずだと思うのです。

リスクがあるから手を出さないということでは、極端なことを言えば、飛行機にも車にも乗ることができなくなります。それどころか、普通に近所を歩くことさえリスクが大きい行動でしょう。さらにいうと、病気、ケガ、失業… など、人生を生きること自体がリスクだらけの危ない行為ということになってしまいます。

ある哲学者が言ってましたが、「人生のリスクを100%なくすには、生きるのをやめることが一番だ」と。まあそれは極端な表現だとしても、リスクとは、自分の人生において常に "共存" すべきものだと思っています。目の前の選択の成功(と失敗)の可能性を見極め、正しく決断するための材料。そういう意味では、リスクとは、チャンスと表裏一体だともいえるものです。

SNSの運用について、リスクが完全に0ではない、ことは否定しません。しかしそもそもですが、リスクがまったく0の行為なんてそんなに多くあるのでしょうか。


上述した部長氏に、たとえばSNS運用のリスクっていったい何だとお考えですか? と聞いてみました。すると、「うーん。たとえば個人情報が漏えいする危険性とか?」と。

なるほどなるほど。しかし、です。本当に個人情報の漏えいを気にするなら、そもそもすべてのインターネットサービスが相当に使いづらくなってしまいます。サービスによっては、住所や医療情報など、かなり高度な個人情報を提供する場合もあるからです。

そして、秘密であるはずの情報は、「(ハッキングなどにより)漏れてしまいました」という頻繁なニュースやプレスリリースと共にどんどん世の中に流出しています。私たちユーザーには、どうすることもできません。

一方、たとえばLinkedInでは、住所、性別、年齢すら入力する項目がありません。名前やキャリア情報は出る訳ですが、仕事をしている以上、それらはある程度は世の中には知られる情報だとも思います。(逆に今や、まったくネット上に名前が出てこない人は、そもそもの存在を訝しがられるという "リスク" が高まっているといえるでしょう)


というわけで件の部長氏に、SNSの個人情報を取り巻く環境について説明してみました。すると少しは理解を示してもらった風ではありますが、次は「個人情報はともかくとしても、やっぱり炎上は怖いよね」ときました。

これも、多くの人がSNSをやらない理由として挙げる項目です。しかし。

炎上とは、通常はそのほとんどがX(Twitter)などの匿名利用が多いSNSで起きるものです。たとえばLinkedInやFacebookなどではユーザーが実名で活動するがゆえに、炎上という事象が発生するのはとても稀なことです。

炎上とは、名前を出さない人たちが暴走して好き勝手にいえるから発生するのであって、自分の名前を出して公に活動する場合、人というのは本質的に社会に適合した行動をを取るものです。ちなみに、LinkedInでなにか本格的に大炎上しているという案件を、少なくとも自分自身はこれまで見たことがありません。


だから個人情報のみならず、「炎上」について警戒しすぎてしまうのも、SNSのリスクを過大に見積もり過ぎているということになると思います。

そもそも炎上なんて、たとえ起こそうと思ってもなかなか起こせないものです。普通にバズるよりも、実際には相当に難易度(?)が高い現象です。X(Twitter)を15年ほどやってみての、自分の率直な感想です。


SNSをやらないのは、もちろん個人の自由です。誰かに強制されてやるものでもありません。

しかし、ただぼんやりした「リスク」を感じるからまったく手を出さない、というのでは本当にもったいないと思うのです。そのリスクは、本当にクリティカルなものでしょうか。得られるであろうベネフィットに比べてどうでしょうか。単に「リスクが…」ということでまったくやらないのは、人生の大きな損失だとさえ思うのです。


私はLinkedInなどのSNSによっていつもすばらしい機会を得られていますし、これまでにも本当にかけがえのないご縁を頂いてきました。ありがたいことです。

この大きなベネフィットと価値を、少しでも多くの人に感じてほしいと思いながら、日々の仕事に励んでおります。

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