2024年米大統領選挙と気候変動政策:カマラ・ハリス氏への注目
米大統領選挙投票日まで残り96日。6月後半の討論会でのバイデン氏のつまずきからトランプ氏暗殺未遂、バイデン氏の選挙戦からの撤退、カマラ・ハリス氏の出馬表明と、目まぐるしいスピードで米大統領選挙選が展開しています。
そんな中、国内の報道ではあまり触れられる機会は少ないものの、気候変動政策の推進を訴えるグループからハリス氏への支持が急速に集まっていることが、英語圏のメディアでは頻繁に報じられています。
【1】なぜ気候変動関連コミュニティはカマラが好きなのか? 彼らは彼女の実績を見て、それを気に入っている[7/22 Heatmap News]
【2】カマラ・ハリスの気候に関する立場 [7/22 New York Times]
【ハリス氏の気候変動政策分野の主な実績】
サンフランシスコ地方検事時代に環境正義局を設置。
カリフォルニア州司法長官として、化石燃料企業に対する訴訟を提起。
2019年に上院議員として環境正義に焦点を当てたグリーン・ニューディールを共同提案。
2020年大統領選挙の候補者として、野心的な気候計画を提案、10兆ドルの公的・民間支出を含む気候変動計画を打ち出し、2045年までにネットゼロを達成し、2030年までにカーボンニュートラルな電力網を実現し、公有地での新たな化石燃料のリースを行わず、炭素汚染料を徴収することを求めた。
副大統領として米国史上最大の気候政策法案であるIRA(インフレ削減法)の可決を支援。
【3】カマラ・ハリスの気候に関する実績が明らかにしたこと [7/23 Vox]
【4】ハリスが副大統領選を検討する中、気候変動団体は選挙戦に「全力投球」していると語る - ABCニュースが、副大統領候補の気候変動に関する記録を分析した[7/27 ABC News]
【5】気候リーダーたちは、ハリスは若い有権者に「電気的な火花を散らした」と言う - 350人以上の環境保護論者が彼女の立候補を支持し、2024年の選挙まで100日を切った今、気候変動に関心のある有権者に活力を与えることができると述べている[7/30 The Washington Post]
7月30日に公開された『The Climate and Environmental Community
Supports Vice President Harris in 2024(気候・環境コミュニティは2024年米大統領選挙においてハリス副大統領を支持する)』と題した公開書簡には、元米国気候変動特使ジョン・F・ケリー氏、ヒラリー・クリントン元国務長官など、350名以上もの政治家、学者、CEO、環境活動家らの名前が署名されています。
今後約3ヶ月間に渡って熾烈な選挙戦が繰り広げられることが予想されますが、気候変動対策のみならず、貿易、エネルギー、ビジネスなど幅広い観点から注目が集まることになりそうです。「もしトラ」という言葉とともに「トランプ政権」への備えを進めている政府機関、企業、投資家なども多いと思いますが、ますます目が離せない状況です。
東京都知事選で目にした「石丸現象」のようなYouTube、TikTok、XなどのSNS、デジタルキャンペーンが今後どのように選挙戦を左右するのか、また気候変動に関するキャンペーンのあり方などから、将来の日本において教訓となるような取り組みがあるのか、そんな視点から選挙戦を展望することも意義ある試みのような気がします。このトピックは今後も継続的にフォローしていきたいと思います。
*カバー画像:COP28UAE 公式Flickr
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