iPhoneXの登場と顔認証が当たり前になる時代への恐怖

iPhoneX登場のタイミングに合わせて、今週号のThe Economistの特集では"Nowhere to hide - What machines can tell from you"と題し、顔認証技術がもたらすビジネスの可能性、監視社会へのリスクなどについて深く分析した合計4本の記事を掲載していて、とても読み応えがある内容でした。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21027920S7A910C1TCR000/

記事の中で紹介されているロシアの「ファインドフェイス」というアプリは、ロシア大手SNS(交流サイト)「VKontakte(フ・コンタクテ)」に上がっている写真と比べ、70%の精度で本人を特定できるそうです。同じようなことがFacebookのプロフィールと紐付けられることも起きるのではないか、と考えるとぞっとしてしまいます。 就職・採用活動の時、或いは初めて会う人との商談の際、その他、記事の中でも詳細に書かれているように多くの場面で、全てが丸見えになることのリスクはとても心配です。ただ、ビジネス、マーケティングの担当者からすれば詳細なターゲティングが可能になるわけで、どこで倫理的な線を引くか、ということが法規制担当者なども考えさせられることになりそうです(この辺EUの動きに注目です)。

The Economist のもう一本の記事では、中国にある顔認証システム世界大手で時価総額は20億ドルを突破している中国のメグビー社のことが紹介されています。 中国では16歳になるまでに写真付き身分証明書を与えられるため、中国政府は7億人の市民の画像をデータベース化していて、メグビーや同じく中国のセンスタイム社はこうした情報を利用できるとのことです。 深圳では、交通規制や信号を無視する人の特定するのに顔認証を使っていて、北京市は、公共のトイレからトイレットペーパーを盗む人を捕まえるために顔認証技術を使い始めた(9分以内に60センチ以上使う人も認識するという)そうです。

以下の記事のタイトルには『The facial-industrial complex』とつけられています。iPhoneXを使う際のリスクも併せて考えてみたいテーマです。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/224217/091100141/

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