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ストレスとうまく向き合うための8つの習慣。正しくコントロールしてパフォーマンスを上げるコツ

皆さん、こんにちは。今回は「ストレス管理」について書かせていただきます。

引用させていただいた記事は、「宇宙飛行士を取り巻くストレスをいかに処理するか」という内容ですが、一般的な職場環境においても通ずる部分が多く、ストレス管理のためのヒントがいくつもありました。

米航空宇宙局(NASA)をはじめ世界の関係機関は2008年、宇宙飛行士に必要な8つの能力をリストアップした。彼らの訓練や思考法は一般の人にも応用できるか、そして心の強さとは何か。宇宙飛行士の健康を管理するカウンセラーたちにポイントを聞いた。
カウンセラーの目を通して見えるのは、人はみな異なり万能なストレスケアは存在しないということだ。はやりのストレス解消法をやってみても、その人が問題の原因を理解できていなければ役に立たない。自分を客観的に観察できるようになることが大切なのは宇宙も地上も変わらない。

ストレス耐性が強い人の特徴とは何でしょうか。
また、ストレスとうまく向き合い対処していくためには、どんなことを意識すると良いのでしょうか。
記事の中にあった「8つの能力」とも照らし合わせながら、どのような習慣や能力を身につけていくべきか考えてみます。

■ストレスを感じる要因とその反応

ストレスを感じる要因は、「環境の変化」や「人間関係」、「仕事での業務量の多さやプレッシャー」など多岐にわたります。働く上でストレスに悩む人は多く、心の病による休職や離職が増加していることは深刻な社会問題の一つで、それはコロナ禍でさらに加速された印象を持っています。社会環境や市場環境がこれだけダイナミックに変化している中、その動きにどう対応していけば良いのか分からず、大きな不安や悩みを抱えている人も少なくありません。

ストレスを受けた時、心身に起こる変化は以下のようなものがあります。

・疲労、倦怠感、過食、食欲不振、眩暈、不眠、動悸、頭痛などの身体的なストレス反応
・緊張、抑うつ、不安、焦り、怒り、苛立ち、落ち込みなどの心理的なストレス反応

このような反応が起こってしまうならば、いかにストレスがかかる環境から逃げればいいのか、ストレスを極力感じないようにするにはどうすればいいのかという視点になってしまいがちです。

ですが、引用した記事の中には、

「ストレスは悪いものではなく、正しく使えばパフォーマンスは上がる」

という指摘もありました。

適度なストレスは、仕事や人生に対して“張り”や“緊張感”、“刺激”や“原動力”を与えてくれるものでもあり、ストレスをただ「避ける」「耐える」のではなく、「コントロールする」ことができるようになると、上手に向き合うことができ、仕事のパフォーマンス向上へとつなげることもできるのです。

■ストレス耐性が強い人の習慣

変化が激しい現代社会においては、ストレスを一切感じずに生きていくことは難しいですが、中にはストレスにさらされても心身ともに健康を維持しながら働いている人もいます。そのような人たちは、ストレスの受け取り方や捉え方、向き合い方に工夫があるのだと思います。

ストレス耐性が強い人の習慣を8つ挙げてみます。

①物事を客観的、かつ肯定的に捉える
→「問題の原因を客観的に理解すること」がストレス管理のための第一歩とも言われます。ストレス耐性が強い人は、何か問題が起こった時にしっかりと現実に向き合い、ネガティブな思い込みで物事を判断することなく、ストレス自体をしっかりと認識することができます。また、失敗してしまった時に悲観的に捉えるのではなく、楽観的に考えて、ミスを引きずらない人が多いです。

②自分自身の感情や心身の変化を認識し、周囲に頼れる
→たとえば「今日は調子が悪い」と思った時に、「昨日睡眠不足だったからだ」「思ったよりもあの時の出来事にショックを受けているんだ」などと自分自身で原因を考えて必要な対策がとれる人は、セルフマネジメント力が高く、ストレス管理が上手です。不調を感じた時に、一人で抱え込み過ぎずに周囲を頼って力を借りることができる人ほど、ストレスをコントロールすることができます。

③変化が起こった時は“成長”の機会と捉える
→大きな変化が起こった時、または予期せぬ出来事に直面した時、その状況に委縮して“脅威”と捉えるのではなく、仮に困難なことであったとしても自分が成長していくための試練であると認識することができます。
また、仕事で成果が出なかったとしても、「これはチャンスだ」「課題が見つかった」と、自分の成長機会だと捉えられる人はストレス耐性が強いと言えます。

④自分の置かれた状況を自分でコントロールする意識が高い
→自分の気持ち一つ、行動一つで、状況を改善できるという意識を持っていると、ストレスを感じずに目の前の出来事や問題をコントロールすることができます。「自分ではどうすることもできない」と思っていると、周囲の人のせいにしたり、ネガティブに物事を捉えやすくなってしまいがちです。
万が一本当に自分ではコントロールできないことがあった場合、「それ以上は悩まない」と線引きができる人はストレスを抱え込まないで済むようになります。

⑤完璧を求めすぎない
→真面目で何事にも全力投球な人ほど、常に完璧な状態を追求し、その状態に達してしないと自分自身を責めてしまいがちです。抑えるべきポイントは外さず、妥協するところはする、手を抜くところは抜くといったテクニックが必要です。

⑥日々少しでも新しいことにチャレンジしている
→ストレスを感じる要因の一つに「変化」が挙げられますが、新しいことに直面することを避け、決まった日常生活ばかりを送っていると、変化に対するストレス耐性はどんどん弱まってしまいます。一方、変化を求め新しいことを始められる人や、自ら別の環境に飛び込める人ほど、変化に対するストレスに強くなっていきます。

⑦複数のストレス解消法を持っている
→嫌なことがあった時や疲れを感じた時に、リフレッシュできる方法を複数持っている人ほどストレス耐性が強い傾向にあります。ストレスを感じている環境から意図的に一度離れたり、別のことを考える時間を持つことで、ストレスが軽減される可能性が高まります。また、仕事のストレスを仕事で回復するという発想ではなく、別のことに時間を費やすなど、ストレス発散の手段を複数持っている方が、心身ともに健康でいられる可能性が高いです。

⑧ 思いきって「休む」という判断ができる
→一時的にストレスを感じている環境から離れたり、長い間続けてきたことでも勇気を出して“休む”という判断を選択肢に入れている人は、中長期的な目線で見た時に自分自身をコントロールしやすいと思います。義務感や責任感から自分を追い込み、固執した考えを持っている人ほど、視野が狭くなり状況に応じた適切な判断ができなくなってしまいがちです。自分を追い込み過ぎず、「休むことは悪いことではない」という発想を持つことが大事です。

 
これまで見てきたように、ストレス耐性が強い人は、もともと耐性があってメンタルが強いというわけではなく、あくまで「ストレスを逃がす環境や心が折れない環境を作る」ことが上手、ということが分かります。

逆に「ストレス耐性が弱い」という悩みを持っている人がいたとして、それはその人自身の問題というよりも、取り巻く環境に問題があるかもしれない、といった視点を持つことで、少し気持ちがラクになることもあると思います。


個人的にも「どうやってストレス管理をしているのか」を聞かれることが多いのですが、以下のように答えることが多いかもしれません。私なりに意識している8つの習慣を記載します。


■ストレス管理のために身につけるべき能力

引用した記事には、ストレス管理のためには以下の8つの能力が必要であると書かれていました。

これらをもう少し一般的な職場環境に置き換えて考えてみると、ストレスに対して上手に向き合っていくためには、以下のような能力やスキルが必要なのではないかと思います。

【1、自己管理】
▽自分の思考や感情をコントロールする力(負の感情も含め)
▽自分の課題や弱点がどこにあるのかを理解し、受け止める力
▽問題が起こった時に複数の解決策の中から自分に最適な手段を選択する力
【2、コミュニケーション】
▽自分本位な発言ではなく、相手がどう捉えるかを想像した対話をする力
▽チームにおいて必要な情報を与え、正確に受け取る力
▽ストレスになりそうな外部情報を自分の中で貯め込まず、受け流す力
【3、異文化】
▽異文化を受け入れる力
▽バックグランドが異なる相手でも、お互いを理解し認め合う力
▽異文化に適応する過程で自分のアイデンティティーをより深く理解する力
【4、チームワークと集団生活】
▽チームのためになるような自発的、積極的な行動
▽チーム内で協働、相互依存しながら、プレッシャーや不安を乗り越える力▽集団生活においてルールや約束事を守る力
【5、リーダーシップ】
▽チーム全体を成功に導くために必要なリーダーシップやフォロワーシップ▽チームメンバーを育てていくためのコーチングスキルや指導力
▽チームが能力を発揮するために必要な環境を構築する力
【6、コンフリクトマネジメント】
▽対立を未然に防ぎ、対立が起こった時でも迅速、かつ的確な介入をする力▽具体的な解決方法を提示し問題解決につなげる力
▽コンフリクトに対する考え方をポジティブに変化させていく力
【7、状況認識】
▽合理的、かつ建設的に状況を把握する力
▽現状を踏まえた上で今後の動きを予測し、行動計画を立てる力
▽どんな状況においても、悲観せずに目的や意味を見い出す力
【8、意思決定と問題解決】
▽大局から見て、より広く、より高い視点から物事を判断する力
▽必要な要素を抽出し、意思決定に備える力
▽意思決定した内容をもとに、実行に移していく力

ストレスへの対処法には、「正面から向き合う」、「避ける」、「一時的にその問題から離れる」など、様々な対処の仕方があります。

どんな対処法であれ、一つひとつに真面目に向き合い過ぎず、また常に完璧な状態を目指し過ぎず、ある程度のミスを許容し、ある程度のレベルで妥協をするという、心の余裕が必要なのだと思います。

日常生活から全てのストレスを排除するのではなく、不要なストレスを排除した上で、残りのストレスを効果的に管理することが大切なのではないでしょうか。

■企業がすべきこと

企業側の目線で社員のメンタルヘルスの問題を考えた場合、過度なストレスを抱えた社員は、本来のパフォーマンスを発揮できないだけでなく、休職や離職につながりやすく、チームの業務遂行や組織の目標達成にも悪影響を与
えてしまいます。

厚生労働省の「労働安全衛生調査」の結果によると、現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安やストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は 54.2%となっているようです。

企業ができる取り組みを以下の通りまとめます。

  • 社員の状態をタイムリーに知る
    →労働時間や業務量は適切か、職場の人間関係はどうか、仕事をする環境は問題ないかなどまずは社員の状態を正しく素早く「知る」ことが必要で、定期的に社員のリアルな声を拾うことを仕組み化しないといけません。

  • ストレスやメンタルヘルスに対する社員の理解を促進する
    →社員が自分自身でメンタルヘルス対策を行えるような、基礎的な知識をインプットしてもらうことが重要です。企業側が研修などを通して教育を行い、ストレスケアの重要性や手法を学んでもらう機会を設ける必要があります。

  • ストレスチェックなどを活用し社員のコンディションを把握する
    →労働衛生安全法により、企業が年に一回従業員に対してストレスチェックを行う制度が義務化されています。社員自身がストレスに気づき、メンタル不調を未然に防ぐこと、さらにストレスの原因を把握し改善対策を進めることが目的になります。

  • サポート体制を整備する
    →上司や同僚など現場だけでなく、会社の人事、産業医、カウンセラー、外部の専門機関など、複数のサポート体制を整備する必要があります。

  • 同調圧力を排除する
    →「みんな忙しいんだ」「みんな頑張っているんだ」という同調圧力は、心身の違和感を抱える人に対して、何の策も打たずにギリギリまで労働を強いてしまうことにつながりかねません。こういった風土になっていないか、部署単位・チーム単位で細かくチェックしていく仕組みがあった方が良いと思います。


これまで述べてきた通り、ストレスマネジメントは、従業員の心身の健康を守るだけでなく、企業の健全で持続的な発展のためにも、これからの企業経営に欠かせないものです。

従業員の健康管理を経営的な課題と捉え、戦略的かつ計画的にあらゆる取り組みを行う企業の姿勢は、より一層求められています。従業員の健康への投資は、それだけリターンも大きいはずです。

経営層や管理職が、しっかりとそれらを理解して社員と接しているか、問題点があれば環境改善のために動けているかで、中長期的な会社の競争力にも影響していくことは間違いありません。




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