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人生に"回り道"はない。ブロードウェーとスタートアップの共通点とは。

日経の「人間発見」というコンテンツが好きなのですが、最新の記事はNYのブロードウェーで働くプロデューサー、吉井久美子さんの記事でした。

人生哲学や仕事観、生い立ちなどを経営者や科学者、政治家など様々な分野の人に聞くコラム「人間発見」の記事サイトです。1995年から続く日経の名物連載です。

「人間発見」とは

ミュージカルは上演されている”その時”が話題になりますが、ブロードウェーで上演されるまでの道のりはとても長いことを知っている人は、相当ミュージカルが好きな人(笑)

その道のりを楽しみながら知りたい、という方は『SMASH』というドラマがおすすめです。スティーブン・スピルバーグが製作総指揮をしているドラマなのですが、マリリン・モンローの人生を描いたミュージカルを公演するための制作過程や役をめぐる争い、舞台の裏側などが描かれています。

実はスタートアップとミュージカルはとても似ています。初めにエンジェルラウンドがあり、ピッチ(ミュージカルの場合は作品の一部の歌やセリフを出資者の前で披露すること)を繰り返し、どんどんピボットをしながら作品を磨いていき、最終的にブロードウェーに辿り着く様はIPOのよう。構想からブロードウェーでの上映まで短くても3年、長いと10年以上かかることもあるのもスタートアップと似ていますね。

ミュージカルに興味がないという方にも、この吉井さんの「人間発見」の記事をお勧めしたい理由が、こんな記述の部分にあります。

どうすればブロードウェーで働けるのかと聞かれます。私が歩んだ道は最短距離とは言えません。パラリーガル(法律事務職員)として法務を経験し、ウォール街でビジネスを学び、プロダクションでの電話番という本当に小さなことからブロードウェーに関わり始めました。作品のプログラムに初めて自分の名前が載ったのは30代半ばです。
最近は、若いうちに活躍していないとだめなのではないか、と焦る人が多いように感じます。回り道と思うことも、必ずどこかで生きて、学んでよかったと思える日が来ます。それは回り道ではないので、悩む必要はないというのが私のモットーです。

最近同じことを聞かれました。周りが起業していたり、昇進していたり、「すごく焦るんです。どうやったら若いうちに活躍できますか」と。スタートアップを支援する場所にいるからというのもあると思うのですが、ものすごいスピードで物事が動いていて、気を抜いてしまうと振り落とされてしまう気がしてしまう。その緊張感も大事なのですが、早いこと、最短距離だけが全てではないと思っています。

6月1日にPlug and Play Japanでは新しいアクセラレータープログラムをスタートしました。採択された66社のスタートアップの情報を見てみると、ファウンダー(創業者)の年齢や経歴も様々。私の周りには、20代で起業した人もいれば、40代になって起業した人も。

「回り道と思うことも、必ずどこかで生きて、学んでよかったと思える日が来ます。」という記事の中の吉井さんの言葉で思い出した記事がもう一つあります。日本初のJALの女性機長になった小〜高校まで12年間通った桐朋の先輩の記事です。

記事は最後こんな言葉で締めくくられています。

夢を諦めないことは、決して辛いことではありません。自分のやりたいことのイメージを作っていけば、そこに自ずと近づいていけると思います。

諦めない、自分が信じたことをやる。実現するのはいますぐかもしれないし、10年先かもしれない。それでもやるし、やり続ける、そして結果として目指したいところに近づいていくことができるのでしょう。

その熱量がつまっているのがブロードウェーという場所でもあります。そこに触れたくて毎年のように行っていたのかもしれません。最後に行ってからもう2年。今年こそは再びあの熱量に触れに行きたいですね。



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