大学教育は社会の「写し鏡」である

止める政府も進める経団連もどちらの言い分にも理があるので難しい所です。ただ、やはり大学教育は社会の「写し鏡」であり、今のような総合職採用を当然視している社会では大学での学びも(恐らくは今のように)ファジーな位置づけにしかならないと思います。だからこそレジャーランドであるとか揶揄されてきたはずです。企業が専門性を求めないのだから学生だって勉強しない、という話です(私はそういう社会の在り方に疑問があり、せめて経済学部を出たんだから経済分析の仕事をしよう・・・と今に至った経緯があります。若い選択でしたが、あまり後悔はしていません)。

新卒一括採用、人生40年包括契約とも揶揄される現行制度の在り方が政府・与党の勧める「働き方改革」とバッティングすることは間違いないでしょう。その意味では新卒一括採用のルールが徐々に溶けてなくなっていき、その次に終身雇用・年功賃金にヒビが入り、結果として政府・与党が企図するような雇用規制の緩和、雇用市場の流動化といった未来が見えてくるのだと思います。

入ってから何をやるか分からない「総合職」という働き方で個々人が裁量を確保するのは難しく、裁量の無い個々人に働き方改革もまた難しいのは想像に難くありません。大学で学んだことを就職に活かすのが当たり前の社会へ脱皮するためにも、新卒一括採用の重要なルールが修正されていくのは良い話には思えます。まさに今朝、首相が日経のインタビューで答えているように、生涯現役を可能にするには雇用制度へのメスが必須であり、新卒一括採用に係るルールの緩和はその第一歩だと感じられます。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34935010T00C18A9MM8000/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34913280T00C18A9EA1000/

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