日本だけじゃない。世界が未婚化する物理的理由とは?【データ11】
この連載では、主に日本のソロ社会化について書いていますが、これは何も日本だけの特殊な話ではありません。未婚化・非婚化というのは世界的な現象です。
各国の婚姻率の長期推移をグラフ化しました。
日本の婚姻率の低下同様世界の先進諸国のほとんどは婚姻率が下がり続けています。もともとヨーロッパは事実婚の影響もあり、婚姻率は低いのですが、日本より婚姻率の高かった米国でさえ近年の下がり具合は尋常ではありません。
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ちなみに、スウェーデンの途中の大きな突出は、年金制度の改正で駆け込み婚姻が急増した為だそうです。既に事実婚状態の人まで含め、一斉に婚姻したということなのでしょう。スウェーデンだけが唯一近年婚姻率が上昇してますが、人口1000万人にも満たない規模であり、一概に比較するわけにはいかないと思います。
このままいけば世界の先進諸国のほとんどは結婚しない国になってしまいそうです。こうした世界的な傾向を受けてか、拙著「超ソロ社会」のニュースは日本以上に海外で取り上げられています。米国ハフポスト、フランスのル・モンド紙、カナダのナショナルポスト紙からもインタビューを受け、記事が掲載されました。ソロ社会化に対して日本がどう対応していくのか?について世界中が注目しているのです。
グラフには載せていませんが、韓国・台湾の非婚化・未婚化も深刻です。
台湾は、適齢期の男女の半分が未婚という状況らしいですし、韓国に至っては「未婚大国・日本」より深刻だというニュースまで出ました。
https://www.recordchina.co.jp/b590072-s0-c30-d0127.html
ちなみに、韓国の統計庁「婚姻・離婚統計」によると、2016年人口千人当たり結婚件数である婚姻率は5.5件。1年前より0.4件減って1970年から関連統計を作成して以来過去最低水準に落ちたそうです。70年に9.2件となった粗婚姻率は、80年に10.6件まで増えてからは減少し続けています。
…というわけで、私ごとで恐縮ですが、拙著「超ソロ社会」の台湾版が、先月末に発売されました。
台湾版は、世界2か国目です。既に韓国版は今年2月に発売されています。韓国では、7月にテレビ番組の取材を受けまして、今月8月末頃に放映される予定だそうです。
しかし、実はもっともっと深刻なのは中国です。中国では、一人っ子政策のせいで、男女のバランスが大きくくずれ、未婚男性が未婚女性と比べて3000万人以上(一説には、3500万人とも4000万人ともいわれる)も多いと言われています。女性が全員結婚しても、台湾以上ほぼカナダ1国分の人口に匹敵する男たちが余る計算です。日本も300万人の未婚男性が余っていますが、その10倍です。
こうした状況を打開しようと、今中国ではお嫁さん探しを海外に求める動きが活発化しています。しかし、中国ほどではないですが、こうした男余り減少は世界的なものです。どこの国も男余りなんです。原因は医療技術の発達に伴って、もともと高かった男児の乳幼児死亡率が改善されたことが大きいでしょう。
このままいけば、物理的に確実に「男余り」によって、未婚化が進行していくことになるのです。
日本の男余り現象の詳細についてはこちらの記事に書きました。
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