今年の中国の広告市場の成長率は3.9%と予想。その理由とは?
新型コロナウイルスによる中国経済へのマイナス影響は計り知れませんが、広告産業はさらに発展していくのかもしれません。
電通のDentsu Aegis Network(DAN)が、中国の広告支出予測を3.9%の成長と予測しています。以前に予測した5.6%から下方修正されましたが、それでも2019年の3%成長を上回ると予想されているのは興味深いです。(↓詳細)
これを見ると、各国の最新の予想は軒並み下方修正されてるのですが、日本は1.8→2.0に上方修正されてました。オリンピックは延期か中止が濃厚と見られてますが強気ですね、頼もしい。
そして、もちろん中国国内でも広告についての研究や予想は行われていて、分析されたレポートもあります。
IDCのレポートでは、2023年までに中国のインターネット広告市場の規模は990億ドル成長し、5年間での成長率は11.9%になると予測されています。
その理由の一つは、人工知能技術向上によって「検索エンジン+情報フロー」広告の精度が高まること。さらにグラフィックスとビデオによる広告内容向上も期待されていて、すでに多くのITジャイアント企業たちの競争が行われています。
もう一つの理由は、新型コロナウイルスによる外出規制によってオンラインでの消費活動が爆発的に伸びているからです。これは「宅经济(在宅経済)」と呼ばれたりします。
不謹慎ではありますが、「オンラインショッピング」「学習」「ビデオ」「ゲーム」などの分野は明らかに恩恵を受けている。
QuestMobileのデータによると、旧正月から続く外出規制期間に、ユーザー全体の1日のオンライン情報との接触時間が平均の50億時間から61億1000万時間に急増したとのことです。
そしてなんと言ってもソーシャルメディアです。みなさんもそうだと思いますが、多くの人々が今まで以上にSNSを見て感染の情報を確認しますね。日本でのTwitterのデータは調べてもわからなかったですが、恐らく昨年の同時期よりも遥かに滞在時間が増えているのではないでしょうか。
中国の多くのプラットフォームは多くがSNSサービスをしてるので、この期間において滞在時間を伸ばし、より多くのユーザーの情報を取得することに成功しています。
このことから、ユーザーに対して効果が高い広告を出すこと、より接触させることができる可能性があるということです。この理論であればオンライン広告にとってはプラスでしかないように思えますね。
ただ、実際にそう上手く行くでしょうか?実は他にも考えないことがいけない要素があって、それはSARSの経験から学ぶことができるのです。
後編に続きます。
(参考資料)
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