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不思議なことに この書籍にまつわるレビューが日経にないので書いてみる。 「成功=ヒト×DX」 デジタルシフトウェーブ 鈴木康弘さん著

積読王」こと、島袋です(自称)。一度読み始めると比較的早いのですが、そのきっかけを見つけることが下手くそで、積読の王座に君臨しています(自称)。

今日読み終り、オススメするのはこちら。

界隈で知らない人はいない 鈴木康弘さんの著書です。お家柄があまりにも有名ですが、本書にも、鈴木さんの講演セミナー内にもそのことは、ほとんど・一切言及がありません。僕も自身のスキルやナレッジ・経験でいろいろ語れるようになりたい。

僕は、直接お仕事をガッツリご一緒したことはないのですが、昨年と今年、弊社のセミナーにご出演いただいたことがありました。(昨年のセッションモデレートは、この数年で一番緊張したのは、ここだけの話です。)

今年も、7月にゲスト出演いただきました。(申し込みは終了しております)

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DXって聞かない日はない。

この書籍出版前から、書店には「DX」と名のついた書籍や雑誌が店頭を賑わせていました。(WEBメディアやオンラインセミナーも)
そんな中、 鈴木さんが(この期に及んで)出す「DX本」ってどんなものなんだろう?と、当初は、かなり不思議な感覚でした。社名自体が「デジタルシフトウェーブ」という文字通りの「DX企業」ゆえに。(noteもやってます。)

予想をいい意味で裏切られた書籍でした。

正直なところ、思っていた内容の書籍と違いました。これは、いい意味での表現です。昨今の「DX解説本」は、ググればでてくる諸外国の先行事例や、国内のちょっとトレンディな取り組み(多くはPR的な行灯事例)をピックアップして、もっともらしいコメントをつけて引用する寄せ集め書籍が多かった中、書籍の帯にもあるように「超・実践版」の書籍でした。

僕自身も数年前に、実務担当者として商業ディベロッパーや飲料メーカーでデジタルのトライをしていた時代がありましたが、その時に出会いたかった書籍です(笑)。

DXがバズワードと言うならば

よく「DXはバズワードなんで〜」とセミナーや著名マーケターのセリフでも聞きますが、その「落とし所」は、ビジネスセミナーであれば、その主催者の販売する「ツール導入」だったりする、「ズコーッ_(┐「ε:)_」事案は、よくありますが、この書籍では、そんなことはありません。

時代は変わろうとも、変わらないビジネススキルを身につけることなんだな、と。本書では全8章構成になっているのですが、その冒頭に引用してある金言がすべてを物語っていました。

第1章 デジタルシフトとDX
第2章 成功=ヒト×DX
第3章 経営者の意識を変え、決意を促す
第4章 デジタル推進体制を構築する
第5章 未来を見据えた業務改革を進める
第6章 自社でシステムをコントロールする
第7章 変革風土を定着させ、加速させる
第8章 DXがもたらす未来を想像する

こちら、それぞれ

第1章 未来を語る前に、今の現実を知らなければならない。現実からしかスタートできないからである。ピーター・ドラッカー 

第2章 本物の変化か、一時の変化か、見分け方は簡単である。本物の変化とは人が行うことであり、一時の変化は人が言うことである。話にばかり出てくるものは一時のものである。ピーター・ドラッカー『ネクスト・ソサエティ』

第3章 そのことはできる、それをやる、と決断せよ。それからその方法を見つけるのだ。 エイブラハム・リンカーン

第4章 改革は内部からなるもので、外部からもたらされるものではない。 エドワード・ギボン

第5章 過去にこだわる者は未来を失う。ウィンストン・チャーチル

第6章 実際、誰もあてにしてはならないのです。 他人委(まか)せにせず、​自分自身の手でやってのける以上にいい仕事をする方法はありません。ロマン・ロラン

第7章 いつだって、偉大な先人達は凡人達の熾烈な抵抗に遭ってきた。 アルベルト・アインシュタイン

第8章 未来を考えない者に 未来はない 。ヘンリー・フォード

となっています。僕レベルで聞いたこともあるものもあれば、初見(初耳)だったものまであります。

そして、この本の一番はじめのページには

最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一、生き残るのは変化できる者である。
チャールズ・ダーウィン

の引用もあります。(この1年何回聞いたことか汗)

これらの過去の偉人たちの名言を今一度咀嚼するだけでも、今後のパフォーマンスが変わってくるかと思います。

*ちなみに余談ですが、このダーウィンくだりにはいろんな話題があるようです*

で、本書を読むべき・オススメするのは?

本書、章によって、事象・事例のかなり粒度が、異なります。経営層のマインドセットから、末端の実務担当者まで、広くオススメできます。

しかし、付箋をつけるべく、ドッグイヤーな繰り返し読み、理解を深めるポイントは、担当者によってかなり異なるかと思いました。

なので、DXを推進しようとしてるステイクホルダー(経営から実務(中間管理職〜若手)そして、協力会社のベンダーまで)が、その取組において、共通言語化すべく、道標・ガイドラインとして、手元に置いておくと、ぶれない取り組みができるかと思いました。

個人的には P.159〜167の「システム選定」そして「SaaS」の選定・利用の仕方は、今後、弊社のセミナーでも引用してお伝えしていきたいポイントです(笑)

キャリア本でもある

ちなみに、タイトルにあるとおり、「ヒト」にフォーカスした書籍でもあり、そのへんの自己啓発本を読むより、この本の第8章を読み、アクションをするほうが、よっぽど参考になるかと思いました。

*先日のセミナー内で、鈴木さんから「しまこは、マルチスキル人材だよね」と声がけいただいたことが、今年一番恐縮しつつも、小躍りした瞬間であもあったのは、ここだけの話です。

ということで、お盆休みの1冊にいかがでしょうか。

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