中国のクレジットリスクはまだ大丈夫か?②政府サポートどうみる
経済成長の鈍化が確実な中、青海省投資集団(QPIG)が2月22日にドル建て債の利払い不履行を起こした。QPIGは中国西部に位置する青海省にあるアルミニウム生産企業だが、地方政府がバックアップしている企業なのではないかとの誤解も手伝い、今回の不履行が今後中国では頻発するのではないか、との懸念につながっている。
しかし、中国はデフォルトにアレルギーはない。1998年、広東国際信託投資公司(GITIC)の破たんや海南省国際信託投資公司(HITIC)のサムライ債のデフォルトを思い出す。これら名称を見ると、あたかも地方政府のサポートがある印象を持つことであろうが、こともあろうに、(記憶が間違っていなければ)当時は目論見書にも、国の機関のようなもの、と書かれていたと思う。
今回のケースも同じである。QPIGは地方政府が出資して設立されたものではなく、国にとって重要な産業支援ではあるものの、企業自体が営利目的、独立採算で成立する類のもの、である。よって、もともと経営が難しくなればデフォルトも想定されるもの、なのである。そのため、中国政府がサポートの考え方を変えたと萎縮する必要はまだないと見る。
もっとも、中国では、ゾンビ企業に対する破産は致し方ないとしており、2020年末に向けて、ゾンビ企業の一掃を図る最中にある。中国のクレジットリスクが即座に世界の金融システム不安を増長させるとは思わないが、中国のクレジットリスクに注意を払う必要が出て来ていることは肝に銘じておくべき、とは言えるであろう。
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