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アニメは世界の映画「館」産業を救うのか=ドイツから考える

ドイツでアニメ映画『ゴブリンスレイヤー GOBLIN'S CROWN』が劇場公開され週間チャート入りを果たしました。今回はアニメ映画の「実力」と映画館産業について情報を整理していきたいと思います。

日本では6月下旬にスタジオジブリの旧作が映画館で再上映され、多くの人が映画館を利用する結果となりました。

米国でも今月から映画館の営業がようやく再開し、2日付けの日経新聞の記事によると運営会社の株式が買われるほどの歓迎ぶりだったようです。

ドイツでは映画館の営業は州によって違いはありますが、概ね6月頃から営業を再開しています。ただし、座席数を減らすなど各種コロナ対策を行う必要があります。本稿のタイトル画像は、映画館の入場時に提出をさせられる個人情報を記入するシートです。いわゆる感染経路の遮断を目的とした追跡可能性を担保する対策のひとつとなります。

話しを冒頭の『ゴブリンスレイヤー 』の劇場版に戻します。

このアニメ映画は9月6日にドイツ語圏(オーストリアとスイスの一部を含む)の映画館で上映されました。1日だけのイベント上映です。

ドイツの映画産業団体が9月7日付けで発表した週間チャートによると、『ゴブリンスレイヤー』は12位にランクインしました。189スクリーンで上映、4700人を動員し、5万3500ユーロ(約700万円)を売り上げたそうです。

1スクリーンあたりの平均は25人となります。これは非常に少ない数字としか言えませんが、それでもチャートにランクインできたのは、他の映画もコロナ以前に比べて相対的に動員数が抑制されているからと見てよいと思います。一方で、他の映画はロードショー作品が多く、つまり毎日上映しているわけです。

『ゴブリンスレイヤー』は単日のイベント上映だったことを考えると、アニメ映画の底力を示せたのではないでしょうか。

ここで思い出されるのは筆者が以前紹介した映画館関係者のコメントです。アニメ映画『天気の子』の好評に関連してアニメ映画に期待する気持ちを語っていました。

ドイツの映画館産業が苦境に立たされているのは事実でしょう。そして、日本のようにアニメ映画が主要な興行収入になり得るかといえば難しいかもしれません。

しかし、今回の『ゴブリンスレイヤー』のように単日上映でも、ランキング入りを果たしたことを考えると、アニメ映画がドイツの映画館産業にも貢献するのは間違いないと思います。

ドイツでは今月末の劇場版『メイドインアビス』に加えて、11月には『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が映画館で上映されます。

というわけで、ドイツの事例をご紹介しました。アニメが世界的に浸透するなか、世界各国の映画館産業でもアニメが果たす役割があるような気がします。みなさんはどう思いますか?


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